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住宅街に突如現れる、昭和99年の商店街に吸い込まれた

昭和の香りに誘われて

こんばんは。の後に森進一の顔を思い浮かべませんか?こんばんは。モカマタリです。酷暑にやられてすっかり出不精になってしまいました。今回は、暑くなる前に訪問した、素敵な昭和レトロスポットをご紹介します。

マイホームタウン蒲田から国道1号線の多摩川大橋を超え、神奈川県川崎市に渡り、脇道の住宅街に潜り込むと、明らかに周囲の建物とは一線を画す、異様に古めかしい建物群に遭遇しました。

年季の入った佇まい、令和ならざるものを感じます。

アーケードとなっている入口前に立つと、時空の歪みを感じます。俺の昭和センサーが激しく反応しています。間違い有りません。これは昭和です。昭和レトロマニア垂涎であろう「小向マーケット」のお出ましです。

神奈川県川崎市幸区小向町「小向マーケット」

看板に書かれている電話番号の市内局番が1桁です。現在の川崎市の市内局番は3桁ですから、相当昔のものと思われます。調べてみると、1971年以前に設置された琺瑯看板から、少なくとも53年以上前は市内局番が2桁だった事が分かりました。

更に調べてみると、この小向マーケットの開設は1953年(昭和28年)との事でした。当時に設置された看板だとすると、71年前は市内局番が1桁だったようです。これだったら友だちの家の電話番号も覚えやすくていいですね。では、さっそく中に入ってみましょう。

昭和で時間が止まった小向マーケット

店舗の看板だけでお茶碗三杯はいけそうです
おしやれの店「チェリー」市内局番から比較的近年の看板だとわかります

多くの店は廃業してしまったようで、令和の現在も営業しているのは、わずか3軒とのことです。各店舗が賑わっていた頃に訪れたかったものですが、今となっては叶わぬ夢です。そして営業中の貴重な3軒はこちらです。

お茶の「富士園茶舗」さん
豆腐の「長岡屋豆腐店」さん
お惣菜の「大野屋」さん

昭和レトロマニアのブログやYouTubeでも度々取り上げられている「大野屋」さんに入り、お店の方に少しお話を伺ったところ、少し前までは洋品店の「大盛堂洋品店」さんも営業をしていたとの事でした。少しずつ消えていく小向マーケットの火にしんみりしつつ、お弁当を頂くことにしました。

各種お惣菜を選んでお弁当にするスタイル。魅惑の茶色いラインナップです。

小向マーケットを後にし、多摩川沿いの公園で大野屋のお弁当を頂きました。実家に帰ったような落ち着きを感じる味わい。どのおかずも大変美味しく、毎日でもいいくらいです。

選びぬかれた精鋭(さばの味噌煮、ザーサイ、ひじきと昆布の煮物、大根の煮物、ポテトサラダ)
5時50分で止まったままの時計が印象的です

コンビニや大手スーパー、ネットショッピングなど、時代の流れで、このようなマーケットは縮小の一途をたどり、行く行くは過去のものとなっていくのでしょう。一日でも長く営業を続けて欲しいと願うと共に、必ずまた訪れようと思うマーケットでした。

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