2024セリーグ大予想。ドラゴンズは久しぶりのクライマックスシリーズ進出なるか


昨季の振り返り

阪神が交流戦を除きセリーグ全チームに勝ち越して優勝

昨季は阪神の独走で優勝。広島は巨人を相手に作った貯金9、DeNAは中日を相手に作った貯金8で上位に進出した。巨人は阪神と広島に作った借金21を上位以外から貯金22を稼いで完済。ヤクルトと中日は巨人と阪神とDeNAで借金23と20。直接対決の差で中日が最下位となった

今季も中心は阪神。投手陣の整備が進む巨人が2位に進出すると予想する。残る4チームで3位を争う形になると予想するが、今永とバウアーの抜けたDeNAの投手力、西川と外国人シャッフルの広島の打力が落ち、ヤクルトと中日が上がって混戦と予想する

ドラゴンズは巨人とDeNAには打たれる上に抑えられずに大きく負け越し。対DeNA戦はOPS.551で25試合50得点と平均2点の奇跡的な打力。巨人戦もOPS.591。確かに監督の起用には理解できない交代も目立つが、野手采配は監督の手腕云々の前に戦力が足りない

OPS・得点と先発・中継ぎ・チーム防御率

表の通りドラゴンズは他5球団に比べ得点力で約130点、つまり約1試合1点も劣る。今年もリーグ最低の得点力になる可能性は高いが、440得点前後なら目指せるチーム力になっていると筆者は予想する。なぜなら昨季は不調でもレギュラーの選手を使わないといけない薄い選手層が改善されたから

投手陣も昨季はマルティネスと藤嶋と松山、柳と高橋の5人が素晴らしく、勝野と齋藤が頑張った。しかし残る7枠ほどは他球団と大差ない。選手層の問題は投手にも共通していた。小笠原は日本代表戦の2月末はピークに近い出来も、オールスター後にはバテていた。昨季のドラゴンズ投手陣は球場の補正を考えると優れてると言いきれなかった。今年は梅津と大野が故障から復帰し、メヒアが開幕から健在。根尾の成長もあって阪神に迫る力がついてきた

今季の予想

優勝の本命は阪神。対抗は外野と中継ぎ次第の巨人。2球団vs4球団の構図になると予想していたが、思っていたより混戦になると予想する。優勝の穴はDeNA。筒香など今後の補強次第でDeNAが上位に進出する可能性は上がる。一方で投手の層が薄く2軍の投手陣は崩れる可能性が高く、順位が読めない

中日は投手力が盤石で崩れる可能性は低いが、内野手がどんぐりの背比べ。昨年も得点力の低い広島相手は善戦したように、リードして終盤を迎えれば12球団最高レベルの勝ちパターンで逃げ切れた。打力が少し上がり、先発が改善する今季は3位を争えるが、打力の影響から優勝は考えられない。3位か4位になる可能性が高く、上位進出も最下位に沈む事も考えにくい

広島は西川の退団に加えて外国人を全員入れ替えたため、計算できる戦力が1000打席以上も抜けた。高齢化が進む野手陣を休ませられる選手層が失った影響は大きいと見る。投手陣も去年頑張った反動が出てもおかしくない

ヤクルトは先発の質が低すぎる。打力でカバーするには塩見のフル稼働など不確定な要素に頼った部分が大きい。爆発すれば優勝する可能性もあるが、戦力的に劣る印象。いつも通り上位か下位の両極端な成績が多いチームだ。次に6球団の戦力が昨季と今季でどう変わるか編成を見る

ヤクルト

先発ローテ

23小川/サイスニード20高橋
14小澤12石川11吉村
6ロドリゲス5高梨/山野
-18ピータース-3市川
+ヤフーレ/宮川/西舘

他球団の3番手ぐらいの感覚の小川とサイスニードが主力で高橋以外に柱がない状況から先発数4位でイニング数5位のピータースが退団した。奥川次第で一気に変わるが、2軍で結果を残す先発も吉村と山野だけ。新人や新外人に加え現役ドラフトで西武から得た宮川の活躍が頼みでは厳しい。他球団に比べて明らかに劣る。ここから更に小川と奥川は開幕に間に合わなかった

ヤフーレのカーブとチェンジアップは優れるが先発時の直球は145km/h程度が中央値。日本の投手と比べても馬力が並。中継ぎ時には平均して150㎞/hぐらい出てたが、中継ぎはさほど困ってない

