冷蔵庫って、

生きているってどんなことだろう、と考えた時
心理的・精神的にも、身体的にも、哲学的にも
答えは様々であろうが、私は簡単にいうと
「何かを吸収して排出することなのでは?」
と思う。

どんなに死にたいと泣いていても
今まさに身体は養分や酸素を身体全体に
行き渡らせ、血液を循環し、便をつくっている
尿を我慢しながら、悲しみに浸ることはできない

となれば、実は冷蔵庫は生きているのでは?
深夜1時。
正確には、人間の手で生かされてるのでは?

自分で自主的に吸収・排出することはできなくとも
食べ物を中に入れられ、外に出される
いつの間にか忘れられ、いつまでも"そこ"にある
にんにくチューブや、刺身パックに付属していた醤油、しなしなの野菜たち、何が入ってるのかもわからないジップロックの袋、賞味期限の切れた焼肉のタレ、などなどは人間でいう脂肪だろうか

冷蔵庫って、不思議な家電だと思う。

1日に何度も開け、その度に私たちを明るい
照明で照らしてくれるが、閉めた後の暗闇を
見ることはできない。静かに冷蔵庫の中で
冷やされ、ただ未来の自分のために存在している
食べ物が眠る状態を知ることはできない

あした朝起きて冷蔵庫がなくなってたらどうしよう
私は三代欲求の一つを満たすことができないし、
炊飯器やテレビがなくなってる!より
冷蔵庫がなくなってる!の方が、ショックは
大きい気がする

冷蔵庫は私に食べ物を与え、生かすだけではない
冷蔵庫は私を眠らせてくれる。
忘れがちだが、
「明日生きるための食べ物が冷蔵庫にまぎれもなくある。私の命は潰えない。」
という安心感がないと、人は眠れない気がする
嫌なことがあっても、
"帰ったら冷蔵庫にケーキがある"ことで
救われる人間がたくさんいるはずだ

あした朝起きて、世界中の冷蔵庫が消えてたら
どのくらいのパニックになるだろうか。
そうなった時には、ぜひ、スーパーやコンビニも
一緒に消えてほしい。人はどうなるんだろう
「神様お願いします、冷蔵庫を戻してください」
と祈る日が来るんだろうか。ちょっと面白いかも

冷蔵庫を開けると、その人が見える
その人の暮らしが見える。性格が見える、
習慣が見える、考えが見える

snsをフォローして、随時チェックするより
その人のことを深く知れる気がする

ほんとうに冷蔵庫って不思議だと思う
やっぱり冷蔵庫って私と共に生きてるのでは?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?