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変化を嫌う人間がリスキリングする方法論

最近読んだ「変化を嫌う人」を動かす~魅力的な提案が受け入れられない4つの理由~という本が興味深かったので、この本の内容を基にリスキリングについて考えてみます。

リスキリングには4つの抵抗が生じる

本書では新しい取り組みや変革には4つの抵抗があると論じています。

1.惰性
自分の知っていることには限りがあるのに、それに固執しようとする強い欲求。
2.労力
変化を起こすために必要なエネルギー。
3.感情
起こそうとしている変化そのものが引き起こす否定的な感情
4.心理的反発
変化させられまいとする感情

抵抗を減らしてうまくいった例

本書では抵抗を減らしてうまくいった例が紹介されていました。
NPOが入院中の子どもたちのために手紙を書いてもらう取り組みを行っていました。
ボランティアを依頼された人の18%は手紙を書いてくれる状況でしたが、もっと割合をあげたいと考えていました。
そこで3つの施策を実施してみました。

施策A:手紙がどれだけ励みになっているか伝える
施策B:謝礼を渡す
施策C:手紙の書き方のひな型を提供する

AとBは行動のプラスの面を強調するやり方で、Cは行動のための抵抗を減らすやり方です。

文章の流れからお分かりかと思いますが、一番効果があったのがCでした。
なんと依頼された人の60%の人が協力してくれたそうです。

「良いとされてること」は良さをアピールするより「どうすれば良いか分からない」を解消すると促進される

このように良いとされていることは、これ以上良さをアピールするよりも、やるうえでの抵抗を減らすかに注力する方が効果が高そうです。

リスキリングは基本的には良いとされているし、やるべきだと考えられている概念だといって良いでしょう。
2030年までに10億人のリスキリングを目指す目標がアメリカ中心に立てられてますし、政府もリスキリングに予算をつけています。
「良い事なのはわかっているけどどうすればいいの?」というのがリスキリングへの一般的な感情かと思います。
こういう場合は、リスキリングによるメリットを伝えるのではなく、どうやるかに関する面倒さをいかに減らしていけるかが重要です。

具体的な抵抗の減らし方について4つの抵抗を用いながら今後試行錯誤を試していきたいと考えた次第です。


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