中継ぎ・抑え

56清水/木澤50田口/石山47星46大西42山本
26今野21丸山
13阪口10高梨/尾仲
-5梅野/久保-3成田/エスピナル
+エスパーダ

こちらはケラやエスピナルなどコケた外国人や結果を残せなかった戦力外と過去に活躍した梅野の退団のみ。石山が高齢化するも大勢には影響がない。主力の50登板が続いて成績を落とし気味である点は気がかりだが、他球団の平均と差がない陣容。エスパーダは四球が多く曲がりの大きいスライダーを見極められると苦しいかも

投手総括

PFを考えると先発は他球団に比べて明らかに劣るが、中継ぎはむしろ良い。課題は先発の層が薄すぎる事。奥川や高橋が最高の投球を取り戻し、吉村と小澤の成長がないと差は埋まらない

野手総括

村上とサンタナとオスナはある程度の成績が計算できる。塩見次第で打線の迫力は激変する。山田の成績が下降線で青木が年齢的に限界が近く、長岡の打力も期待薄。山田の控えは未だ居らず、外野の1枠を誰が埋めるかも注目

597村上3B 543オスナ1B 516サンタナRF 488長岡SS 422山田2B
376中村C 276濱田OF 269内山C/OF 264青木LF
209塩見CF 178武岡SS 174並木OF 153山崎OF 123宮本IF/LF
106丸山OF 105川端PH 80古賀C

巨人

先発ローテ

24戸郷23山崎20グリフィン
16横川16メンデス14菅野12赤星
4井上3高橋/松井
-6ビーディ
+森田/又木/高橋礼

先発の穴で中継ぎに回ったビーディが退団。山崎は1年間ローテを守り、8月以降は赤星が成長。戸郷とグリフィンとメンデスに菅野が控えて何とか形になりそう。森田と又木は即戦力として面白そうな投手

森田は決め球と出力に乏しく中継ぎは不向きだが、7回で自責3防御率4前後の成績を残しそう。又木は出力が高くカーブ?も面白く制球が少し荒れる。
中継ぎなら50登板で防御率2点台後半もあり得るだろう

中継ぎ・抑え

55高梨50菊池44中川
36船迫33鈴木32大江30田中千27大勢
23今村21バルドナード16直江15田中豊
-22三上-13鍵谷-8ロペス-5鍬原
+ケラー/馬場/西舘/近藤/泉

ドラゴンズ打線ですら終盤1~2点差の勝負まで期待が持てた奇跡の中継ぎ。勝ちパターンが作れず隙が無い阪神と広島に大きな借金を作った。テコ入れとして馬場やケラーに加えて過去に実績がある近藤や泉も獲得

新人の西舘の良い球は素晴らしいが甘い球もまだまだ多く、即戦力扱いして中継ぎで春から使うのは勿体なく感じた。絶対的な中心投手は今年も不在。ここがコケると去年の二の舞となる

投手総括

先発は形になったが、中継ぎは新人の西舘や阪神の戦力外組が頼りの心細い状況は変わらず。ただバルナードのフル稼働、馬場やケラー獲得で少し向上すると思われる。大勢の穴を西舘である程度は埋めたいが1年目から3連投で故障した大勢の二の舞は避けたい所だろう

野手総括

外野手と捕手の守備に不満は残るが、野手の能力ではリーグ1位を争える。去年に比べ中田とウォーカーの退団で選手層は落ちたが、門脇や浅野、萩尾に泉口など期待の若手も控える。坂本や丸の衰え、岡本のメジャー挑戦など未来に不安な点も残り完璧とは言えないが、全体を通せば満足な水準です。佐々木はスイングがかなり大回りに見え、プロの直球に差し込まれる予想もOP戦は局面に応じた打撃もしていた。活躍する選手は1年目のキャンプに穴があっても徐々に修正してくる。彼や松原でセンターが固まってくれば野手唯一の穴が埋まって優勝の可能性が高まる

589岡本1B 490大城C 478吉川2B 455坂本3B 439秋広LF 431丸RF
348門脇SS 291梶谷CF
176長野RF 147中山2B 127オコエCF 72岸田C 52岡田RF
-294ブリンソンCF -288中田1B -120ウォーカーLF

順位予想

Aクラスに入る確率が阪神に次いで高く2位の本命。岡本と坂本と大城が計算でき、中田とブリンソンとウォーカーを失い選手層は落ちた。外野手は丸と梶谷が高齢化しており、佐々木、松原、萩尾、浅野の成長が必須。選手層が唯一の課題である内野手には良いと思った泉口が加入。ネックの中継ぎ次第ではまさかの転落もあり得るが、4球団よりは戦力が揃っている

DeNA

先発ローテ

24東23石田
13大貫/濱口11平良
2坂本
-22今永-19?バウアー?-13ガゼルマン-2笠原
+ジャクソン/ケイ?

