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BAD HOP 横アリ開催について 3密批判よりも大きな問題 「SNSヘイト」

篠田長次郎です。

今回初めて、自分のnoteにて、今話題になっているNewsについて取り上げてみようと思います。

今回の記事は、あくまでも1個人の意見であって、正解ではありません。そこだけご注意いただければと思いますが、どうしても、ニュースを見て、やるせない気持ちになったので、記事にしたいと思いました。


2021年8月29日、愛知県常滑市にて、毎年の夏の恒例の大規模なHIP HOP Festivalである、「波物語2021」が開催されました。出演者はほぼ、今をときめくラッパーたちで構成されており、全国のヘッズ等は皆、足を運びたがっていたと思います。

このフェスの開催が全国規模で取り上げられるまでは。

翌朝の2021年8月30日、この記事を書いている当日の朝、僕はNewsPicksでこのフェスの画像と共に、著名人から批判の声が上がっている投稿を発見しました。

NewsPicks内では、まだ筋の通ったコメントがありましたが、たちまちTwitterにトレンド入りすると、たちまちHateの意見が飛び交っていました。


「これだからHIP HOP好きの民度が低い」
「まじで迷惑、頭のおかしい奴らしか聞かない音楽がこれだわ」
「いい大人等が運営しているんだから主催者側も出演者側も参加する側も考えろよ」
(一部改変しています。)

さらには、愛知県知事まで登場し、主催者側に対して、県施設利用を拒否する考えを述べています。

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確かに、Twitterに上がっている写真を見ると、コロナ禍にもかかわらず、マスクをせず、ここ一年では考えられないほどの密集状態になっています。


波物語のフェスに対して、このコロナ禍なのに、マスク着用、一定間隔の適度な距離を周りと取っておらず、大人数で密な状態なのは、確かに大問題です。各自治体で感染対策を行っていたにもかかわらず、それを無駄にしてしまったのは写真を見ても感じとれます。

ですが、このNewsには、さらに大きな問題があると僕は感じます。





度を超えたSNSでの発言です。






今回のタイトルに戻りますが、僕も兼ねてからファンである、BAD HOPもこのフェスに出演していました。もちろん、彼らの前にはたくさんのオーディエンスが密状態で楽しんでいます。

客観的に見て、出演者の中でも、1〜2を争うほどの人気を持つBAD HOPは、いち早く今回の騒動のターゲットにされてしまいます。

なぜなら、彼らは来たる9月1日、2日、横浜アリーナで2Daysのライブを行う予定があるからです。ヘイターたちは、横浜公演に対して意見をぶつけます。

確かに、ここ1ヶ月弱は、感染者が過去最大規模に膨れ上がり、医療崩壊を起こしています。
現代人なら、普通に出歩くのも正直怖いと思うはずです。否定的な意見をぶつけるのも肯けます。

ですが、書き込みの中には、彼らのルーツや音楽性、ましてやHIP HOP全体をかなり辛辣な言葉の刃を使って傷付けようとするものが数え切れないくらいあります。
正直、今この記事を書いている間でも、そういったツイートや書き込みは増え続けているでしょう。



SNSを通して、自分が正しいと思う意見を発信することは素晴らしいと思います。
ですが、感情を傷つけたりするために使うのは絶対に間違っています。




BAD HOPは、過去2回も横浜アリーナ公演を、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点をもって、やむなく断念してきました。
それどころか、一億円の負債を背負いながら、中止になった横浜アリーナのステージで、誰でも楽しめる様なオンラインライブを決行しました。それは間違いなく、HIP HOP会、いや、音楽業界に影響を与えています。
コロナの影響を受けたアーティストの中でも、いち早く行動し、チャレンジし、新しい道を切り開いた時代の先駆者ともいえるでしょう。


彼らは、世の中をしっかり見ています。今回のフェスに関しては、密な状況を作って、感染を広げる様な行いをしてしまったのは間違いありません。

ですが、彼らもある程度配慮は行っていたはずです。そうでもないと、この状況下でステージに立つことなど許されません。
まあ、それでも、あの密度、状況はあまりにもひどいですが。。。


さて、タイトルに再びトピックを戻すと、横浜アリーナ公演ですね。

僕の率直な意見を伝えると、



正直、公演は延期か中止してほしい




 正直、僕はこの公演はめちゃくちゃ楽しみにしていました。今回はBAD HOPだけでなく、彼らと親交の深いアーティスト等が友情出演し、HIP HOPで日本中のヘッズを元気にするという、彼らのここ数年の集大成的なライブでもあります。

本当に心から行きたいとは思います。けれど、


今、このNewsが出てしまった直後だと、参加者もアーティストも、心から楽しめない、元気になれない。


それは間違いないでしょう。
開催したら、今回の波物語の開催の時の様に、もしくはそれ以上にSNS上でバッシングを受ける場合があります。ひどい場合、彼らの今後の活動すら危ぶまれてしまいます。

BAD HOPは、彼らの歌詞でも歌っている様に、多少のヘイトなどエネルギーに変えて曲を制作してしまうモンスターグループです。
ですが、今回の事例は訳が違います。彼らを遠くから支えてきた、ZEEBRAやAK-69、般若まで当のフェスに出演しており、批判を一緒に喰らっています。

しかも知事レベルのメディア、著名人から目を付けられてしまったら、SNSのバッシングどころか、HIP HOP文化的な部分でとても大きなダメージを受けることは間違いありません。後世に残る黒歴史になってしまいます。

BAD HOPは、地元川崎の夢を持った若者に対し、無料て使えるレコーディングスタジオを建設したり、これからの若手ラッパーの教科書ともいえる存在です。
そんな彼らが今、選ぶ決断は、大いなる勇退だと僕は思います。

SNSでのヘイトは目に見えない敵です。人を殺してしまうほどの威力だってあります。それは誰もが、2020年の出来事で思い知ったはずでしょう。

僕も、心ない書き込みはやめてほしい、むしろ見ていて胸クソが悪いから、この記事を書いていますが、正直、一素人がヘイトを止めるなんで不可能です。

とはいえ、それを少しでも和らげるための選択、感染者をこれ以上出さない選択、HIP HOPという素晴らしい音楽を後世に継承するための選択として、横浜アリーナ公演は中止、延期を希望します。


この記事を書いていて悔しいです。大好きなアーティスト等が、一生懸命に作られた楽曲等が、HIP HOPに詳しいとはいえない人たちにまで揶揄されるのは。




改めて、今回のNewsは、確かにフェスに関しては正直にひどい状況とはいえます。それを指摘するのは正しいことです。
ですが、限度があります。彼らも人間です。運営側だって人間です。コロナで命を奪われる前に、その心ない言葉が別の命を奪う可能性だって大いにあります。


かなり長い記事になりましたが、僕たちHIP HOPヘッズが、心からライブを楽しめる環境になったら、BAD HOPが横浜アリーナで超豪華なゲストとライブをしている姿を見たいです。

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BIG UP!


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