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米サンノゼ市は生成AIの使用ガイドラインを定め管理された責任ある業務での使用を進める

case|事例

サンノゼ市は、ChatGPTやGoogle Bardといった生成AIの市職員向けの使用ガイドラインを定めた。市は、AI使用に伴うバイアスやプライバシー、サイバーセキュリティなどのリスクを最小化しつつ、業務効率化を進める管理された責任のあるアプローチを採りたいと考えている。ガイドラインでは、想定される使用ケースとして文章の要約や新たなトピックの学習、内部文章や一般向け文章のドラフト作成、提案仕様書の起草などが例示されている。またそれぞれの想定ケースに対して使用に伴うリスクも評価されている。一方で、個人の評価や提案書の評価、本番環境でのコーディング、言語の翻訳、音声コンテンツの作成などでは使用を禁止すると定められている。

サンノゼ市のガイドラインでは、生成AIへのすべての入力情報は公文書請求法の開示対象となることを認識することを求めており、生成AIからのアウトプットを確認しファクトチェックすること、事実を記述するときは生成AIを使用するのではなく信頼のできる情報源から引用すること、生成AIを使用してコンテンツ作成した場合、使用した生成AIや事実確認されたことなどを脚注に引用することなどが定められている。

サンノゼ市以外でも生成AIの業務使用は進んでいる。横須賀市は、AI戦略アドバイザーを任命すると共にchatGPTを1か月の試験運用の後、正式に業務に採用している。ボストン市は、サンノゼ市と同様に、5月に使用ガイドラインを定め、Google Bardを導入している。シアトル市は、AIの業務での使用に対して政策アドバイザリーチームを組成し、秋に生成AIの使用方針をCTOに提案する予定している。

サンノゼ市の「Generative AI Guidelines」
https://www.sanjoseca.gov/home/showpublisheddocument/100095/638255600904303329

insight|知見

  • 生成AIなどの技術の進歩は日進月歩で進んでいますが、生成AIの普及によって知的労働がなくなるなどの負の側面が強調された記事を目にする機会が増えているような気がします。

  • 一方、chatGPTやBardなどの生成AIは、プロンプト次第で非常に有用なアウトプットを生成してくれるため、とても便利なツールとも言えます

  • 未知なものに対しては恐怖を抱きがちですが、これまでの技術の進歩は、私たちの生活を豊かにしてくれました。サンノゼ市などのようにガイドラインを定めて、技術と共存しようと試みることの方が賢い選択のような気がします。