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肝炎の原因:光の前世療法

昔々の「光の前世療法」のレポートから・・・

今日も「前世物語」からひとつ症例をご紹介しましょう。
「では、肝炎の原因が最もよくわかる過去生へ戻りましょう、という誘導になりますが、いいですか?」
 雅子さんはしっかりと頷きました。
「目を閉じて。そしてゆっくりと呼吸します・・・」
 彼女の意識はすぐに深い催眠状態に入りました。先生はどんどん催眠を進めていきました。過去生への光の扉をくぐった後、先生は尋ねました。
「地面を見て。地面を感じて。どんな地面が見えますか、感じますか?」
「乾いた白っぽい土です。所々に緑の草がはえてます。青い空が見えます」
「足は何か履いていますか?」
「こげ茶色の革の靴に白いレースの靴下を履いています」
「下半身は何を着ていますか?」
「白っぽいスカートです、ワンピースかもしれません」
「では、上半身は何を着ていますか?」
「半袖の白いワンピースです」
「手を見てください。肌の色は何色ですか?」
「きれいな肌色です。この手は女の子です」
「頭に何かかぶっていますか?」
「白っぽい帽子をかぶっています」
「どんな髪ですか?」
「金髪を長く垂らしています」
「目の色は何色ですか?」
「ブルーです」
 先生は雅子さんの意識を青い目の女の子に同化させました。
「その女の子の中にしっかりと入ります。まわりはどんな風景が見えますか?」
「青い空で、少し遠くに海が見えます」
「今の時間帯は、朝、昼、夕、夜で言うと?」
「お昼です」
「そこの気候は、暑い、寒いで言うと?」
「さわやかです」
「年齢はどうですか? 頭に数字が浮かびますよ」
「十二歳です」
「名前は何と言いますか?」
「メ、メ、メリーです」
「メリーはそこで何をしているの?」
「風に吹かれながら遠くの景色を見ています」
「どんな気持ちで見ているの?」
「気持ちいいなぁ、って感じています」
「それからどうしているのかな? 時間を進めてください」
「まわりに木がたくさんあります。・・・まわりの景色を見ています。とっても気持ちいいです」
 雅子さんはフゥーと大きな深呼吸をしました。そこでは何も起こりませんでした。先生が時間を進めました。
「家まで戻ってください。メリーの家はどんな家ですか?」
「赤いレンガの家で三角屋根をしています。緑の木々に囲まれた一軒家でまわりは芝生です」
「メリーさんが今いる年代は何年ですか?」
「千五百七十年です」
「メリーさんのお家がある場所はどこですか?」
「イギリスです」
「お家に帰りましたか? お家に誰かいましたか?」
「お母さんがいます。金髪でシニヨンに結っていて、目は薄いブルーです。食事の用意をしています」
「そのお母さんは、今のあなたが知っている人ですか?」
「少し恐い目をしています。・・・主人のお母さんです」
「では、その日の夕食の場面に進んでください。誰と一緒に夕食をしていますか?」
「両親と私より大きなお兄さんがテーブルについています」
「お父さんはどんな人ですか?」
「黒っぽい髪でヒゲをはやしています。目は深いグリーンです。お兄さんは少し明るい茶色の髪を束ね
ていて、目はグリーンです」
「そのお父さんは、今のあなたが知っている人ですか?」
「わかりません。知らないみたい・・・」
「ではお兄さんはどうですか?」
「お兄さんのことが大好きです・・・でも誰だかわかりません」
「そこには他に誰かいますか?」
「犬がいます。黒くて精かんな顔つきです。ジョンと言います」
 先生は雅子さんに場面転換を指示しました。
「メリーさんの人生で一番幸せな場面に移ってください。メリーさんはいくつになって、何をしていますか?」
 雅子さんが嬉しそうな声で答えました。
「教会での結婚式です。私は二十二歳です。相手の人は背が高くて、細身で金髪で優しそうな顔をしています。薄いグレーの目が輝いています」
「その夫は、今のあなたが知っている人ですか?」
「知りません」
「夫を愛していますか?」
「はい。教会から出てきて、みんなから祝福されています。とても幸せです」
「結婚式に来ている人たちの中に、今のあなたが知っている人はいませんか?」
「今の友達が数人、来てくれています」
