見出し画像

メルボルンの持続可能なMICE企画ガイド

case | 事例

メルボルン・コンベンション・ビューロー(MCB)は、MICEなどビジネスイベントを企画するプランナー向けに、持続可能性に焦点を当てた新しいインタラクティブなデジタル版ガイドブックを更新した。このガイドブックでは、MICE実施の際に調達対象となりうる環境に配慮したサプライヤー、製品、また、MICE実施期間でのメルボルンでの持続可能な体験を紹介している。

昨今イベント・プランナーの間では、MICEにおいて持続可能な観点を重視する傾向が高まっていることから、MCBは、今回更新したデジタル版ガイドは、持続可能なイベントの企画を促すための極めて重要なツールであると紹介している。メルボルンは、その持続可能性への取り組みが国際的に評価され、Global Destination Sustainability Index(GDS-Index, MICE推進都市の持続可能性評価指標プログラム)により、オーストラリアでトップの都市に選ばれている。デジタルガイドは、メルボルンの様々な持続可能な取り組みを紹介することでランキングに値することを示している。

デジタルガイドには、カーボンニュートラル認証を受けたサプライヤー、責任を持って調達した食材で循環型フードエコノミーを推進するレストラン、再生素材やリサイクル素材を使用して建設された環境に優しいホテルなどの詳細が掲載されている。また、環境への配慮を会議やインセンティブ・プログラムに取り入れたり、地域の文化や環境保全の取り組みと結びつけたチームビルディングのアクティビティなどのアイデアや提案も紹介されている。その他、環境に配慮している会議施設、自然公園、動物園や自然保護活動に取り組む団体についても紹介されている。

insight | 知見

  • GDS-Indexで日本の都市はどのように評価されているのか調べてみたのですが、札幌と京都が先行してプログラムに参加しているものの評価は高くなく、福岡を含めて日本の都市の名前は見当たりませんでした。観光庁が予算をつけてGDS-Indexへの参加を補助する事業が昨年度から実施されているようです。

  • メルボルンのこのデジタルガイドブックを見ると、持続可能性は会場やホテルの選択、サプライヤーの選定、食事の選定、地域文化体験や環境活動などエクスカーション先の選定など、幅広く考えないといけないと改めて知りました。一方で、日本の都市はそれらをきちんと説明できるように整理していないだけで、リソースは整っているのではないかと感じましたので、国際MICEを促進している都市は予算をきちんとつけて取り組むべきだと思いました。