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「知・好・楽」がこれからの地域をつくる。地域の資源と課題を組み合わせ仕事を再構築

地域にはたくさんの課題があります。人口減少、少子高齢化、インフラ整備、後継者問題、祭りの減少、若者流出、情報格差など。それらの課題を仕事に変えること、つまり、地域にやりたい仕事を作ることが地域の課題解消につながっていくのではないか。地域に関わり続けて、自分がワクワクできることに仕事を作っていくところが、地域で働く重要なポイントになるのです。
今回は、そうした地域ビジネスについて、地域情報を発信する情報誌『ターンズ』プロデューサーの堀口正裕さんと、能登町役場の灰谷貴光さんを招いてのリアルトークです。

■開催:2021年7月21日(水)19:30~21:00 オンライン開催
■対談テーマ:地域で正しく稼ぐ、TURNS堀口氏と地域ビジネスリアルトーク 〜能登ローカルシフトアカデミー説明会〜
■オンライン動画URLコチラ
■ゲスト講師 ※敬称略
堀口正裕 (TURNSプロデューサー)
■登壇者
灰谷貴光 (能登町役場職員)
■モデレーター
稲田佑太朗(能登ローカルシフトアカデミープロデューサー)

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ゲスト紹介

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堀口正裕(ホリグチマサヒロ)氏
TURNSプロデューサー / 株式会社会社第一プログレス代表取締役社長
総務省地域力創造アドバイザー / TOKYO FM「SkyrocketCompany スカロケ移住推進部」 「デュアルでルルル♪」ゲストコメンテーター
 国土交通省、農林水産省等での地方創生に関連する各委員を務める他、地域活性事例に関する講演、テレビ・ラジオ出演多数、全国各自治体の移住施策に関わる。東日本大震災後、豊かな生き方の選択肢を多くの若者に知って欲しいとの思いから「TURNS」を企画、創刊。地方の魅力は勿論、地方で働く、暮らす、関わり続ける為のヒントを発信している。


能登ローカルシフトアカデミーの紹介と能登町

いま地域にとても関心が向いています。東京圏在住の約1万人を対象に行った調査(読売新聞)で約5割が地方暮らしに関心を持っていました。一方で、地域には有効求人倍率は1以上あります。ということは、仕事はありそうですが、それはやりたい仕事ではないのかも? そこで、地域で働きたい仕事を作る事をミッションとしているのが能登ローカルシフトアカデミーです。

能登町は、のと里山空港があり、東京からは60分ほどで来られる場所です。世界農業遺産に認定される能登の里山、海、暮らしがあります。そこで培った農林漁業などの生業、祭礼、食文化などは貴重な日本の原風景ですが、20年後には人口が50%以下になると予測される人口減少に悩む町でもあります。

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能登町の魅力ある「人」

魅力も課題も多い能登町ですが、まずはそこでキラリと光る活動をする「人」を、灰谷さんから紹介しましょう。

■能登町のケース1
農口尚彦さん。89歳の現役の杜氏で、「酒造りの神様」「能登杜氏四天王の一人」と称される日本最高峰の醸造家のひとり。今は小松市にある農口尚彦研究所という酒蔵で杜氏をしていて、まだまだ研究の毎日だということです。いまはネットでマーケットが作れる時代なので、世界を魅了できるようなストーリーとともにネット販売もされています。

■能登町のケース2

干場健太朗さん。野鍛治の4代目。役場職員から家業を継承しました。ネットで注文できる刃物研ぎサービス「ポチスパ」は、去年あたりから年間かなりの数が全国からやってきます。宅配のインフラが整ってきたことで、東京に近いことが有利ではなく、特殊な技術をもって事業環境を整えられれば全国のニーズを集めることができるケースです。

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地域の魅力ある先進事例

次に、全国の事例を20年以上取材してこられた堀口さんから、先進的な事業ケースを紹介してもらいます。

■先進的な事業ケース1
宮城県
の人口12000人ぐらいの山元町で、東日本大震災で壊滅的な打撃を受けたイチゴを復活させた株式会社GRA岩佐大輝さん。イチゴ作りは15年かかると言われたところ、IT化と徹底的なデータ管理によって2年間でイチゴ生産ができるようにしました。1粒1000円の「ミガキイチゴ」という商品も生み出しました。新規就農者の関心を集めるなどして、震災前は約10万人だった町の関係人口が、現在は70万人にまで増えています。

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■先進的な事業ケース2

高知県土佐市増井翔子さん。地域おこし協力隊として来た人で、趣味の筋トレから、その栄養補給に地元で食べられているカツオの生節に着目。そこに素晴らしい栄養成分があることから、世界中の筋トレマニアに愛される商品を開発。地道な営業と情報ツールを駆使して、1カ月の受注本数が約3万本に。地元にある資源を使って、アイデアを活かして結果を出したケースです。

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地域の人と文化を尊重し、そこから再構築するアクション

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堀口:地域に根を張って、そこで信頼を得た人たちに共通しているのは、次の3つだと考えています。
・徹底的にその人が楽しんでいる
・スピード感
・地元の人たちのことをすごく考えている

地域の人が主語になっていること、ここだけのストーリーを作り上げている点が重要です。「知・好・楽」という言葉があるように、挑戦して失敗があったとしても、それが一つの過程と考えることができるようになります。

灰谷:我々は能登のコミュニティを受け入れて、そこに入っていくことをしていただきたいと考えています。ある意味そこを再構築していくような動きですね。

堀口:第三者が伝統とか生業を継ぐとかいうだけではなく、再構築してやっていいんですよ、というメッセージを打ち出されていることはすごいことです。

稲田:地域に足りない業種を補う仕事は喜ばれる。けれども地域内需要を奪うような仕事は好まれません。地域で脈々と受け継がれてきたものに敬いを持って、うわべだけではなく、その文化を再構築していくというところが、今日のテーマにつながる正しい地域での稼ぎ方かもしれません。


3カ月で地域に仕事をつくる超実践型ビジネススクール 「能登ローカルシフトアカデミー」開講

2021年8月26日より石川県能登町を舞台に、地域資源を活用した持続可能なビジネスを創出する「能登ローカルシフトアカデミー」を開講します。3カ月間にわたり5回のオンライン講座と能登町で1泊2日のフィールドワークを行い、12月にはビジネスプラン発表会を開催予定。

各回の内容は随時こちらのnoteにて報告していきますので、どうぞお楽しみに!!

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