今永とガゼルマンが退団。バウアーは去就不明。東は2年連続でフル稼働の経験はなく170イニング投げた。ただ球数は2300球しか投げておらず、昨季から本格派を捨て技巧派へ転身したこともあって今季も計算できるはずだ。他に計算が立つのは石田と大貫と濱口ぐらい。新外国人頼みになる

ジャクソンは直球とカーブが良い。チェンジアップは失投も多そうだが切れは良くてスライダーはあまりよく見えない。ケイは直球とスライダーが良くチェンジアップもまあまあ。2人ともコントロール次第で活躍できそう

2軍ではイニングを食っていた投手が大量に流出しており、狙いが不明だ。2023年の春から夏にかけてドラゴンズ2軍で起きた投手崩壊が迫っている。ジャクソンは先発とリリーフの便利屋でケイが先発を主に勤めたのは2021年まで。投手の層には相当な不安が残り、笠原を出す余裕があったのか。故障など想定外が起きると1軍まで影響が及ぶ危険がある

中継ぎ・抑え

61ウェンデルケン58伊勢49山崎46森原45上茶谷
32入江28石川27三嶋
11坂本/宮城9中川
-40エスコバー-11田中
+ウィック/ケイ?

ウェンデルケンと伊勢は良いが、上茶谷と森原は2年連続して稼働した経験がない。石川や入江の成績が向上には期待がかかるが、ここ4年安定しない山崎の復活がないと層が薄い。ウィックは直球もカットもナックルカーブも良い球を投げるが制球が大雑把。特にライズ軌道の直球はハマれば厄介だし見送られてカウントが取れないと苦しくなる

投手総括

バウアー退団なら735イニング分の投手が退団。2軍で230イニングを投げた投手を補充しているが、新人5人(うち2人高卒)と新外国人で500イニング分も埋まるのだろうか…新外国人はどれもコントロール次第で活躍しそうだが、外国人枠の影響で最大3人しか使えない

先発で起用していた阪口も直近の遊撃手の穴を埋めるためトレードで放出。高卒2~4年目に経験させる狙いなのか、2軍をどう運用するか心配である。初の2軍専用チームからシーズン途中の獲得で話題を集める計算ですかね。先発も中継ぎも戦力が計算通りフル稼働しないと選手層に不安が大きい

野手総括

毎年400~500打席でOPS.8前後を稼いだソトの退団は痛い。佐野と牧と宮崎に次ぐ4本柱の一角が削がれる。桑原と関根は最低限の数字は残すが、ソトの数字を埋める力はない。契約最終年のオースティンの稼働率次第だろう。捕手は山本/戸柱/伊藤の3枚で問題なく、将来は松尾が楽しみだ

613佐野 1B/LF 605牧2B 532関根OF 479桑原CF 461宮崎3B
287京田SS 230大和SS
200山本C 186大田RF 181戸柱C 176伊藤C 176楠本OF 154林SS
-399ソト

チームの穴だった遊撃手と外野手の一席に石上と度会がハマれば未来が一気に明るく開けてくる。2軍で活躍する梶原にも期待がかかる

順位予想

外国人次第で全て噛み合えば優勝もある。先発投手の駒不足は否めないが、1軍は運用できるだろう。問題は中継ぎ陣と2軍の投手陣だ。投手陣から長期離脱する選手が出たり、新外国人がイニングを稼げないと最下位もありえる

広島

先発ローテ

26九里23大瀬良/床田20森下
10森9玉村8遠藤/コルニエル6野村
3黒原1河野
-アンダーソン-6
+常廣/高/赤塚
先発5/6番手が不在でもリーグ2番目に貧打のチームで2位と躍進した。森と黒原と小林と遠藤が本格化すれば投手力は更に改善が期待できる。選手層が薄かった所に森下の離脱は痛い。この穴を埋める投手が出ないと苦しいか

中継ぎ・抑え

62島内55栗林54矢崎48大道
35中崎24ケムナ/戸根
14アドゥワ13森浦/松本8益田/塹江7河野

-44ターリー/-15アンダーソン-5中村祐-3薮田-1一岡
+ハーン/ハッチ/滝田

WBCで離脱した栗林がシーズン前半に不調も起用でカバーした。素晴らしい成績を残していたターリーとアンダーソンが退団。新加入のハーンもハッチも良い投手に見えるが、比較対象が良いだけに上積みは難しい

