ドゥンカーのロウソク問題
ドイツのカール・ドゥンカーによって行われた、機能的固着に関する問題・実験
ロウソク問題
あなたは、この問題が解けるでしょうか?
ロウソク問題(Candle problem)
ロウソク問題(Candle problem)は、問題解決能力を測定するための認知能力テストの一つです。この問題は、ゲシュタルト心理学者であるカール・ドゥンカーによって考案され、1945年に発表されました。
ロウソク問題では、一本のろうそく、1つのマッチ箱、そして画鋲が与えられます。問題は、壁に取り付けられた板の上にろうそくを立てるという課題です。ただし、ろうそくの燃える部分が上向きになるように立てる必要があります。
この問題の困難な点は、ろうそくの燃える部分を壁に直接固定することはできず、ろうそく自体を板に固定することもできません。ドゥンカーが考案したロウソク問題では、画鋲を使ってろうそくを壁に固定する方法が求められます。
この問題は、人々の問題解決能力における機能的固着という心理的な現象を測定するために使用されます。機能的固着とは、既存の知識や経験に基づいて問題にアプローチすることで、新しいアイデアや創造的な解決策を見逃すことを指します。
解決方法
ロウソク問題では、被験者には以下のアイテムが与えられます。
1束のマッチ(マッチ箱)
1箱の画鋲
問題の目標は、コルクボードの壁にロウソクを固定し、点火することです。しかし、溶けたロウが下のテーブルに滴り落ちないようにする必要があります。
以下に、問題の解決方法を簡単に説明します。
画鋲をコルクボードの壁に固定します。この時点ではまだロウソクは固定されていません。
マッチ箱の裏側(摺り部分ではない面)にマッチを1本固定します。このマッチは水平になるように配置します。
マッチ箱を画鋲に立てかけ、マッチの先端をコルクボードの上部にある壁に寄せます。
マッチ箱を揺らすことで、マッチの先端が壁にぶつかりながらマッチ箱が安定するようにします。これにより、マッチ箱が壁に固定され、ロウソクが立てられるようになります。
最後に、ロウソクを点火します。
この解決方法によって、ロウソクはコルクボードの壁に固定され、溶けたロウが下のテーブルに滴り落ちることはありません。マッチ箱と画鋲を利用することで、ロウソクを安定させるための支持構造を作り出すことができます。
なお、個々の問題解決には様々なアプローチがあり得るため、上記の解決方法は一例です。被験者によっては異なる方法を選択することもありますが、重要なのは創造的な思考と問題解決能力を発揮することです。
言語的含意
E. Tory HigginsとW. M. Chairesによる研究では、ロウソク問題において、被験者に使用されるアイテムの名前を通常とは異なる言語的構造で提示することが成績の改善につながることが分かりました。
スタンフォード大学の調査では、問題が紙に印字された形で被験者に提示され、特定の名称に下線を引くだけで正解率が向上しました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?