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『 愛 』 愛は 時として大きな感動を与え 愛は 時として小さなわたしをあっという間に壊してしまう けれど、求めてやまず けれど、避けて止まず、 行ったり来たりしながらも 今 受け取れる分だけを 精一杯 心のまんなかで受け止めてみよう 愛は 時として大きな感動を与え 愛は 時として小さなわたしをあっという間に壊してしまう けれど 心で受け止めた愛は、そのまま創造の力となって 体の隅々まで広がっていって この身がたとえ なくなったとしても 決して消えることのない
『 衝動 』 ぼくの はらへ むねへ そしてのどへ 形にならない動きが突き上がってきて ぼくがぼくである理由を 問うて去ってゆく
『肌をひらく風』 わたしにはあなたが見えない でも、あなたの香りがするのがわかる わたしにはわたしが見えない でも、わたしの香りがするのがわかる 目を閉じて、耳を澄ます やさしい風の音がする 耳を閉じて、肌を澄ます やさしい風がわたしの肌を撫でる 風はわたしの隅々までを撫で 肌がひらかせる 今まで感じとれらなかった全てが わたしの中に流れてくる わたしは再び目を開ける 相変わらず、あなたの姿は見えない 相変わらず、わたしの姿も見えない けれど、わかる わた
『 丹力 』 頭の上では、東風と北風がたたかっている 新しい風と古い風がたたかっている 守る力と切り開く力を 等しくみよ そのはざまで、動かぬ丹力を練り上げよ
『ノック』 もうちょっと ここにいたい もうちょっと こうしていたい けれど、どこからかノックをする音がする その音は わたしのことを 呼んでいる もうちょっと ここにいたい もうちょっと この温もりの中にいたい もうちょっと この色の中にいたい もうちょっと もうちょっと もうちょっと… もうちょっと、を味わっていると ある時からそれは、もうすぐだよに変わっていく 嬉しいような 切ないような きっとその音はわたしにしか聞こえない
『きらきら』 きらきら きらきら 静かにしていると、心の中の星の瞬きが聞こえる。 きらきら きらきら その星々は、今年出会った、今まで出会った、いろんなこと。 きらきら きらきら その全てがたいせつで、その全てが愛おしくて きらきら きらきら この音なき音と、今ひとたび、一緒になっていたいのだ。
『 命 』 闇に抱かれて、 わたしは自分の中の熱に気がつく 闇に抱かれて、 わたしは自分の中の灯に気がつく 耳を澄ませると、 そこからトクントクンと生命の音がする もっと耳を澄ませていくと、 今度はその音はわたしの全体を包み、 新しい命を紡ぎ出す
『 闇 』 闇は、わたしの全てを隠してしまう 闇は、わたしの全てを晒してしまう 闇は、時に わたしを傷つける 闇は、時に わたしを救ってくれる 闇は、敵でありながら 闇は、友人でもある 門のすき間から漏れ出てくる音に 耳を塞いでしまいたい時もあれば、 耳を貸せる時もある 闇は怖い けれど、闇の中で動きを止めて、 周りが動くのに少し任せる勇気がある時は、 今まで全くみたことのない色が 見えてくることがある
『mirrors』 横へ横へ広がる大地に ツンと背伸びした小さな結晶が編み込まれていく ザクリザクリ それは太陽の高い時には出会うことが叶わない 永遠性の輝き ザクリザクリ 気をつけて さもないと踏みつけてしまう チラリチラリ 永遠に続く結晶の鏡の中をのぞく すると、 誰かがわたしに語りかけた さぁ、大事なものはこの中へ じきに冬がやってきますよ、と
『 核 』 寒さが わたしの熱を内側に閉じ込める。 外側のチリチリとした熱を禊ぎ、 わたしを内側の核へと向かわせる。
『あたたかい あったかい』 わたしの足元を支えていた大地が わたしの全てを包みこむ。 あたたかい。 自分が燃えることに必死になっていたときは 気がつかなかった、このぬくもり。 あったかい あたたかい あったかい。 あたたかい あったかい あたたかい。
『わたしがいてあなたがいる』 根っこでつながっていることは知っていても どこか不安だった けれど、太陽の熱がひき 自分の姿がはっきり見えてくるようになると 相手の姿も見えてきた ほんとうはずっと、そばにいたんだ ほんとうはずっと、わたしは一人ではなかったんだ
血の道が冷え、 昔いた海へとかえっていく。 ただいま おかえり もう十分にやったかい? 心残りはないですか? どんな旅をしてきたの? 聞かせてほしい。
『花火』 夜のとばりが下がり、 太陽の熱のなごりが闇につかまる。 そして花が咲いた。 夜の花の命は短い。 けれど、色とりどりの花びらは ちり際に、色の秘密を公然と語る。 色は光から生まれるのではない。 色は、光と闇の その間から生まれてくるのだよ、と。 * 娘が描いた絵。宇宙人さんかな? 今年の立秋は素敵なことが起こりそう。