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ママ かわいいから

昔々 もう20年ほど前の「光の前世療法」から・・・

「ママ、かわいいから」

むかし むかし あるところに、

とても なかのよい おやこが いました。

ママと ゆかちゃんです。

ママは ゆかちゃんのことが だいすきです。

ゆかちゃんも ママのことが だいすきです。

でも あるひ、ゆかちゃんは とても おもいびょうきに なって、7さいで しんで しまいました。

ママは とっても とっても かなしくて、まいにち まいにち ないていました。

「ゆかちゃんに あいたいよ。

ゆかちゃん、どうしているのかなぁ・・・」

あるあさ、めをさますと、ママは ふしぎなところに いました。

ふわふわの けむりのなかです。

でも、いつもの ふくをきて、いつもの サンダルを はいています。

「ここはどこなんでしょう・・・」

「あっ、ゆかちゃんが しゃがんで あそんでる」

しろい ふくを きた、7さいの ゆかちゃんが いました。

「ゆかちゃん、なに してるの?」

「ママ?」

ゆかちゃんも びっくり しています。

ママは ゆかちゃんを しっかりと だきしめました。あたたかくって・・・

「ママ、あいにきたよ」

「ママに あいたかったよ」

「ママに だっこして ほしかったの」

「ゆかちゃんは さみしくないの?」

「ママに あいたかったよ」

「ゆかちゃん、ここに ひとりで いるの?」

「ううん、みんな いるよ」

ゆかちゃんは ママと てをつないで、どこかへ つれていって くれます。

「あっ、みんな います」

かよちゃんも、けんたくんも・・・

おなじ びょういんで、ゆかちゃんと おなじころに しんでいった こどもたちが、みんな います。

みんな、がっしょうだん みたいに ならんで、こっちを むいています。

「ゆかちゃんの ママだ!」

みんな、にこにこ わらっています。

ゆかちゃんは ママと てをつないで、みんなに しょうかいして くれています。

「ママが きてくれたんだよ」

ママは みんなに ききました。

「みんな、しんでしまって かなしくないの?」

みんな、ニコニコ わらっています。

ゆかちゃんと ママの うえには、おおきくて あかるい ひかりが みえます。

ママは ひかりに たずねました。

「ママは これから どうしたら いいのですか?」

ひかりが ママに こたえます。

「ママと おなじように こどもを なくした パパやママの こころを なぐさめて、げんきづけて あげてね」

「ママに そんなことが できるのかなぁ?」

「ママには できるから」

ひかりが おはなしを してくれました。

「ママは ゆかちゃんを なくして しまったけど、それでも ママの じんせいは すごく じゅんちょう なんだよ」

「ゆかちゃんが たった 7さいで しんで しまったことも、よていどおり なんだよ」

「ゆかちゃんは びょうきで はやく しぬことを しってて、うまれて きたんだよ」

「ゆかちゃんが じぶんで みじかい いのちを けいかく したんだよ」

「ゆかちゃんと ママは あいで むすばれて いるんだよ」

ママは ひかりに たずねました。

「ゆかちゃんは ママを うらんで いませんか?」

「ぜんぜん うらんでなんか いないよ」

「ゆかちゃんは いま、しあわせですか?」

「しあわせだよ」

ゆかちゃんは ぜんぜん さみしがって いません。

こどもたちも ぜんぜん さみしがって いません。

ママは ひかりに たずねました。

「このこどもたちは パパとママよりも さきに しんで しまったのに、さみしく ないのですか?」

「みんな いっしょ だから。パパとママより さきに しんで しまった こどもたちは、みんな いっしょに なるから、さみしく なんかないよ」

「みんな、うまれる まえから ともだち だったんだ」

「いっしょに みじかい いのちを けいかくした たましいたち なんだよ」

ゆかちゃんが ママに いいました。

「ゆかちゃんはね、ママとは こんど、はじめて いっしょに いきたんだよ。ママがね、おべんきょう するため なんだよ」

「ねぇ、ママが ゆかちゃんを えらんだの? それとも、ゆかちゃんが ママを えらんだの?」

「ゆかちゃんが ママを えらんだよ」

「ゆかちゃんは どうして ママを おかあさんに えらんで くれたの?」

「ママ、かわいいから」

ママは ひかりに たずねました。

「ゆかちゃんと また いっしょに くらせますか?」

すると、ひかりのなかに しろい ふくを きた ママと ゆかちゃんが みえました。

たましいの せかいで、つみきをして たのしそうに あそんでいます。

「はやく あいたい・・・はやく、また いっしょに あそびたい・・・」

「ひかりさん、ママは ゆかちゃんに はやく あいたいんです。ママも はやく しんでしまっても いいですか?」

「ママのようが すんだらね。ようが すまないうちは、しんではいけないよ」

「ママのようって なにですか?」

「ママとおなじように こどもを なくした パパやママを なぐさめて、げんきづけて あげてね」

ママは ひかりに たずねました。

「もしも、ゆかちゃんに はやく あいたいから、ママが じぶんで しんだら、どうなるのですか?」

すると、とても くらいところにいる ママが みえました。

ママは くらい くらいところで、うえを みています。

うえには たかい たかいところに ひかりが みえます。

ママは くらいところにいて、うえのほうの たかいところにある ひかりを みあげています。

そして、ゆかちゃんは どこにも いません。

ママの こころに ひかりのこえが きこえてきました。

「ママ、じぶんで しんでも、ゆかちゃんには あえないよ」

ママは ひかりに たずねました。

「それじゃぁ ママが このまま がんばれば、また かならず ゆかちゃんに あえるのですね」

「もちろんだよ」と、ひかりが こたえました。

ゆかちゃんも「ママ、がんばってね」って いっています。

ママは しっかりと ゆかちゃんを だきしめて いいました。

「また、あおうね!」

「まってるね!」って ゆかちゃんも いっています。

ママは そこにいる こどもたち みんなも いっしょに だきしめました。

「がんばってね! がんばってね!」

こどもたちが みんな くちぐちに いってくれました。

「みんな、ゆかちゃんを よろしくね・・・あっ みんな わらってる!」

「みんなが げんきで しあわせにしてる、っていうことを、みんなの パパとママにも つたえてあげるね」

ゆかちゃんと みんなが ひかりのなかで わらって、てをふって くれているのが ママには はっきりと みえました。

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