インナーチャイルドの声を聴こう①

〈まえがき〉

今が大事、これは本当。
でも、何かから逃げ続けていることに気づかない、潜在意識は呼んでいるのに、そこに向き合わないことを続けていると、そのうちにそれは形となって現れてきます。

障害とはいかないまでも、そこに繋がる要因にはなっていくと思います。
あなたは信じられないかもしれない。
私もかつてそうでした。
でも、実際に自分の身に起こってしまい、信じないわけにはいかなくなりました。

私は何年もかけて、自分のおかしな現象に向き合ってきました。
それは、記憶がなくなるという現象です。記憶がなくなるというのは、忘れるということでもあります。忘れると考えるなら、誰にでも起こる大したことのない現象だと言えると思います。そしてそれが大切な事なのだとしたら思い出すこともできるのではないでしょうか。でも私の場合は、未だに記憶が無いままです。

その記憶とは、自分が暴力を振るったという記憶です。お酒を飲んで酔って記憶を無くすとか、寝ぼけていて記憶が無いとか、それなら納得できるのですが、その時の私はシラフですし、私が暴れたと言われた前後の記憶はしっかりとあるのです。私は自分が暴力を振るったなんて信じたくなかったし、認めませんでした。しかし、それはそれで精神疾患として扱われることも嫌でした。そんな風に私は頑なに抵抗していたのですが、私の周りの問題は大きくなるばかりでした。私は恐ろしくて気が狂いそうでした。このままでは私は犯罪者になってしまうか精神病院に入れられてしまうのではないかと、毎日不安な日々を過ごしました。誰も助けてくれないのなら、自分で自分を守らなければと必死でした。
そんなある日、私はインナーチャイルドという言葉に出会いました。インナーチャイルドとは、幼少期などに耐えられなかったトラウマを解消するための考え方でした。その考え方に出会ったときに、私に起こっている不思議な現象はインナーチャイルドが関係しているかもしれないと思ったのです。
そして私の場合は、最初から自分でそれに気づいて行動したのではなく、後で振り返ったら無意識にちゃんとインナーチャイルドの声を聴こうと努力して行動していたのだと気づきました。
だからこそ、世の中のなんだかおかしな現象が、心の中のことが原因であるのかもしれないと思う様になったのです。

自分の中に、何か気になる芽が生えていると気づいた時に始めなければ、その芽はどんどん成長してもう摘み取ることはできなくなります。
でも、私もそうでしたが何かおかしい気がするけど、何がおかしいのかをはっきりと断定することは難しいです。
だからといって、焦って原因をこの芽が生えたからだ、これは悪い芽だと決めつけてそれを切り取ってしまったために、実際はその人にとって大切なものを消してしまったということもあると思います。

芽を摘み取ることとは、捨てることではありません、守ることです。
そこにいては苦しくなるから、場所を植え変えてあげなければならないのです。
悪い芽だと決めつけて、切り取って捨てても解決にはならないのです。
だって、根が残ってるから……

土を掘り起こして、根っこから優しく引き上げて、安心で安全な場所に植え変えてあげて、お水をあげて、辛抱強く成長を待つのです。
最初は本当に小さな小さな声なのです。
近づいて、声を耳で聴くだけではなく、触れたり、匂いを嗅いでみたりして、その芽が何を言っているのかを心の目で見て、感じるのです。

これは、私に生えてきた小さな芽の声を聴き、どうやってインナーチャイルドを見つけたのか、そしてどうやって私が成長したのかというお話です。

本編につづく……


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