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好きな(パンセの)断章発表ドラゴン

任意の好きなものを発表するドラゴンの動画が爆流行りしていた頃に私もやりたい!と替え歌作ったり音源作ったりしてたんですが、諸般の事情で完成の目処が立たなくなっちゃったので歌詞だけ供養します。

(偉大なるご本家様↓)


元の文章や補足を脚注で入れようと思ったら書式が対応してなかった。そんな馬鹿な。
出典の数字は岩波文庫版『パンセ』(塩川徹也訳)での断章番号です。 

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好きな(パンセの)断章発表ドラゴンが 
好きな(パンセの)断章を発表します
キマイラ 人生は夢
言語化 目隠しして崖に向かって走っていくやつ
ひと言で上手に言い表せない断章も好き好き大好き

 人間は何というキマイラだろう。何たる珍獣、何たる怪物、何たる混沌、何たる矛盾のすみか、何たる怪奇。万物の裁き手にして、卑しい地の虫けら、真理の受託者にして、不確実と誤の掃きだめ、宇宙の誉れにして屑物!

131

(…)なぜなら人生は一つの夢、夢よりはいささか手ごたえのある夢にすぎないのだから。

803

自然な語りが、ある情念あるいはその結果を描き出すとき、聞き手は、それまでは知らなかったけれど、聞いたことが真実であり、それが自分のうちにあることに気づく。こうして私たちは、それを感じさせてくれた人を愛する気持ちにさせられる。(…)

652

私たちは、目の前に何か目隠しを置いて、断崖が見えないようにしてから、平気でそこに駆け込んでいく。

166


好きな(パンセの)断章発表ドラゴンが 
好きな(パンセの)断章を発表します
(私への)愛着  「私」とは?
言語化 キリストに思い馳せてるやつ
『パンセ』に載ってないお祈りや手紙も好き好き大好き

ひとが私に愛着するのは、自らの意志で喜んでそうするとしても不正である。(…)

396

(…)もし私が、判断力や記憶力が優れているという理由で愛されるとして、この私はたしかに愛されているのか。否、私は自分を失うことなしに、これらの性質を失うことができるのだから。それでは、この〈私〉はどこにあるのか。体のうちにも、魂のうちにもないとしたら。そして体にせよ魂にせよ、その性質のためでなしに、どうしてそれを愛することができるのか。しかるにその性質は滅びゆくものである以上、〈私〉を形作るものではない。(…)だから人が愛されることは決してない、愛されるのは性質だけだ。

688

イエスは地上でただ一人だ。他に彼の苦しみを感じ、それを分かちもつものはおろか、それを知るものもない。そのことを知っているのは天と彼だけだ。
(…)
イエスは彼らがまだ眠っているのをご覧になる。彼らは、師を気遣い、自分たちを気遣っていても、眠らずにはいられないのだ。そこでイエスは、かたじけなくも彼らを起こさず、休んでいるままにしておかれる。

*7(一例)

『パンセ』に載ってないお祈りや手紙……「病の善用を神に求める祈り」、「父の死についての手紙」、「罪人の回心について」など


好きな(パンセの)断章発表ドラゴンが 
好きな(パンセの)断章を発表します
想像力 心の理由
絶望 だらしなくふんわりと死ぬやつ
前田・由木訳かな それって前田訳だね 訳の揺れ大好き
好きな断章がまた出てきたその時は 発表したい

これこそ、人間のうちなるあの支配的部分、あの誤りと偽りの親玉、いつも噓をつくとはかぎらないだけに、いっそう噓つきの親玉だ。(…)理性を信じさせ、疑わせ、否定させるのは想像力だ。感覚を停止したり働かせたりするのも想像力だ。(…)

44

心には、理性が知らない、それなりの理由がある。(…)

423

人間の盲目と悲惨を目にして、全宇宙が沈黙しているのを眺め、人間が光明も寄辺もなく、宇宙のこの片隅にあたかも迷い込んだかのように、誰によってここに置かれたのか、何をしにやってきたのか、死んだらどうなるのかを知らず、要するに何も知ることができないでいるのを眺めると、私は身の毛もよだつ思いに襲われる。(…)

198

だらしなく軟弱に死ぬことしか考えていない。(塩川訳)
だらしなくふんわりと死ぬことばかり考えている。(前田・由木訳)

680




おまけ 歌詞に入れられなかった断章を含むメモ
採用されたものといい、ワードが全体的に不穏

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