島内もフル稼働の反動、久しぶりに復活の中崎が継続できるか不安は残る。ただ森浦の復活や2年目の益田も可能性があり、敗戦処理と勝ちパターンの起用が明確な上手い起用をするので十分に戦える

投手総括

リーグ4位だった防御率は先発の改善が期待される。中継ぎで貯金を作ったチームなだけにターリーとアンダーソンの貯金9が消えるのがどうなるか。ハーンとハッチがコケると数字は良くなっても勝ちに繋がらない可能性も

野手総括

新人監督とは思えない戦力を活かした起用で勝ち上がったが、今季は西川とデビッドソンとマクブルームが退団。総打席の20%超の選手が退団。野手の高齢化も進んで菊池と秋山に若干の不安はある。6月以降の秋山は276打席でOPS.546に過ぎない。末包と田村にかかる期待は大きい

485菊池2B 483秋山CF 448坂倉C 418野間RF/CF
306小園SS 284堂林1B/LF 276上本IF 253田中SS/3B
156松山1B/PH 146末包RF 146矢野SS 133曾澤C 
-443西川LF -381デビッドソン3B -259マクブルーム1B 

新外国人のシャイナーは外角の右打ちは非常に上手い。内角は抜けた変化球を打つ以外にヒットゾーンが小さく、穴があるように見えた。レイノルズも映像やsavantのデータを見る限り真ん中のボールを逆方向に長打を飛ばせるのが特徴で弱点は多そうだった。どれだけ日本の野球に対応できるだろうか

順位予想

投打ともに不安はある。出力的には新人No.1の常廣を獲得したが、森下ほどの完成度はない。中継ぎの疲労が読めず、ターリーとアンダーソンの退団は痛かった。投手のハーンとハッチは良さそうに思えるが、野手のシャイナーとレイノルズは共に弱点がありそう。何処まで日本の野球に適応できるかにかかっている。打席数にして1100打席近くの戦力が抜けており、若手野手は1年を通じてレギュラーになった選手は居ない。3位~6位の可能性が高く、今季も躍進するなら巨人とDeNAが揃ってズッコケているときだろう

阪神

先発ローテ

21伊藤/村上/大竹18才木/西(勇)/青柳
11西(純)
6ビーズリー2秋山/富田1門別
-1馬場
+下村/津田

最も投げた伊藤すら2146球。先発陣は村上と大竹がオフに遊び呆けない限り何一つ不安がない。4本柱すら余力残しで圧勝。中日ファン的に言えば青柳と秋山と富田で得た4勝がないと5勝15敗なんだが?と怒りたくなる陣容だ。つけ入る隙がない

中継ぎ・抑え

60岩崎51加治屋50岩貞44石井
35島本32及川30浜地25切敷
15湯浅
-27ケラー-18馬場-13ブルワー-12ビーズリー(先発転向?)
+ゲラ/椎葉/石黒

こちらも直近は問題ない。岩崎、加治屋、岩貞、島本と30代に入った中継ぎが多く将来は分からないが先発で通用しない選手を回していけば問題ない。抑えの湯浅がWBCの影響でダメでも揺るがないって強すぎませんかね…

新外国人のゲラも四死球が多くてMLBでの成績は悪いが良い時の球を見ると何故あなたがNPBへ?という凄い球を投げる投手。椎葉も同様のタイプ。坂本のキャッチングで彼等まで戦力になったら勝ち目がない

投手総括

制球の良い投手を取って2軍で身体を大きくして自信を付けさせて1軍に回すスカウトと育成の両方が優秀。そりゃ堅実な野球すれば優勝しますわな…

野手総括

穴は左翼手だけ。その左翼も前川や井坪などで埋まる可能性がある。阪神の1強時代はもう少し続きそうだ。坂本と左翼手が打てない以外は平均以上の打者が揃う。開幕時は安牌だった森下が進化して平均レベルになった影響で1~5番に良い選手が揃った。5番までで点を取るため坂本を7番に置き、8番に出塁を求めた監督も賢い

660中野2B 625大山1B 585近本CF 548佐藤輝3B 516ノイジーLF 470木浪SS
377森下RF 289坂本C 251梅野C
143ミエセスRF 121島田OF 107前川RF
91小幡SS 85渡辺3B 83糸原3B 83小野寺OF 56原口PH

坂本、中野、木浪と小幡でセンターラインが固い。大山が上手いので三塁の佐藤はアレだが崩れそうにない

順位予想

80%超の確率で2連覇と予想。監督は堅実な野球を好み、堅実な野球で勝てる投手力がある。打線は近本と中野が出来過ぎだったとはいえ、両翼の打力が上がる可能性を考えると穴埋めは可能。主力野手の故障と中継ぎの状態だけ少しの不安はあるが、中継ぎは湯浅が戻り新戦力の台頭に期待もある

