中日ドラゴンズは同率の最下位に陥落。原因と今後の見込み

序盤は首位に立ったドラゴンズだが交流戦を追えて同率最下位に転落した。主な原因は下記の4点
1去年の9月前辺りから始まった打撃不振の岡林を立浪監督が重用した
2木下と宇佐見が同時に不振、石橋が安定せずキャッチャーに穴があった
3コンディション不良の中田を優先起用した監督の起用
4柳と梅津とメヒアの調子のムラが激しい

1センター問題

上記で細川は大丈夫だが岡林のスイングが気に入らないと予想しているが、筆者の懸念が大爆発した。外角のボールをレフト前に運ぶ力が激減しており岡林はインサイド以外は全く打てない打者に成り下がってしまった。岡林が今季中に復活するか、来季以降も活躍できるかは全く不明。全てをやり直す必要がある

結果を残す、残した選手を信頼して使い続ける立浪監督も岡林に代打を送り堪忍袋の緒がブチ切れた可能性がある。立浪監督は控えの選手に活躍の場を与えるため無駄に選手を使いすぎる気遣いの人だが見切った後は冷淡に対応するケースが多かった。交流戦の最後に代打を送る起用で岡林の優先起用が終了したならドラゴンズは後半戦に可能性を残す。岡林の状態が上がる事を信じて立浪監督が岡林を起用し続ければ、ドラゴンズの未来は岡林次第だ。この未来でAクラスに入る確率は低いと予想するが果たして

現状の岡林に代わるセンターはカリステであるべきで、カリステを休ませる選手は上林が筆頭。ブライトは調子のムラが激しすぎて良い時の100打席を厳選しないと数字が残せそうになく、濱も同様である

2キャッチャー問題

キャッチャー問題は宇佐見が復調した事で守備は満足できないが、総合的に及第点まで戻った。またパフォーマンスが急激に低下した木下が復調するか石橋の送球が安定すれば盤石に近づくが、宇佐見の状態次第では再び問題が発生する可能性を秘めている

3ファースト問題

2年前の中田は1年を通じて殆どOPS.800を打てる選手だったが、昨年は好調ならOPS1.0越え、通常.800前後、不調時は.500台。年齢的にも1年フルに使う選手ではない。中田のコンディションが交流戦の予備日で戻っていることに期待したいが、故障の影響で交流戦中盤での昇格は時期尚早だった。石川に賭けつつビシエドをサブで起用し万全の中田が戻るのを待つべきだったが、監督と和田コーチの選手運用が下手すぎた。なんのための選手層か…

4先発の選手層問題

柳とメヒアと梅津の調子のムラが激しい。にもかかわらず相手のエースではなくローテの谷間の投手にぶつけている。5番手6番手の投手で相手エースに勝つなら5勝10敗だろうと評価されるべきである。1番手2番手が相手の谷間から15勝5敗すればトータルで大きなプラスになる。高橋や小笠原や涌井で勝つ確率を高めるなどの工夫が欲しい

隔年投手の柳が例年通りに活躍しない年に当たり残念ながら正攻法で勝てるほど現状の戦力は充実してない。上手くやれば貯金が作れる勝率5割前後の強くも弱くもないチームにすぎない

個人的な意見

ビシエド

ビシエドが打てなくなって2年が経ち、ビシエド派閥と立浪派閥による誹謗中傷合戦は今季一杯で終幕を迎えそうだ。ビシエドは打てるコースのボールを徹底的に打つタイプのバッターで、打てないコースのボールは打てない

だからチャンスの場面も苦手なコースをきっちり攻めると凡退、失投すればビシエドは打つ。大事な場面ほど打たないように見えるのは大事な場面ほど一流投手が全力で投げることが多いから。勝つ試合のダメ押し打が多いのも一流半の投手が投げていることが多いからである。チャンスに弱いのでなく打てないコースが打てない確率が高く、打てるコースは打てる確率が高い。打てるコースに来るかは投手のレベル次第、それだけの話だ。とにかく腕が伸びて良いポイントで打てる場所が減ったことが成績低下の原因で、ここを改善しないことには打つようにはならない。2軍では甘いボールが多いのでビシエドは打つが、1軍では真ん中の雑な剛速球も打てず昔の頼れる主砲のビシエドはもう居ない。今季初HRも彼が今得意にしている外角高めだった

野手

固定すべき選手は細川とカリステだけであり他は日替わり打線で戦うべき。左翼の基本線は福永で右投手の時は1番に大島でローテしたい。センターはカリステを中心に据え、疲れたら上林を使えばよい。もちろん岡林が調子を取り戻せばカリステも含め細川以外の8ポジションを日替わり打線で戦えば良い

ディカーソンは1発が欲しい2アウト、四死球でも出塁が欲しいノーアウトで右投手相手なら代打の切り札になれる。先発は右のアンダーハンドやサイドスロー時だけで良い。福永のvs左OPSは0.9超であり、ディカーソン先発時は補完関係で使いやすい

