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なぜポートレートには『挨拶やお礼、そしてお詫び』のできないモデルが存在するのか

撮影会関係や被写体関係、ポートレートのモデルさんと接していると何故か挨拶やお礼、お詫びといった基本的なことを怠りがちでどこかモヤモヤとした印象が残る人に当たることが多々あります。(この部分に関してはグラビア系の媒体のお仕事をしているモデルさん達はしっかりできる人が多い印象です)

自分自身も気をつけなければならないことでもありますが、ちょっとしたひとことで相手に好印象を残せたり逆に周りの人たちが離れていったり。その後の関係を左右することなので少々書き残してみたいと思います。

■ 挨拶ができないモデル

此方が周囲に紹介してあげないと挨拶ができないモデルさんが居ます。人見知りな性格だったり初めてこの世界に入って戸惑ったりは理解できますが、最初に明るく挨拶をしておくだけで周りからの印象は変わりますし極端にいうと挨拶さえしっかりできればその後は無理をして会話をする必要もないのです。是非自分から挨拶を心掛けて見てください(^^)

モデルさん同士の間でも同じで、楽屋に入ってから挨拶もせずに黙っていると怖い印象や暗い印象を勝手に持たれてしまうことがあります。過度に仲良くする必要などありませんが礼儀として挨拶(できれば笑顔で自分の名前も)はしておくべきでしょう。

カメラマン全体に対するSNS上での挨拶も同じです。例えば毎朝お店の前を通っただけで『おはようございます』と声を掛けてくれる店員さんが居るお店は印象が良いですよね。お店の前を通った人が何かを買ってくれるわけではないですが、断然お店のイメージは良くなると思います♪ 

ハンバーガーショップなどのブラックボードに日替わりでその日の挨拶が書かれているのを見るとその日1日とても爽やかな気持ちになりますし親しみも湧いて良い意味で入店の敷居も下がります。人気モデルの皆さんが毎日画像を付けて朝の挨拶を投稿するのも同じ効果があるのでは…と私は考えています。

■時間を守れないモデル

前述の挨拶うんぬんの前に相当数の『時間を守れないモデル』が存在します。

自ら選んだお仕事ですから友達との約束に遅れたり学校の授業に遅れるのとは違います。時間を守れないなど有り得ないですしその人の遅刻が原因となりお互い明るく挨拶なんて出来なくなりまくよね。

因みに私の場合…二回連続でモデルさんが遅刻したなら次のお仕事をお願いしたいという気持ちが一切なくなります。

人気のあるモデルさんほど早めに現場に到着して明るく挨拶ができています。遅刻をする人はその辺りから意識を変える必要があると私は思います。

万が一ですが遅刻をしてしまった場合は素直に謝ることそして必ず穴埋めをするなど誠意ある対応こそが大切だと思います。

■ お礼が言えないモデル

挨拶はできても一般生活で普通に交わされる程度のお礼さえ疎かにするモデルさんもかなり多いと感じます。

お礼が言えない撮影会モデルの何が悪いかというと『リピートのチャンスを逃していること』です。

SNSの普及によってその場のお礼は程々でもいい、という心理がはたらいているのではとも想像しますが、最低限その場で別れ際に良い印象を残して置けるように明るくお礼をしたほうが良いのではと私は思います。

ひとつエピソードですが、朝方の撮影前の待機時間に出演者全員でカフェに入った際、その日の最後にたった1人だけ『朝のコーヒーご馳走さまでした』と言ってきたモデルさんが居りました。

普段から礼儀正しく人気のあるモデルさんではあるのですが、此方まで当たり前に思っているような朝のコーヒーのお礼をあざとい印象も持たせずに言ってくるとは…。こういった気配り的な部分も彼女の人気の秘訣なのか…

…と感じると同時に、朝から飲み切れもしない限定イチゴなんとかフラペチーノをオーダーしてちょっとしかクチを付けずにお礼すら言わない大学生モデルとの差が決定的になった…そんな一日でした。

ちょっと話しが逸れてしまいましたが、最悪なのがカメラマンに対して撮影会の予約を煽るだけ煽ってその後のお礼を一切しないモデルさんですね。

釣った魚になんとかという感じで完全放置、結果として大半のカメラマンがリピートせずに途切れるので次回もゼロから集客という悪循環。

ビジネス的にはその日に来て頂いたカメラマンに次回も参加して頂けるようにベストを尽くし、撮影後のフォローまで続けてこそ人気に繋がり、撮影会モデルを続ける限りはそれを繰り返し行う必要があると私は考えています。現場のお礼、更に感謝のお手紙代わりにお礼のTweetを書きましょう。どんなに疲れていても感謝の気持ちは撮影の余韻が残っているその日のうちに即するのがベストです。

■ 謝ることができないモデル

特にフリーランスのモデルさんに関しては被雇用者が毎日のように体験する半強制的な指導や理不尽な指示に無条件に従うという機会が少ないのではと推察します。

さらには男性カメラマンや撮影会主催者側も関係が拗れることを恐れるあまり、モデルさんに対して正しい意見さえも言わなくなってしまうケースも多々あると思います。

実際にタチの悪いモデルがフォロワー数にモノを言わせて相手側を悪者に仕向けるような場面も何度か見ているのでとても難しい問題です。

さらに、問題のあるモデルであっても受け皿となる撮影会やカメラマンがいくらでも存在することこそが大問題です。撮影会でトラブルを起こしたモデルが離脱したタイミングを狙ってモデルをハントする主催者さえも見え隠れしますから本当に始末が悪いです。

