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早期発見した病気(ステージ0乳がん)のことVol.14(セカンドオピニオン)

手術すると決意し一旦は入院予約をしたものの、できることは全てやって納得してから手術に挑みたいという思いが強くなり、担当の医師には申し訳ないと思いつつもセカンドオピニオンの予約をします。「もうここで言われたことに従おう」と覚悟を決めて挑んだセカンドオピニオン当日のことを振り返ります。

1.「がん」を専門に研究している病院

私がセカンドオピニオンに選んだ病院は、がんを専門に研究している病院です。この病院のことは、大学時代からの親友に教えてもらいました。私は今まで「がん」という病気が身近なものではなかったのでその存在を知りませんでしたが、日本で最も「がん」についての知見が集まっている病院とのことで、後から友人やママ友に話した際にも、ほとんどの人が知っていました。

年末年始にこの病院のサイトを確認しましたが、情報がとても充実していてわかりやすく、また乳がんの発症の原因と考えられる要因等もまとめられていて、「初経年齢が早い」とか「出生時の体重が重い」など、思い当たるものがあり、なるべくしてなったのかもと思うようになっていました。。

2.受付にて

セカンドオピニオンの予約は朝一番でしたが、病院はとても混んでいました。電話でも感じが良いと思いましたが、受付もとにかく感じが良い印象を受けました。昨日準備した資料等を渡し、初診だったので色々と記入した書類を提出したりしました。
自分で決めたことだったので一人で病院へ行ったのですが、受付では一人できたことを少し驚かれてしまいます。

おそらくすごく待たされると思っていたのですが、意外と時間通りに部屋に通されました。

3.セカンドオピニオン外来

担当の医師は(後で確認したところ)乳腺科の院長の方でした。おそらく私の症状が深刻でないからか研修生の女性が同席されていました。

事前に私が提出した質問表を目にしているので、「本当に切る必要があるのか?」と言う私の問いに対し、医師は開口一番、「極論を言うと、患者さん次第です」と言われます。また「とても大人しいタイプのがんです」とも言われました。

非浸潤性乳管がんに関しては、世界的にも切除しない方向での治療に関する研究が行われているようで、過去にアメリカで約1.5cmまでの広がりの非浸潤性乳管がんの患者を数十年後にモニタリングした結果、寿命に差がなかったと言う臨床結果があるというお話をされました。
ただ、この検査は途中で手術をしたかどうかのデータがないとのことで、エビデンスとしては不十分とのことでした。

また私の場合はそもそも広がりが約4cmと、前提条件が異なっているので、仮に臨床結果がしっかりしたものであったとしても、私の場合は対象外となってしまうとのことでした。

続けて、現在の研究ではっきりと言えることは、「治療(切除)すれば95%完治する」と言うことだけだとはっきり言われます。
医師として「切らなくて良い」とは言えないし、医師としても「大切な体を切りたくない」のだとも言われました。

一通り医師からの説明を聞いた後、私が「手術の覚悟はできています」と言うと、医師はほっとした表情になります。

そして切除以外の治療法であれば、レーザーで照射して治療する方法もあるとのことでしたが、これは範囲がごく狭い場合のみで、またしても4cmの私は対象外でした。
もし、検査を受けなかった5年間の間に、狭い範囲の状態で見つかっていたらレーザー治療できていたのかと思うととても悔やまれました。

その後も2、3質問をしました。

「温熱治療はがんに有効なのか?」と言う質問に関しては、医師としても「わからない」とのことでした。かつて温熱治療に特化した学部を医学部内に設立した大学もあったそうですが、継続しなかったとのことでした。

また「手術は急いだ方が良いのか?」と言う質問に対しては、「全く急ぐ必要はない。1年待って良いとは言わないけれど、半年くらい心の整理がつくまで待っても問題ない」とのことでした。
ただ手術の切除範囲に関しては、「乳頭まで切除してしまわないと手術をする意味がない」と断言されました。

さらに「非浸潤性乳がん」のことを知らなかったのだけれど、最近増えているのですか?と聞くと、検査する機械の性能が向上し、以前は見えなかったものが見えるようになり早期発見ケースが増えたとのことでした。これは初耳でした。

そして最後に、「セカンドオピニオン時のコメントをまとめたレターを、通院している病院の担当医師宛に作成しますが、直接持って行かれますか?」と聞かれます。
少し自分で頭の中を整理したかったので、直接送ってほしい旨を伝え、約30分のセカンドオピニオン外来を終えました。

4.医師の一言

結果は思った通りではありましたが、セカンドオピニオンを取ってとても良かったと思いました。

セカンドオピニオンだから言ってもらえたのかもしれませんが、医師から「切りたくない」けれど、「切らなくて良いとは言えない」と言われたことが、私にとってはとても大きかったのだと思います。

最初に「切るしか治療法がない」と言われたことが引っかかっていたのかもしれません。

結果は同じですが、私はずっと「切りたくない」という自分の気持ちに寄り添ってもらいたかったのだと気づきました。



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