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心の砂地第30回『フリクリ、すごいことなんかない。ただ…』





■フリクリ
2000年から翌2001年にかけて、ガイナックスとプロダクションI.Gが共同で制作を行った、オリジナル・ビデオ・アニメーション(OVA)。GAINAXオリジナル作品としては、エヴァの次作品にあたる。

■大まかなストーリー
舞台は日本の郊外のような景色が広がる架空の街・マバセ。小学生の主人公・ナオ太は、アメリカへ野球留学中の兄・タスクの元恋人であるマミ美から真意の掴めない誘惑を受けていた。そんな中、突如現れた自称宇宙人の女性・ハル子にベースギターで殴られてから額に奇妙な角が生え、そこから様々な物が出てくるようになってしまう。
マミ美、ハル子二人の女性の間で揺れ動くナオ太だったが、ストーリーが進むにつれ、ハル子の目的、そして、マバセのある巨大なアイロン・メディカルメカニカの正体が明らかとなっていく。

監督:鶴巻和哉
『ふしぎの海のナディア』がガイナックス初参加作品。『新世紀エヴァンゲリオン』の監督庵野秀明からその素質を見込まれて、同作品の副監督を摩砂雪と共に担当し、数々の役職をこなした。2000年には初監督作品の『フリクリ』、2004年には『トップをねらえ2!』を監督している。
2006年より、庵野秀明の誘いを受ける形でカラーに移籍した。現在は、カラーの取締役を務める。新劇場版エヴァの監督も担当。

脚本:榎戸洋司
新世紀エヴァンゲリオン、少女革命ウテナなどの脚本、シリーズ構成を担当。物語において性・ジェンダーをテーマにしたメタファーを多用するのが特徴。

キャラクターデザイン:貞本義行
『ふしぎの海のナディア』、『新世紀エヴァンゲリオン』にて作画監督を担当。

作画監督:今石洋之、小倉陳利、平松禎史
ガイナックス所属時に天元突破グレンラガン、その後、TRIGGERを設立し、キルラキル、プロメアの監督を務める。

音楽:the pillows、光宗新吉
日本のロックバンド。メンバーは、山中さわお(vo,g)、真鍋吉明(g)、佐藤シンイチロウ(dr)。1991年5月21日にシングル「雨にうたえば」でデビュー。本作においては、アルバムLITTLE BUSTERS, RUNNERS HIGH, HAPPY BIVOUACからの楽曲が使用されている。


■フリクリのひねくれたテーマ・ストーリー
テーマ:「自分のしたいことをしない、欲求に素直にならないことを、『大人だ』という。それってどうなの?本当に良い大人になるために、まず、子どもらしい子どもになろう。」
・いわゆる少年が大人に成長する物語ではなく、少年が子供らしく自分の気持ちを素直に表現できるようになるまでの物語である。
・レイ、アスカのようなダブルヒロインという構造をとっておきながら、その両者ともくっつかないどころか、ハナからナオ太の事など好きではなかったという結末。5話でこれでもかと打ち砕かれるナオ太の慢心、からのラストへの怒涛の展開。

■語りたいトピック
・アニメーション表現の多様さ、好きなシーン
直太のおでこからロボットが出てくるシーンの表現方法、ハル子とアマラオのバトル、メタ的演出 漫画表現

・キャラクターの対称性について、好きなキャラクター
マミ美にとってのタスク=ハル子にとってのアトムスク、ナオ太の成れの果てとしてのアマラオ

・性的なメタファーについて
主人公が小学生のため、性描写こそないが、その制限の中で表現される性的なメタファー。ハル子がナオ太の頭に手を突っ込んでギターを取り出すシーン(第4話)やたら下品に見える食事シーン(目玉焼き、カレー)、明らかにホテルっぽいカフェ(第5話)、先割れというワード(第6話)

・フリクリの設定って、皆どれくらい理解できてるの問題
鶴巻監督談:OVA なので何度も見てもらえるように意図的に難解にしている。だけど、これで分かってくれというのは無理がある。
・フラタニティの宇宙捜査官、メディカルメカニカのロボット等、序盤から説明はあるが、ギャグが多すぎて本当の情報が分かりづらい
メディカルメカニカの目的→意味はない、アマラオの眉毛→意味がある
など、意味のある設定とない設定の取捨選択が難しい

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