 先生はいよいよ平岩さんの主題に導きました。
「メリーさんの人生で肝炎の原因となった場面に移ってください。メリーさんはいくつになって何をしていますか? 何が起こりましたか?」
「三十三歳になっています。静かな夜です。暖炉に火が燃えています。お酒の入ったグラスが見えます。
家の中は暖かそうですが誰も傍にいません。私ひとりです」
「今、どんな気持ちですか?」
「もう幸せじゃありません。どうしよう、と言うのか、困っている、悩んでいる感じです」
 雅子さんの声が沈んでいきます。
「何を悩んでいるのですか?」
「何か今、水が渦巻いている中で男の子が溺れていて、私に助けを求めている場面が見えます」
「それは一体、何ですか?」
「自分の子供が溺れて死んじゃったんです。金髪で青い目がきれいな男の子でした。まだ七歳だったんです。私のボブ・・・。ごめんなさい、ボブ・・・」
 雅子さんは激しく泣きだしました。
「ボブは、今のあなたが知っている人ですか?」
「誰だかわかりません」
「それはあなたが何歳の時に起こった事件ですか?」
「二十八歳の時です。私は幸せな家庭の主婦でした。その日、ちょっと目を放した隙にボブは一人で川に行ってしまいました。あの子は前から川遊びをしたがっていました。でも私が止めていたんです。だってあの川岸はとても滑りやすいんですもの・・・。私がもっときつく叱っていたら、あの子はあの日、川には行かなかったんです。私のせいです、私が悪いんです・・・」
「ボブのことを知った時、あなたはどうなりましたか?」
「お皿が手から滑り落ちました。お皿が割れていくのをじっと見ていました。時が止まりました・・・。
全身の力が抜けて冷たくなっていきました。私は気を失いました」
「ボブの遺体はあがりましたか?」
「川底に沈んでいました。水色の顔になっていました。家まで担荷で運ばれてきました。私はそれを呆然と見ていました。涙も出ませんでした」
「その時、何を思っていましたか?」
「取りかえしのつかないことになってしまった。何も考える余裕などありませんでした。私はゆっくりとボブの亡骸を抱き上げました。肌は透き通っていました。でも目に光はありません。そう、私は昨夜も眠ったボブをこうしてベッドまで運んだのです。手がダラリと落ちて・・・。かわいい寝息が止まっています・・・。ボブはどこに行ってしまったの」
 彼女は激しく泣き続けました。
「夫はあなたに何か言いましたか?」
「夫も慌てていました。何か私に言って出ていきました。何となく責められている感じが私の心に残りました」
「お葬式にまで進んでください。どんなお葬式でしたか?」
「小さなお棺に白い花をたくさん入れました。最後に青いボブの頬に触れました」
「その時、何か決心したことはありますか?」
「私はただ泣き崩れています。ボブに、ごめんね、って言い続けています。私は自分を呪っています。自分自身を責め続けています。もう自分を許すことはないでしょう」
 ドロドロしたエネルギーが雅子さんから流れ出てきます。先生は彼女をじっと見つめたまま、左手で私にシールドを張ってくれました。私も彼女を見つめて愛のエネルギーを送りました。先生は場面転換を指示しました。
「先程の三十三歳の場面に戻ってください。あなたに何が起こったのですか?」
 彼女は物憂げに答えました。
「昼間は家事をしていますが、気持ちはいつも沈んでいます。帰ってくるはずの夫が今朝もいませんでした。私はひとりぼっちです。毎日、日・・・。お酒を飲んでいたかもしれません。そう、お酒ですよ」
「なぜですか?」
「何かでこの寂しさ、虚しさを紛らわせたかったのです」
「それは誰に対しての寂しさですか?」
「夫がわかってくれないのです。子供を亡くしてしまったことを今でもまだ引きずっているのです。後悔みたいなもの、そう罪悪感を感じています。こんな自分を恨んでいます」
「夫は帰ってこないことが多くなったのですか?」
「ひとりぼっちの夜ばかりです。そんな日は朝からお酒を飲んでいます。こんな生活じゃいけないとは、もう自分でもあまり感じていません。お酒が美味しくて飲んでるわけじゃないんです。お酒だけがこんな私を慰めてくれるのです」
 彼女は深い溜息をつきました。
「メリーさんの人生で次に大切な場面に移ってください。あなたはいくつになって何をしていますか?」
