限界美大生の気持ちを供養しよう!タイプA

こんにちは!
ガチャガチャで「限界美大生覗き見バッチ」を当てて頂きありがとうございます!

このバッチは、普段課題や就活、課外活動に追われて本当にやりたいことができない限界美大生が、その心に燻る気持ちを少しでも人に知ってもらい、その状態を認知して褒め称えてもらい、「日々頑張っててよかったぁ〜〜〜〜」と気持ちを供養するために生み出されたとてつもなく自己満足的アイテムです。

そう、ハズレ枠かも。引き当てた人、ごめん。本当に。

でもちゃんと意味もあります。

このアイテムとページを見て、美大生の実態を知ってもらえたり、さらには「美大生、面白そうだな、なってみたいかも…?」と思ってもらい、未来の後輩やこの学科を創る人が出てきたら良いなと思っています。
後付けじゃないです。

前段が長くなりましたが、普段は謎多き美大生の日常をお楽しみください!


タイプA : 美大生という実態、苦悩

どの様に美大生の実態を伝えていくか、ということを考えた時、簡単に体系化して伝えることができないなと感じてました。
そのため、今回は4月に入学した私の「3ヶ月の体験記」というふうにまとめ、書いていこうと思います。

この3ヶ月聞いた曲をまとめたので、のんびりとSpotifyのリンクを踏んで音楽を聴きながらnoteを読んでみてください🙌


①夢の美大生!夢が覚めた第1ターム...

まず初めに少しだけ自己紹介させて下さい。
僕は2024年の4月に編入して美大生になった元高専生です。高専についてはYoutuberの「かっつー」という方を見て頂ければ少し実態がわかると思います。

つまり何が言いたいかと言うと、これを見ている大半の人と同様「たま美術大学に憧れを持っていた人間」でした。
もしこれを見てくださってる方が美大以外の人なら、あなたが美大に抱く感覚と大体一緒のイメージを持っていた、ただの高専生と思って頂ければ相違はありません。

さらに、「夢の美大!甲骨文字でレポート書いたり学校にペンキ塗ったり、なんでもするぞ!」と意気込み入学式に臨むと、隣には58歳のおじいちゃんが同じ代の入学者として座っていて、「おおおおこれだ!この多様性を求めていた!」と喜んでいました。

3日後、課外活動で3週間国外に飛び、第一タームの単位をほとんど落とすまでは...

これまで自分で授業を選択し、自分の興味のある授業だけにでる、という自由を手にしたことがなく、この申請だけで3hは頭を抱えて悩んでいました。しかも空の上で。

ミラノに飛ぶ空の上で授業を組み、教授との連絡の取り方もわからず事前欠席申請も出せず欠席し、帰ってきた頃には出席日数が足りずほとんどの単位を落としている、そんなふうに僕の大学生活はスタートしました。
まあ美大生らしい、といえば幸先の良いスタートですね。


②ペリー(笑)来航と悲惨なグループワークの3年生

僕のいる学科での3年生というのは、ペリー来航時の日本社会の縮図と言えます。

学生が自身の個性や特性に応じて好きな理論構想が固まり出すのが人によりますが大体3年生くらいです。(諸説有り)
自分の中で少しずつ主張や考えが生まれてきたタイミングでメイン教授達からの授業が3年生から始まります。学校カリキュラムも1.2年は表現の探究を行なっていたわけです。
そして、教授達は業界第一線の方々ですが、主張や発言がかなり異なります。
さらに外部の理論/思想を持った人(編入生)が入ってくる時期。
そうなると、在校生にとってはなんのこっちゃ、どういうこっちゃと、自分の理論を疑ったり、新たな道を模索するようになっていきます。

そして1.2年生と打って変わり、3年生からはほぼ全ての課題が5-9人程度のグループワークになるわけで、運悪くこの外部の理論/思想を持った人と一緒になると、展示の仕方1つとってもお互いに不満爆発のきっかけになります。

しかしどの先生も「より良い未来をつくるため」の理論展開をしている事、美大生の多くは「良い作品をつくるため」に争いをしているため、僕はこの状態が少し心地よく感じていました。

適当でコスパの良い評価のために、発言しなくなるよりは、自分の理念思想を踏まえて発言し、相手の事とその背景を理解して新たな問い、解を一緒に模索する事ができれば、それは何にも代え難い財産だと思います。

新たな外部刺激により独自の進化発展を遂げていく、と言うことですね。発展方向は社会評価に寄らないのでそれは美大生らしいですが。

③待ってくれない社会とどっしり構える教授、大事件。

現在「デザイン」と言う言葉は過去の(車や家電を代表する様な)スタイリングや独自な世界観を作るカフェのグラフィック等の領域から大きくその範囲を拡大させています。

例えばものづくり(工場を持たない)をしない企業の新規事業立案時や、経営領域での経営思想など、デザインという言葉が多様な場所で散見されるようになってきました。ほとんどの人が聞いて想像するデザインとは意味合いと全く別のものと言っても過言ではありません。

そうした中、2018年に経済産業省と特許庁が『「デザイン経営」宣言』を発表、翌年2019年に経済産業省から「高度デザイン人材育成ガイドライン」が発表され、今後のデザインの在り方、デザイン人材の身につけるべき能力が提示されてありました。

そしてここからが本番。

上記を踏まえ、私達含むデザインを学ぶ学生はそれらを踏まえた
イノベーションを起こす人材として企業から見られているらいい。この段階で事件性がある。

要因は後述しますが、今回1番書きたいのは「デザイン人材に求められていること」に対して「私たちの学科のカリキュラムが設定されている」が、それが「4年間完結型」な事です。

何が問題なのか。

その要因は「就活は早期化して3年生6月に始まる」事です。

つまり4年生まで過ごせば「近年求められるデザイン人材」に成れる可能性あるが、社会(就活)は3年生段階にポートフォリオ(ガクチカ)を求めてくるため、みんなが大事故を起こしているということです。

これはいかんということで、教授に物申してきましたが、教授側には「それは企業が悪い。そんな簡単に学びきれるものではない。(意訳)」とのこと。
その通り、その通りなんだけども!

という大事件が起きています。

私たちの苦悩

上記3つはあくまで私のここ数ヶ月で体験したこと、悩んでいることです。
しかし私たちの学年には100人弱の人間がいて、全ての人が何らかの悩みを抱えています。

社会から求められ始め就活に強い!?などと社会から注目されることが増えたと噂を聞いたことがあると思います。私は外と中両方から美大(デザイン領域)を眺め→体感している人間としてこれは事実だと感じますが、その分答えなきゃいけない解を持っていないという苦悩も増えたと感じています。

ゆっくり悩む、彷徨うことが楽しめる人、体力のある人には、美大はとても合っていると僕は思います。

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