オンラインMTG

『SPEC』というドラマが大好きで(そこに連なる『ケイゾク』も好きでした)序盤に出てきた、あるトリック……というか、犯人は仕掛けたわけじゃないけどその作用のせいで自分の犯行がバレてしまったという「鈴虫の音は電話では聞こえない」エピソードを思い出す出来事がありました。

いつぞやのオンラインMTGにて。ひとりの参加者がずっと「うるさくてごめんなさい」と恐縮していました。

私は(もしかしたら私以外も)「はて?」と思ってその様子を見守っていたのですが、ついぞその人も我慢ならなかったのか「すみません、犬の鳴き声がうるさすぎるので、ちょっとあやしてきます」と席を離脱。しばらくして戻ってきましたが、私にはほとんど何のことやら……確かに、その人が喋ると(イヤホンマイクでスピーカーが喋るタイミングにあわせて、重点的に音声を拾っていたのでしょう)かすかに、犬の鳴き声のようなものも時々聞こえた気はしましたが、そこまでうるさいと感じるものでもなく。オンラインで参加している人間からしたら、MTGには支障のないレベルでした。どうやら在宅で出席していたその人の家では、同居しているワンちゃんがずーっと吠えていたようなのですが、こちらにはほとんど聞こえていなかったのです。

『SPEC』のトリックは、鈴虫の音色は電話では再現できない周波数(Aの側で実際に鈴虫が大音量で鳴っていても、Bの側にその音は聞こえない)なのに犯人は「相手からの電話でずっと鈴虫の音が聞こえていた」という嘘をついてしまいバレた、というものでした。このワンちゃんの場合は、上司がつけていたイヤホンマイクのスピーカー音声を拾う性能が高かったことが作用していそうですが、どことなくドラマのことが頭をよぎり「こんなこともあるんだなあ」と思いました。