見出し画像

櫨蝋(はぜろう)キャンドルの火に照らされた夏至の夜。


2021年6月21日。夏至の日。

クリスマスに友人からもらった櫨キャンドル手作りキットを取り出した。

画像1

夏至の日につくろうと思って、ずっととっておいたのだ。
このキットは松山櫨復活委員会という福岡県久留米市の櫨のある景観保全のために活動されている団体がつくったもの。

わたしにはあまり馴染みのない櫨という木ですが、九州では一般的な樹木のようです。ただ、時代とともに櫨産業は衰退し、製蝋業を営むところは全国でもかなり少なく、今や櫨蝋はとても貴重なものになってしまったようです。

キャンドルづくりを通して、まだ行ったことのない土地の木々の歴史や営みを知る。素敵な取り組みだなと思いました。


画像2

さて、早速つくってみます。まずは蝋燭の芯を立てるためのスタンドをつくります。

画像3

スタンドに芯を指し込んで

画像4

キャンドルホルダーに立てます。娘にも見せたくなって、ここから先は娘が帰って来てからにとっておくことにしました。

そして、今日は夏至なので、筑波山神社へお出かけすることに。

画像6

参道の入り口では可愛い黄色がお出迎え。

画像5

階段をどんどん上がっていくと、立派な茅の輪がありました。

画像7

夏越の払い。わたしも作法に則って輪をくぐり、参拝を済ませました。

画像8

こちらは帰る時の茅の輪。まるでワームホールを出入りするような不思議な感覚になります。夏至の日に輪をくぐるというのは日本だけでなく世界的にみられる風習なのだそうです。


爽やかな筑波山神社の風と別れを告げて、幼稚園のお迎えに急ぎます。

画像9

家へ帰って続きに取りかかります。試験官みたいな容器の中に櫨蝋を入れて、湯煎で溶かしていきます。

画像10

蝋が溶けるとメイプルシロップのような色に変わります。

画像11

溶けた蝋をキャンドルホルダーに注ぎます。

画像12

夕飯の支度と同時進行で、お湯がぬるくなったらあたため直す、を繰り返して完成させていきます。

画像13

夜が待ち遠しいね。

画像14

昨日は父の日だったので、今日はちょっと豪華にしようと思い、蝋が溶けるのを待ちながら色々とつくる。こちらはもろこしをたっぷり使ったコーンスープ。


画像15

こちらはシソジェノベーゼ。



夫が帰ってきて、いい感じに日が暮れてきたので、火を灯します。

画像17

画像17

放射状に広がる光がまるで太陽のようです。

画像18

疲れてご機嫌斜めの娘をなだめすかしながら、常陸野ネストビールで乾杯。
みんなみんな、毎日ほんとうにおつかれさま。櫨の光がお互いの影をやさしく映し出した夏至の夜でした。

生きていく場、暮らしの場、すべてがアトリエになりますように。いただいたサポートはアトリエ運営費として大事に活用させていただきます!