見出し画像

The Last Sun 2020 予選 レガシー(晴れる屋札幌店) 上陸エンチャントレス 2-3

友人が複数人参加を表明していたため、ならば自分もと久しぶりに大会に遊びに行ってきました。結果は負け越しと残念なものですが、使用したデッキが中々楽しかったので備忘録的に書きます。かつてのDiaryNoteのようなノリで、ゆるく読んでいただければと思います。

デッキリスト

「Confinement Exploration Valakut」

画像1

相棒
湧き出る源、ジェガンサ
メインボード
4 吹きさらしの荒野
3 樹木茂る山麓
1 虹色の眺望
1 Savannah
1 Taiga
1 カラカス
3 セラの聖域
1 魂の洞窟
1 ヘリオッドの高潔の聖堂
1 冠雪の平地
1 冠雪の山
8 冠雪の森

4 アルゴスの女魔術師
1 引き裂かれし永劫、エムラクール

4 繁茂
3 エレファント・グラス
4 踏査
4 楽園の拡散
1 薄氷の上
4 独房監禁
4 女魔術師の存在
3 ヴァラクートの探検
2 フェリダーの撤退

サイドボード
2 抑制の場
1 石のような静寂
2 謙虚
4 虚空の力線
1 Helm of obedience
2 夏の帳
1 原基の印章
1 窒息

なぜこんなデッキが生まれてしまったのか

ゼンディカーの夜明けが発売して数日、筆者の心は全くライジングしていませんでした。モチベーション維持が難しいことを理由に、しばらくスタンダードを休止しようと決めたためです。しかしMTGはスタンダードだけではありません、良い機会なので下環境を楽しもうと考え、元々持っていたエルフデッキかエンチャントレスデッキで上手く使えそうなカードをゼンディカーの夜明けから探してみることにしました。

ざっとカードリストを眺めた結果、エルフの方は特にめぼしいカードが見つかりませんでした。せいぜいヤシャーンが頂点のサーチ先としてワンチャンあるかといったところですが、自身が受けるデメリットが辛いのでイマイチな印象です。

ならばエンチャントレスはということで、まず目についたのがヴァラクートの探検。 

画像2

エンチャントレスはそのデッキ名の通り、デッキに通常は2種8枚入っているエンチャントレスをドローエンジンとしてデッキを回転させます。
「同じ役割のカードが8枚あればコンボデッキは成立する」とどこかで聞いたことがあります。その点でエンチャントレスは条件を満たしているわけですが、他のアドバンテージ手段を殆ど持たないため、見た目以上に手札破壊やカウンターに弱いという弱点があります。エンチャントレスが1枚も着地出来なかった時にすぐにジリ貧になってしまうのです。

ダウンロード (2)

英語名がEnchantressなのがデッキ名の由来

そのため追加のアドバンテージ手段として期待しましたが、従来の構成だと上陸に特にシナジーがあるわけではなく、欲しいカードがプレイ出来ない/したくないタイミングで捲れてしまう裏目も気になり微妙な評価でした。

そんな中、このカードが土地単に採用される可能性があるという話を耳にします。
「確かに土地単は踏査とかあるし、墓地に落ちた土地もうまく活用できそうで合っているかもな」などとぼんやり考えていた時、急に天啓が!

「踏査とヴァラクートの探検がパッケージなら、両方がエンチャント、エンチャントレスとハイブリッドが出来るのでは……?」

踏査はかつてエンチャントレスにも採用されていましたが、楽園の拡散の登場や、デッキ内の土地の枚数(大体20枚前後)的に活用しきれない場面が多々あり、徐々に採用枚数が減っていったカードです。
今でも1~2枚程度入っているリストを見かけますが、個人的にもあまり必要とは考えていないカードでした。

ですがヴァラクートの探検と共に組み込んだ場合はどうでしょう。

例えばエンチャントレスが出ている状態で探検の上陸が誘発、踏査が捲れてプレイしてドロー、ドローした土地をセット、またエンチャントが捲れて……
無限のアドバンテージ、あふれる手札、並び続ける土地、最高の時。
すぐに仮組みをし、カードショップに向かいヴァラクートの探検を買い求め、飽くなき一人回しが始まりました。
自分の中のトップレア(4枚100円)に出会い、ようやく筆者のゼンディカーがライジングしたのです。