「四十歳になっています。やはり私はお昼時に家にいますが、三十三歳の時よりも少し明るくなっています。昔、飼っていたのと同じような犬がそばにいます。夫の後ろ姿も見えます。私たち、仲直りしたのかな・・・。私はホッとしています。明るい笑顔が見えます。心に以前のような暗い感情はありません。私は立ち直ったんです。もうお酒は飲んでいないでしょう」
 先生は時計を横目で見ながら、メリーの人生をさらにたぐり寄せました。
「メリーさんの人生で次に大切な場面に移ってください。何が見えますか?」
「緑の丘の上に青々とした大きな木が見えます。私はその木の下で黒いドレスの喪服を着て立ちすくんでいます。四十七歳の時です。夫のお葬式の場面です。夫は胸の病気で死にました」
「その時、何を考えていますか?」
「夫が死んだことが未だに信じられません。夫のお棺を埋めようとしています。二十人位の人たちがお棺を取り囲んでいます。私は無表情で、彼が土に帰っていくのを見ています。雨が降ってきました。私の代わりに神様が泣いてくれました」
「夫が埋葬されるのを見て、どう思っていますか?」
「ただただ途方にくれているだけです。雨の滴がゆっくりと落ちていきます」
「それからどうしていますか?」
「みんなが帰ってからも、そこにずっといました。雨は降り続いていました。私は濡れていました。涙が出ないほど悲しくて、ただ悲しくて、そのまま濡れていたかったのです」
「子供が死んだことも、夫の笑顔も優しさも、いろんなことを思い出していました。たくさんの思い出を洗い流した雨が土に染み込んでいきました。たくさんのありがとうが夫に届いたでしょうか・・・。
頬を伝わる雨がほんのり暖かくなりました。私はただ濡れていました」
 雅子さんが息を吐きました。先生は場面を進めました。
「メリーさんの人生で次に大切な場面に移ってください。何が見えますか?」
「病院にいます。ひどく慌てている看護婦さんが見えます。私はどこにいるのかわかりません。でも・・・宙に浮いている感じがします」
 彼女は静かに答えました。
「何が起こったのですか?」
「私は五十六歳でした。早く処置をしないと・・・。私が横になって運ばれて来ました。私はぐったりしています。でも、どこも苦しくはありません」
「何が起こったのですか? あなたが倒れる前まで戻ってください。何が見えますか?」
「大きな木が見えます。緑の芝生の上を犬と散歩していました。結婚式をした教会を眺めていました。
ふっとあの時の素敵な夫の眼差を感じました。そこからは何も覚えていません。気がついたら病院にいました」
「宙に浮いているメリーさんは何を考えていますか?」
「私はこのまま死んじゃうのかなぁ」
「それからどうなりましたか?」
「病室の扉が閉められたところで、私は肉体を追いかけるのを止めました」
「なぜ?」
「これでいいんだ、と思いました。もう、よかったんです。夫を亡くしてひとりぼっちで寂しい何年かを過ごしていました。だからこのまま死んでもいいや、って思いました。十分に生きてきたんです」
 彼女はしっかりと答えました。
「あなたのまわりに何か存在を感じませんか?」
「光が二つ見えます。夫とボブが迎えに来てくれました」
 彼女は嬉しそうに答えました。
「二人は何と言っていますか?」
「にこやかに笑っています。ボブはかっこいい青年になっています。若いころの夫によく似ています。二人、肩組んでニコニコ笑っています。二人が元気そうで良かった・・・」
「ボブに聞いてください。あなたを助けられなかったことを恨んでいますか? このお母さんを憎んでいますか?」
「首を横に振って笑っています。目がとてもきれいです」
「お母さんを許してくれますか?」
「頷いています。許してくれています。ありがとう、ボブ・・・」
「夫は何か言っていますか?」
「もういいんだよ、一緒に行こう、って手を握ってくれました」
 先生はみんなを高みへと導きました。
「三人一緒に上へ高く高くあがります。どんどん高く高くあがります。高くあがったところからメリーの人生を見てください。そして何か気がつくこと、感じることはありますか?」
「幸せでしたが少し孤独でした。それは自分にも原因があるのですが、ボブを亡くしたことと、それから夫が私から少し離れてしまったことが悲しかったです。でも仲直り出来て、また幸せに暮らせて良かったです。夫が死んでしまってからは寂しい毎日でしたが、今やっとそれも終わったなぁ、という感じです」