仮りにモデル自身が悪事を働いたとしても謝罪や尻拭いなどは丸投げして別の活動場所に鞍替えができてしまう。例えばA撮影会を欠席したあとすぐに別のB撮影会に出演できてしまうのが撮影会の現実なのです。

私が過去に運営した撮影会に於いても、とあるフリーランスモデルのかたが体調不良で撮影会に穴を空けてしまった際『あとでカメラマンにも謝罪を入れておいてください』と指示したことがありました。

しかし彼女にとってはそんな筋合いはないという認識なのか、その後の報告や返信さえも一切ないまま連絡が途絶えた事例がありました。その後も彼女は何事もなかったように他の撮影会で活動出来てしまっています。

一般のアマチュアカメラマンさんや撮影会の運営さんがモデルに対して間違いを指摘して正義を貫くことは非常に難しい実情。

恩義や常識が通じない相手との間に信頼関係を築いた上で教育や指導をする労力よりも『最初から素直で性格のよいモデルさんを見抜く目』つまりはひとを見る目を養い、トラブルを回避するほうが手っ取り早いという悲しい現実がそこにはあります。

■面接でバイト歴や部活歴を聞かれる理由

例えばアルバイトに応募した際、これまでのバイト歴や部活歴、スポーツや習い事などを質問されることがあると思いますが、これは過去にどれだけ礼儀や常識などを教育され、どれだけ忍耐力があり、堪え性があるかなどをひと通り探る目的があります。

例えば撮影会モデルの場合には、礼儀などが身に付くような習い事をしていたり、サービス業などお客様と接した上でお客様側の役に立つための業種を長く経験していると撮影会未経験でも抵抗なく入ってこれるような気がしています。

個人的な意見になりますが、フリーランスの被写体系のモデルさんがモデル一本で稼いでいくことに私自身は賛成できない派でして、例えばモデルと並行して一般的なお仕事や真剣な芸能活動など、出来るだけ同時進行したたほうが世界が広がるし世間一般の感覚からかけ離れずに済むのではないか、甘やかされがちな現在のポートレート界を見渡すと尚更そう考えてしまいます。

■ 相手に伝わらなければ何の意味もない

本題に戻します。

挨拶にしてもお礼にしても相手に気持ちが伝わらないものには意味がないです。

例えば『本日の撮影でお世話になったカメラマンの皆さまへお礼のTweetをしましょう』とモデルさんに指導をしたとします。

Aさん:『今日の撮影ありがとうございました。とても楽しかったです。』

Bさん:『今日の撮影ほんとうにありがとうございました!川に入ったりかき氷を食べたり充実した1日でした。皆さんも気を付けて帰ってくださいね!次回もとってもたのしみです!』

少しの文章の違いですがどちらの気持ちが伝わるかといえばBさんだと私は思います。(特に味覚や体感温度に訴えかける言葉のチョイスがいい)

お詫びに関しても同様で、文章にしろ言葉にしろ相手に誠意が伝わらなければ謝罪が終わらないことを理解する必要があります。『SNSで謝罪を公開したんだからもういいかな』ではなく、相手に伝わるような行動をすること、誠心誠意を尽くして穴埋めをすることが大切だと思います。もはやモデル業に限った話ではないですよね。

■ 相手だけでなく周囲にも伝わる

前述の『お礼のTweet』にも言えることですが、当事者のカメラマンに対するお礼の言葉は、当事者以外のたくさんのカメラマンが見ていますし聞いています。

素っ気ない(シンプルな)お礼をしたなら周囲のカメラマンにも『素っ気ないモデルさんだなぁ…』と伝わってしまう恐れがありますし、本当に楽しかった気持ちが伝わるようなお礼なら『このモデルさんとの撮影はたのしそうだ』と周りのカメラマンにも伝わっていきます。

相手に伝わる挨拶やお礼を習慣づけるだけてカメラマンが増えていく可能性は充分にあると私は思います。

■ 小さい頃はすべて出来ていたはずなのに…

こんにちは、ありがとう、ごめんなさい、全て小さい頃に習った筈なのに、成長するとついつい忘れがちになってしまいます。

モデルとして枠が埋まることなども大事かも知れませんがどんなことでも初心や素直さ、相手への感謝や常識的な考えかた、そして恩義も忘れてはいけません。

当たり前のことが当たり前になるよう、ポートレートモデルさんには業界全体に常識的な行動を浸透させて欲しいし、撮影する側のカメラマンも良いことは良い、悪いことは悪いとモデルに伝えてほしい。

それが撮影会モデルやポートレートモデルの印象をさらに良いものとし、撮影のトラブルを減らし、レベルアップにも繋がっていくのではないかと私は思います。

業界の現状をみると中々難しいとは思いますが、私たち自身の周りだけでもぜひ改革していきましょう。

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