フリーミアム戦略
・ソフトウェア・オンラインサービスで一般的になった、トライアル版無料利用一>有料版の購入を図るアプローチ。
・基本的には従来からある初回限定価格(無料)と同一だが、利用しながらアップグレードできる点が特長。
・成功する前提は効用実感・利用満足。
・行動経済学のEndowment効果の作用も働く。
・無料の利用価値が高いと無料の利用価値と有料移行後の価値が比較され知覚価値の低下を招くことも
・一方無料の利用価値が不十分だと、そもそも利用拡大しない。
フリーミアム(free + premium)戦略は、特にソフトウェアやオンラインサービス業界で一般的に使用されています。このアプローチでは、ユーザーにサービスの基本版を無料で提供し、その後有料版へのアップグレードを奨励します。フリーミアム戦略は従来からある初回限定価格(無料)と同様ですが、ユーザーがサービスを利用しながらアップグレードできる点が特徴的です。
フリーミアム戦略が成功するためには、ユーザーが無料版の利用を通じてサービスの価値を認識し、満足感を感じることが必要です。行動経済学の観点からみると、Endowment効果(所有権効果)も働きます。これは、人々が既に所有しているもの(この場合、無料のサービス)を高く評価し、それを失うことを避けようとする傾向を指します。この効果により、ユーザーは無料版から有料版への移行を検討するようになる可能性があります。
しかし、フリーミアム戦略には注意点も存在します。無料の利用価値が高すぎると、有料版への移行後の価値が低く見えてしまい、結果としてユーザーの知覚価値が低下する可能性があります。逆に、無料の利用価値が不十分だと、ユーザーはそもそもサービスを継続的に利用しない可能性があります。したがって、無料版と有料版のバランスと、ユーザーに対する適切な価値提供が重要となります。
この戦略は、新規ユーザーを獲得し、既存ユーザーをリテンション(維持)するための有効な手段となりますが、その実施には綿密な計画と調整が求められます。
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