 先生はさらに高みへと導きました。
「もっともっと高く高く上にあがります。どんどん高く高くあがります。その高く高くあがったところからメリーの人生と、今のあなたの人生を見比べてみます。二つの人生から何か気がつくことはありますか?」
「今の私も同じ様に寂しい思いをしていることがあります。ひとりぼっちと言うのかなぁ・・・そういうところが似ています。今の夫と子供はそばにいてくれるけど、私が病気で外に出られないから、どうしても置いてきぼりになってしまいます。私の病気が治るのを待っていたら埒らちが明かないから二人で旅行に行ってきてね、って送り出しますが、やっぱり寂しいのです。かと言って、べったり一緒にいて欲しくもないのです。これは私のわがままなのでしょうか。それと私は元々、人と付き合うのが苦手でした。昔から大勢の輪の中に入っていけなかったのも似ています。人見知りではないのですが、なぜだか疲れるのです」
 先生は光へと導きます。
「そこから上を見てください。上の方はどうなっていますか?」
 雅子さんは明るい声になりました。
「きれいな光に包まれた存在がたくさん上にあがろうとしています。上の方に大きな光が見えます。とても偉大な光です。みんな、その大きな光に吸い込まれています。ハレルヤが聞こえてきそうな美しい光景です。とても懐かしい感じがしています」
 彼女から暖かいエネルギーが溢れ出しています。先生の自信に満ちた声が聞こえました。
「その光の中に入りましょう、大丈夫ですよ。あなたは光の中心へと招き入れられます。光の中心に誰かいますか?」
「もっともっときれいに光っている存在が見えます。とても眩しい光ですが、その存在をはっきりと感じることが出来ます。大きな大きな存在です。優しく暖かく私を迎えてくれました。言葉で言い尽くせないような至福の愛で包み込んでくれています」
「その大きな光の存在に聞いてください。今の私の病気、肝炎の意味は何ですか?」
「妬みです」
 彼女の声に動揺が見受けられました。
「もう少しわかりやすく教えてください。それはどういうことですか?」
「独占欲です。何でも自分のものにしておきたい、しておこうとするような独占欲が強いからだそうです」
「どうしたらこの肝炎は治りますか?」
「ちょっと難しい顔をされました。治らない、って言われました」
「私が独占欲をなくすことが出来たら、どうなりますか?」
「笑っています。軽くなるよ、って言われました」
「独占欲をなくすことは出来ますか?」
「私には出来るそうです」
「そのためには私はどうしていったらいいのでしょうか? 何かアドバイスをいただけませんか?」
「もっとおおらかになりなさい」
「どうしたらなれますか?」
「愛を持ってみんなに接していけばいいのです。そうしたら自然と楽になれるそうです。みんなに愛情を持って接していきなさい、って言われました」
「具体的には私はどうしていったらいいのでしょうか? 何から始めればいいのでしょうか?」
「家族を大切にしなさい」
「メリーと夫とボブの魂を光の中へ呼び出してください。三人に聞いてください。今の私に何かアドバイスをくださいませんか?」
「メリーが笑って、ごめんね、って言っています」
「あなたは何と答えますか?」
「彼女に何も言うことはありません」
「メリーにお願いしましょう。謝らなくていいですから、今の私に何かアドバイスをくださいませんか?」
「信じていけばいいのよ」
「誰を信じたらいいのですか?」
「自分を含めて家族とまわりの人たちを信じればいいそうです」
「私はどうしたらあなたの轍を踏まずに生きていけますか?」
「ただ待ってばかりいないで、自分から何かをすればいいんじゃないかな」
「私は何をすればいいのですか?」
「あなたの好きなことなら何でも・・・」
「夫に聞いてください。何かアドバイスを頂けませんか?」
「心配することはないですよ、って笑っています」
「ボブは何と言っていますか?」 
「照れくさそうに笑ってるだけです・・・ただ笑ってくれています」
「三人とそこでしっかりと握手をしてください。どんな感じがしますか?」
「暖かいものが感じられます」
「三人とも私を応援してくれますか?」
