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塗膜調査あるある7  塗膜採取面積について

なぜ、面積にこだわるの?

採取面積にこだわる発注者がいます。(ごく一部ですが・・・)

なぜですかね~???

これまで紹介した仕様書やマニュアル等には採取面積に言及しているものはありません。

当然、塗装の劣化具合で膜厚が変わることを理解しているからです。膜厚が薄ければ必要な試料量確保のために採取面積が大きくなることは自明の理です。

受注者側の担当者は理解を示してくれましたが、なかなか発注者側が折れません。仕方ないので、塗装直後の面積(溶出+含有量試験分200以上となる)を算出して業務計画書に明示し、実際の採取面積と比較することで膜厚の薄層化加減を%表記して報告書に記載しました。

その方法は、

①塗装履歴から塗料メーカーや層区分を把握する

②各塗装の標準塗装厚さを足して塗装全体の厚さを把握する

③200g以上となる面積を求める(溶出+含有量試験分として)

④業務計画書にその面積を記載する

⑤実際の作業時、200g以上を採取した面積を把握する

⑥標準塗装時と実際の採取面積を比較して膜厚がどの程度薄くなったか把握する

⑦〇%薄くなった旨を報告書に記載する

以上のようにすることで、採取面積にこだわる担当者を納得させました(笑)

実際、現場踏査時に現状の膜厚を測定することでおおよその採取面積が把握できますが、これまでの経験上70cm四方の面積を確保すれば、200g以上を採取できます。

もし、前もって膜厚を把握したいのであれば、安価な膜厚計で当たりを付けることをお勧めします(品質管理用ではないので安い膜厚計で十分)。

もし、採取面積にこだわる担当者がいたら、納得させる手法として参考にしていただければ幸いです。