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英ノーザンプトンは電動キックボードシェアの実証プログラム廃止を警告

case|事例

ウェスト・ノーサンプトンシャー議会は、ノーザンプトンでvoiと実施している電動キックボードの実証について、改善項目に沿った対策が実施されない場合、実証の廃止の可能性があると見解を示した。ノーザンプトンで実施している実証は、2020年からvoiと実施されているが、安全性や違法駐車に対して苦情が相次いでおり、最近も議会で議論が行われていた。
ウェスト・ノーサンプトンシャー議会は、昨年から実証の検証に着手しており、利用者や住民など2,600人からアンケートを回収している。2024年5月には、改善実施リストの作成を条件に2年間の実証の延長を決定している。改善項目には下記が含まれている。

  • 車両の走行スピードのコントロール

  • 利用制限区域の精査と拡大

  • 障害者や緊急車両用スペースに駐車された場合の取り締まり強化

  • 歩道走行や複数人での乗車を排除するための技術導入

  • 夜間の車両の視認性の改善

  • 車両登録番号の見やすさの改善

  • 苦情への対応手続の改善

現在、voiは駐車禁止ゾーンや乗車禁止ゾーンの見直しやリアルタイム映像の品質を高めるための技術改善を行っており、警察とも協働で未成年者の利用や歩道の違反走行を防ぐためのキャンペーンを実施している。voiは、「現在、議会と対応について対話を行っており、改善のためのロードマップを描きそれに沿った対応をしている。また電動キックボードシェアリングがすべての人に機能するために地域社会とも協力している。通勤通学利用の大半はルールを順守しており、ルールの違反者に対する罰金の徴収や利用禁止などの措置を今後行っていく。」とコメントしている。

insight:知見

  • 電動キックボードの導入に至るまでの海外諸都市の苦労は何度か記事で取り上げていますが、行政と地域と事業者が協働しつつも適切な距離感で関係を築き、ルール改善を継続的に行っていくということが望ましい姿ではないかなと思います。

  • そのためには、社会実装させるために、事前に責任分界点や評価指標、実装の条件などをあらかた整理しておくことが重要だと思います。一度導入したら地域も行政もアンタッチャブルになるということを一番避けなければなりませんね。