「わかった、わかった、ってみんな笑っています。何だか自信が湧いてきます」
「私に出来るかな? 克服出来るかな?」
「出来るに決まっているよ。あなたも計画に加わったんだから大丈夫だよ、って言われました」
 先生は三人を光の中へと戻しました。そして、大きな光の存在に尋ねました。
「私の人生はここまで順調でしょうか?」
「とても順調だよ、って頷いてくれています」
「私を苦しめているこの病気も私が選んだものなのですか?」
「その通りだよ、って頷いています」
 先生は偉大な光の存在にお願いしました。
「私が今回の人生を計画していた場面をちょっとだけ見せてください。明るい光の上の方にそのヴィジョンが見えてきますよ。何が見えてきましたか?」
「白いフワフワした雲の上に座り込んで、白い服を着た私が何かを一生懸命描いています。何を書いているのか、ピンボケで良く見えませんが今の私の人生計画のようです。私はニコニコしながら楽しそうに描いています。時々後ろからのぞき込む人がいるようです。二人で描いているものを指さして大笑いしています。そして私は消しゴムのようなものでチョッチョッと消して、また書き込んでいます。私はずっと笑ったままです」
 雅子さんはちょっとむくれています。先生は雲の上の彼女に尋ねました。
「今回の人生で肝炎になることを本当にあなたが選んだのですか? 彼女はとっても苦しんでいますよ」
 雲の上の彼女は微笑みながら答えました。
「もちろん私が計画した人生です。とってもうまくいっています。いい具合に妬みが熟成されてきています。そろそろ思い出し始める頃です。おおらかな愛を実際に体験出来る最高の時を迎えつつあります。
とっても楽しみです。ワクワクしています。ここまで良くがんばってきましたね」
「今回の人生はあなた一人で決めたのですか?」
「いいえ、計画が出来あがったら上に持っていって見てもらいます」
「上ではかなり修正されるのですか?」
「いいえ、小さなアドバイスをくれることもありますが、大抵はウンウンと頷いているだけですよ。とっても自由にさせてくれます。自分の人生ですからね、自分で決めなくちゃ、面白くないでしょう」
「この病気を乗り越える力はありますか?」
「もちろんです。可能性があることしか計画しませんよ。今回はちょっぴり苦しいですが、今までもっと苦しい人生でも乗り越えてきましたから大丈夫です。出来ますよ。そうら、その弱気な性格も計画通りです」
 雲の上から笑い声が聞こえてきたような気がしました。
「あなたは自分が計画した人生の今、ここまでを見て満足していますか?」
「もちろんです。病気で悩み、苦しみ、イジイジしている自分がとっても愛おしいです。思わず舞台に駆け上がりヒロインをギューと抱きしめたい気持ちです。みんなが結末を楽しみにしています。みんな上から見ています。みんながヒロインを応援してくれていますよ」
 雲の上から歓声があがったような気がしました。先生はおおらかな光の存在に尋ねました。
「私はいろんな問題を抱えていますが、解決する力を私は持っているのでしょうか?」
 光の存在が優しく答えました。
「大丈夫です。あなたは全ての知恵イデアと力フォースを持って生まれてきました。生まれる時に全てを封印しただけなのです。ただ使い方を忘れてしまっただけなのです」
「その封印を解く鍵は何ですか?」
「人生を一歩前に歩もうとする勇気と私にだって出来るという自信です。自分を信じなさい。自分を愛しなさい。そうすれば人を信じれます。人を愛せます。その時あなたはいつでもここへやって来ることが出来るようになるでしょう。それはあなたの封印が完全に解ける時です。そしてあなたのまわりの人たちの封印も解け始める時なのです。あなたは新しい時代を生きるのですよ。がんばってくださいね。楽しんで生きてくださいね」
 光の存在が彼女を暖かく包み込んでくれています。
「これからも私を応援してくれますか?」
「いつも見守ってくれているそうです」
「下に見える光の存在たちにも聞いてください。私はこれから続きの人生を生きていきますが、みなさんも私を応援してくれますか?」
「みんなが笑って頷いたり暖かく励ましてくれている感じがします」


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