主なデッキプラン

端的に言ってしまえば「既存のエンチャントレスの根幹部分のみを強調し、その他のユーティリティーとなるものをバッサリと切った」デッキです。 
踏査が追加の1T目のマナ加速、ヴァラクートの探検が9枚目以降のエンチャントレスのような扱いで、2T目までにいずれかのアドバンテージ手段の着地を目指します。先に弱点として触れた手札破壊、カウンターを単純に矛先を水増しすることで何とかする算段。

妨害要素のあるエンチャントのどれを採用するかはメタゲームによって変わるうえに、筆者自身は普段あまりレガシーをプレイしないため晴れる屋札幌店さんのレガシー環境には明るくありません。そのため思い切ってデッキのゴールの一つである独房監禁を4枚積むことによって、有無を言わさず引きこもりに行くことにしました。
独房監禁の維持を土地を中心に繋いで行く姿から往年の名デッキ・CALを思い起こしたのでデッキ名も同じノリでCEV(Confinement Exploration Valakut)としました。書いている最中に冷静に考えると全然似てないですね。

主なフィニッシャーはエムラクールですが、ヴァラクートの探検もかなりのダメージ源になります。自分のデッキ切れが懸念されますが、最終的にエムラクールとカラカスが揃えば速やかに殴り切れることと、探検からエムラクールが捲れた場合にはそのままエムラクールが墓地に送られライブラリが修復されるという地味なギミックがあるため、対戦相手が倒れるまでにデッキ切れが起こるケースは殆どありません。

そしてサブフィニッシャーとしてこれまたゼンディカーの夜明けからの新カード、フェリダーの撤退を採用。

画像8

上陸は今回のデッキ構成と噛み合いますし、勝つまでが遅いデッキなのでフェアデッキ相手に中盤に対処を迫れて、残ればそのまま勝てるカードということで入れてみました。使ってみた感触は悪くなかったです。

ついでにメインデッキ内のカードが全てシングルシンボルなのでジェガンサを相棒に起用。

ダウンロード


ヴァラクートの探検の特性上、手札そのものを補充するわけでは無いので、独房監禁の維持コストを支払いにくいタイミングがありました。
そんな時にジェガンサを持ってくることで、無から手札を増やせるため捨てるカードの選択肢が広がります。
また、レガシー環境では5マナ5/5はかなり屈強なボディであり、赤系のデッキ相手にはそのまま召喚しても良しです。めったにやりませんが除去に対応してカラカスで戻したり、攻撃後にカラカスから再召喚して疑似警戒にしたりと謎の小テクもあります。余ったマナの使い道としてかなり有意義だと感じました。折角引いたプレリプロモを使いたかったからとかではないです。

サイドは正直言って環境がよく分からなかったのでかなりフワッとしています。
全体的に枚数が中途半端だったので、特定のデッキに対して尖らせた方が良さそうに感じましたね。今回使用した中ではまず窒息は不要に感じました。
謙虚は従来の構成だと自身の被害も大きかったのが、フェリダーの撤退が入ったことでとても使いやすくなったので、苦手なエルフなどに対応するためにもっと枚数を増やしても良いと思います。

いくつかの没案

骨子の部分以外はそこそこ融通が利くので、さまざまなパッケージが候補に挙がります。いずれも一長一短あるので、今回はオーソドックスな構成で臨みましたが、次回このデッキで出ることがあれば以下のいずれかを採用してみたいですね。

緑の太陽の頂点

ダウンロード (1)

・入るカード:溜め込み屋のアウフ、武勇の場の執政官、ドライアドの東屋など

1T目X=0で東屋、2T目X=2で女魔術師などメインの動きのパターンを増やすことが出来、アウフをメインから採用することでマナアーティファクトを多用するデッキをメインから睨めます。回った時のマナ加速のスピードが従来のエンチャントレスよりも早いので、執政官の高速召喚などの勝ちパターンも増えるメリットも。
デッキ内に不純物が増え、ヴァラクートの探検でサーチ先が不要なタイミングで捲れてしまい、墓地に送られてしまったりと噛み合わせが少し悪かったので今回は不採用。

生ける願い

画像5

・入るカード:頂点と大体一緒。カラカスなど状況を選ぶ土地をサイドに置いておける

緑頂点と違いメインデッキを圧迫しないことと、土地もサイドからシルバーバレット出来るので先に置いてしまい不毛されるリスクなどが緩和されるのは好印象ですが、早いターンに唱えた場合にほぼ丸々ターンをスキップしてしまうのが欠点です。今回はマナ加速→アドバンテージの流れを重視して組んだため不採用。

