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人生を豊かにする地方移住 ④暮らしをイメージしながら滞在してみよう

都市生活者が地方に抱く憧れには、テレビや雑誌で見たとか、旅をした時に感じるものが多いですが、実際に暮らしてみると違うことが少なくありません。
 
例えば、地元の人の物腰や話し方に、のどかさ、のんびりさを感じ、愛着が湧くかもしれません。都市での暮らしに疲れていると、旅で感じる地方の緩いリズムは心地良いものです。
 
旅で出会う美しい風景であったり、地元の特産物や食材を使った美味しい食べ物であったり、素敵な佇まいのカフェやレストランであったり、自然の中での遊びだったりには、感動があり、いつまでも、いつでも、この感動を味わいたいと思うかもしれません。
 
旅ではお客様です。旅で行く場所や過ごす時間、使うお金は、非日常です。
 
実際に暮らすとなるとそれは続きません。そして旅で出会う感動は、飽きるものです。
 
ここで暮らしてみたいと思ったら、では本当に暮らしてみたらどうなのだろうと考えて立ち止まり、「お試し移住」をしてみてはどうでしょう。それが中長期滞在です。
 
暮らしとは日常です。日常の衣食住を試し、仕事や家を探してみる。短期でもアルバイトをしてみると、お客様からサービスを提供する地元の側になり、視点が変わります。
 
中長期滞在は、お客様としてホテルや旅館に泊まるのではなく、サービスを提供する方との距離が近く、地元のいろいろな情報をいただけるような、ペンションやゲストハウス、シェアハウスの中長期プランがお勧めです。
 
自治体が運営する「お試し移住ハウス」のような貸家がある地域もありますので、自治体のホームページをチェックし、ぜひ利用してみてください。
 
地元の人が日常的に行くお店、例えばスーパーやコンビニ、産直のお店、郵便局や銀行、病院がどこにあるのか。子供がいるなら、学校はどこにあり、登校ルートや交通手段、習い事はどうなのか。
 
行きつけのお店にできそうなカフェやレストランはあるのか。物価はどうか、地元の人たちの暮らしぶりはどうなのか。
 
ご家族で1週間くらい滞在できると良いのですが、ご夫婦なら1ヶ月から3ヶ月、単身の方なら、できたら半年は滞在してみていただきたいものです。そして実際に移住しようと思えたら、できたら四季折々に訪れていただきたいと思います。
 
自然が美しい場所への旅は、ベストシーズンに行くことが多いと思います。でも暮らすのは通年。夏の暑さや冬の寒さ、梅雨や台風も経験してみると、ベストではない地域が見えてきます。
 
実際の移住まで、1年から3年は何度か滞在して情報収集をし、仕事や家や学校を決めたり、その地域で暮らすために必要な物を揃え、一方で都市で暮らしていた時には必要だが地方では不要な物を断捨離しなければなりませんね。
 
現役世代で一番大切なのは、生活費を稼ぐことができる仕事を見つけたり、移住先で通用するキャリアを作ることではないでしょうか。自営業で稼ぎたい方は、起業の準備はしておいた方が良さそうです。
 
都市と違って地方は、企業が少なく職場も少ないですし、給与も安いと考えてください。人口が少なく、つまり消費者が少ないので、概ね起業しても売り上げを上げるのは簡単ではありません。だから地域を知り、準備をした方が良いのです。
 
中長期滞在では、地元のお友達を作りましょう。何かと助けてもらえるような、家族構成や所得レベルが合い、価値観が合って気安く話ができる人だと良いですね。
 
そんな人に巡り合うには、地域のイベントやワークショップなどに参加するのも良いと思います。
 
滞在するペンションやゲストハウスやシェアハウスのオーナーさんは社交的な方も多く、地元の人たちが集まるそうした情報をお持ちだったりしますので、積極的に聞いてみてください。
 
自治体の観光課や地元の観光協会には、自然と触れ合うイベント、地元特産品や工芸品を作るイベントなどを主催・共催していたりします。野菜づくりや米づくりなどの農業体験や貸し農園も、その地域に移住したいと考えている地域のファンの方が多く参加しています。
 
出会った方々と親しくなり、地元の人たちとの交流を楽しみながら、移住したいのだけどと言ってみましょう。ではあそこに行きなさい、ここに行ったらいいよ、とアドバイスをもらえることが多いです。
 
地域での暮らしをイメージする時、「ここで暮らしてみたい」という思いが強くなったら、移住へのゴーサイン。移住の本格的な準備に入りましょう。

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