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仙北市の「敬老お祝金」5千円廃止案否決を考える

少し前のニュースですが、秋田県仙北市議会で80歳を迎えた市民に5千円を支給している「敬老祝い金」を廃止して子育て支援に充てようという案が否決されたことについて考えてみます。

1.予算規模202億円のうちの170万も活用できない状況

前提として仙北市の予算規模は年間202億円となっています。
今回の敬老祝い金については対象者が340人で、総額170万円を高齢者向けから子育て支援に回そうという趣旨の提案でした。

2.受益額の差を定量的に考えてみる

今回の反対理由では「人生の先輩への敬愛の気持ちがあれば、努力して生み出せる金額だ」という理由が出てきたそうです。

気持ちや努力などなどの抽象的な言葉で議論の趨勢が決まってしまうのが個人的には残念です。

数字やデータ重視のスタンスなので世代間の受益額を冷静に比較してみたいと思います。下記の画像は30年間での生活関係にかかる支出の比較です。

玉木雄一郎さんのツイッターより

https://twitter.com/tamakiyuichiro/status/1681221499641008128?s=20

1年分の給食費が5000円アップしているので、仮に子育て支援に170万円移転しても給食費の1部の費用負担しかできない規模の金額です。
170万円は焼け石に水くらいの金額ですが、それすらも通らないというのが中々闇深いと感じてしまいました。

ちなみに仙北市の小学校の児童数の合計は909人で450万円ほどないと小学校の給食費の上昇分のカバーも出来ない状況です。170万円では全然足りないくらいです。

仙北市内の小学校の児童数


※もちろん80歳向けの敬老金なので、彼らが子育て世代だった50年前の数値で比較した方がフェアかとは思いますが、今回は上記の画像が良くまとまってたので活用します。

3.見限られる自治体と選ばれる自治体の差が顕著になりそう

今は自治体間での子育て世代の誘致の競争も激しくなってきているので、議会で否決された議案等を見ると子育て支援に関して積極的かどうか判断する一つの材料になるのではないかと思いました。
今後見限られる自治体と選ばれる自治体の差が顕著になっていきそうと感じました。



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