大いなる創造者、カーン

画像6

・入るカード:墓掘りの檻、トーモッドの墓所、液鋼の塗膜、マイコシンスの檻など

多くの無色デッキで活躍するカーンですが、エンチャントレスにも入り得ます。併せて入れるカードももちろんカーンの相方として見かけるカードです。緑頂点採用時のアウフのように、メインからマナアーティファクトデッキに対抗出来て、さらにサイドから持ってこられるパッケージも柔軟です。
踏査を絡めると最速で2T目には登場するので、個人的にはかなりアリだと考えているのですが、エアプ故に実戦でどんな噛み合いを見せるかが少し想像し辛かったため今回は不採用でした。

大会レポ

だらだらと長文を書いた上にもうタイトルに戦績も書いてあるので蛇足感がすごいですが、スイス5回戦。

1回戦 エルフ ××
1G 相手の引きが微妙でぐだぐだしていましたがこっちもフラッドしていて、やることが無さ過ぎてジェガンサを出した返しにガイアの揺籃の地2枚目からビヒモス素出しで負け。

2G エレファントグラス×2、独房監禁1を維持して延命を図るもこちらのエンド時に突然の衰微→相手ターンに再利用の賢者を共生虫で再利用されて丸裸にされて負け。

エンチャントレス使っているとエルフが一番きつく感じます。
余談ですが、1G目でぐだぐだしている時に店員さんが写真撮りに来て、カメラの起動をしている間にビヒモスが駆け込んできたので死の瞬間を撮られてしまい切なかったです。

画像の2枚目。本戦への参加権利を掴み取るのは僕ではないことが伝わる。

2回戦 ANT ××
1G 順当にコンボ決められて負け。

2G 強迫でマナ加速を抜かれて動きが鈍り、窒息を出してみるもターン終了時にバウンスされて返しのターンでコンボ、負け。

メインサイド共に憎しみが足りなかったですね。

3回戦 氷雪コン ○○
1G エンチャントレスが通ったのでガンガンアドバンテージ差をつけて勝ち。

2G 魂の洞窟からアルゴスの女魔術師を3連打、疫病を仕組むものが登場して一掃されるも既にいいだけカードを引いていたのでそのまま物量で勝ち。

途中でドヤ顔で4枚目の女魔術師を洞窟から出したらまだ疫病を仕組むものが居たので即死するという初心者プレイをかましてしまい恥ずかしかったです。

4回戦 エンチャントレスっぽいコントロール 〇×〇
1G さすがにデッキ構成上こちらの方がマナ加速の量が多かったので、マナ差をつけて先に沢山カードを引いて勝ち。

2G エーテル宣誓会の法学者を出されて大幅にスローダウン、原基の印章とヘリオッドの高潔の聖堂で割りに行くも、3度に渡ってカウンターに阻まれてしまい、めでたしめでたしの条件を満たされて負け。めでたしめでたし。

3G マナ加速からジェガンサを出すも野望の試練で即死、謙虚を張られたうえでジェスカイの隆盛と大量の芽吹きのコンボを決められそうになるも、ギリギリで原基の印章を夏の帳で守って隆盛を破壊。エムラクールをカラカスで戻して無限ターンを成立させ、謙虚な1/1エムラクールとヴァラクートの探検の誘発ダメージで勝ち。

時間いっぱい使って疲れた。ものすごく独創的なデッキで見ていて楽しかったです。

5回戦目 バーン ××
1G 大歓楽の精霊が最高に効いて相手先手3キル

2G 紅蓮光電の柱が最高に効いて相手後手3キル
やってられっか!!!!!!!これが!!!!!!!レガシーの!!!!!やり方か!!!!!!!!!!!!1111

あとで聞いたら大歓楽と柱が併せて7枚入っていたとのこと。いよいよ法の領域の出番ですね。

2-3、最近は知らない人が増えたな~と思っていたんですが、今回は見知った顔ぶれも多くて楽しく過ごせました。
また機会があればレガシーの大会に出たいですね。次はカーン入りヨーリオン上陸エンチャントレスとか組んでみたいです。
上陸寄せは回った時の加速が凄まじい反面、どうしようもないマナフラッドも多々発生するので、その辺のバランス調整をしっかりやっていきたい。


それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?