内野で二遊間は村松が予想通りにバテて成績を落としてしまったが、村松と田中とロドリゲスと龍空でローテさせて山本や板山を上手くサブで活用するべきだろう。三塁と一塁は高橋、中田、石川を基本にサブで板山を起用するのがベスト。中田や石川が不調の時にビシエドが不調でなければビシエドを起用するべき。個人的な理想は下記

1福永or大島レフト
2カリステ センター
3細川 ライト
4/5中田・石川・高橋・板山・(ビシエド≒2軍) ファースト・サード
6宇佐見 ・(木下/石橋) キャッチャー
7/8 村松・田中・山本・ロドリゲス・龍空 セカンド・ショート
9 ピッチャー
控え捕手 加藤・木下・石橋・山浅から2名
控え内野手 村松・田中・山本・板山・石川・高橋・中田から3名
控え外野手 上林・岡林・大島・ディカーソンから3名
代打 ディカーソン・中田・石川・高橋・板山・大島・山本
代走 岡林・田中・上林

岡林の調子が戻れば1/2番に起用。カリステをレフト、ファースト、サードの便利屋にする。ディカーソンの先発時はセカンドかショートを1番に抜擢してディカーソンは7番か8番に置く。外野がファイヤーフォーメーションになる点は岡林が調子を取り戻すまでは仕方ない。打てない投手が9番に座るセ・リーグでは2~5番に打てる選手を並べ4回中2回ほど点が取れれば良い。中心の2~5番である程度は固定し、残る選手は調子と相手に合わせて選手を日替わりで使っていってほしいところ

投手

中継ぎ陣は盤石。高橋宏斗は大エース。小笠原も勝ち運に恵まれない中ではギリギリ頑張っている。涌井は安定していて松葉も期待通りの働きである。柳は隔年投手で梅津はポテンシャルを発揮できておらずメヒアはこんなもんでしょう。個人的に起用を増やして欲しいのは松葉くらい

今オフに小笠原がメジャーに挑戦するならライデル・マルティネスを先発に転向させビシエドマネーを全部彼に回してしまえば良い。清水、勝野、松山など出力を高めて抑える投手は先発に向かない。ライデル・マルティネスは力をセーブして抑えられる数少ない中継ぎなので来季は先発が見たい所だ。もっとも先発で結果を残せばいよいよメジャーリーグも黙っていないだろう

監督

今季はチームが不振になっても、週2勝4敗で踏みとどまる力が身に付いた。昨季と違って一気に終戦しなかったのは戦力の増加が大きい。西武のような高齢で打てない打線まで待ったなしの状況を期待の若手が複数いる状態まで持ち込んだ点は評価されるべきだろう。目先のシーズンを考えず、長い目で見て若手に出場機会を増やして中堅を切った点は内野手の大改革に繋がり、選手の年齢構成的に過渡期の中で一定の成果をあげたように見える

また立浪スカウトがスカウト陣の意向を無視した2022年のドラフトは一定の成果を生み、ドミニカから発掘したカリステは便利屋としてセンター不在の窮地を救う活躍した。ここにA・マルティネスの退団がなければ細川の後ろが固まり、打線はなんとかなっていた可能性は高い

一方で監督の采配は進歩がなく、終盤に控え選手を大量に使って勝つ確率を引き下げた。懲罰の2軍落ちで不振の中田と心中の環境を作る点や目先の1勝を追いかける起用は大きな疑問符が残った。優秀な野球人だが、優秀な監督ではなさそうだ

いずれにせよ立浪監督にとって評価を覆す最後のチャンス。ラストチャンスなんだから外野の声を気にせず、借金10まで好きなように采配してほしい。中田や岡林への固執は立浪監督の失敗だったが、周囲の声が推した村松1番起用もまた失敗だったように私を含め素人ファンの声が正しい訳ではない。所詮2軍は2軍に過ぎず、下位打線と上位打線では結果の出しやすさも違う。自分の目を信じて采配を振るって下さい

ただ今のチームは強くもないが、西武と違って弱くもない。やり方次第では十分Aクラスまで狙える戦力が揃っている。もし借金10を超えれば立浪監督の休養が必要になるでしょう

立浪監督の退任≒落合英二2軍投手コーチの退任であり、大塚コーチの去就も和田コーチの去就も定かではない。落合コーチと大塚コーチは投手育成では優秀で残留させたかった。また立浪監督と同じ基本の押し売り系打撃コーチに見える和田コーチの2年の積み重ねがリセットされるのは勿体ない

それでも監督就任時に比べて改善された戦力で現在の内容は評価しにくい。基本路線は監督は契約満了で退任、次の監督にバトンタッチが理想だろう。個人的には米村チーフスカウトと交代で立浪監督のスカウト部長への転身と現コーチ陣の留任で井端監督の就任を見てみたいが、果たしてどうなるか

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