対戦成績を予想する

対ヤクルト戦

アキーノを外せなかった4月ハンデ戦に1勝4敗で残り10勝10敗。苦手とする塩見が25試合中7試合しか出場しなかった。塩見と奥川の稼働率によっては成績が下がる恐れもある。エース級の投手は少ないので接戦をものにし貯金を稼ぎたい。予想は14勝10敗1分

対巨人戦

5月上旬まで6勝3敗で特にビーディと本格化前の赤星で各2勝が大きかった。その後1勝11敗1分の後、最後の3戦で2勝1敗。来季はDeNA以上に怖い存在。戸郷とメンデスからは1点も取れず、菅野からも1得点。3人から8試合1点。山崎やグリフィンも打てておらず終盤は成長した赤星にも抑えられた

投手陣は抑えたが、勝負所で大城、中田、岡本、坂本に1発を浴びて負けるケースが多すぎた。後は無駄な四球も多すぎた。予想は10勝15敗

対DeNA戦

東に3敗、今永に2勝3敗、バウアーに1勝3敗1分で3勝9敗1分。4番手以降から5勝7敗。昨季はアキーノというハンデを抱えた4月の5連敗が痛恨。5月以降20戦8勝11敗1分で3本柱を除けば5勝4敗と勝ち越し。借金8は減らせるはずだ

50得点に対して98失点のダブルスコアながら1点差で6勝した事もあり8勝。守備面でも苦手なソトの退団は大きい。宮崎、牧、佐野の3本柱に打たれるのは仕方がないので前後を上手く抑えたい。対戦成績は13勝11敗1分~10勝15敗

対広島戦

九里に2勝5敗、森下に2勝2敗、床田に2敗で4勝9敗。4番手以降から8勝3敗で5分の成績。今季は4番手以降の投手が良くなる見込みで不安もあるが阪神を相手にもロースコア勝負に持ち込めば勝ちは拾えている。力の劣る投手から確実に勝ちを拾えるローテを組みたい。予想は14勝10敗1分

対阪神戦

伊藤に1勝2敗、村上に1勝3敗、大竹に1勝1敗、才木に2勝1分1敗で4本柱相手に5勝7敗1分。他で4勝8敗。昨季は誰がどう見ても4本柱に劣るW西に0勝7敗と負けたのが痛かった。西から2回6-0ながらヘボ継投で星を落とした初戦も痛かったが、残りの6試合12得点では話にならない。予想は9勝14敗2分

最終総括

というわけで交流戦も含め勝率は5割前後と予想する。細川の成績が沈めば確実にBクラス。ただ去年と同じくらいは打つはずだ。岡林の新スイングが個人的に気に入らず、今季は少しだけ不安がある。三好やブライトも含めた総力戦で乗り切りたい

石川もスイングスピードの中央値を上げる取り組みは正しい。7月だけは4番の活躍が出来たので近い水準を維持できるかがカギとなる。彼が筒香のように5年目の開花となれば上位進出は濃厚だ

龍空の守備は打球への反応、タッチプレーなど球界トップレベルだ。しかし守備で10点を防いでも得点を10以上も減らすならチームの為にはならない。彼の成長と村松に期待したい。田中とロドリゲスと二遊間も総力戦である。後半戦に龍空と辻本が2軍から合流する展開に期待したい

投手は選手層が薄くパークファクターを加味すると優秀とはとても言えない選手が一軍に数多く居たが、今季から大幅に質が上がる。今季の戦力で3位以上が濃厚とは言えないが、この投手力で最下位になれば監督解任は必至。3位以上になっても無条件で続投とは言い難い。上位を目指すチームの土台を作った点は評価するべきだが、戦える戦力が揃ったなら再建期向きの監督から勝てる監督にシフトする必要がある

未来への期待が膨らむ?ドラゴンズ

立浪監督は昨年の新人野手が活躍してチームを救う想定ではなかったはず。新人の起用で二塁手の打撃成績が落ちても、大島と岡林に次ぐ外野手が出て穴が埋まり投手力で勝負する想定だったと私は予想する。大島とビシエドの不振で昨季は実現できなかった監督の構想が実現できるはずの今季から成績は100%立浪監督の責任と言えるだろう

2013年から2021年までのドラゴンズは酷い有様だった。

立浪監督の見切りによって驚異的な若返りを図ったドラゴンズ野手陣

以前も記載したが、2021年のドラゴンズは殆どの主力が30代。20代は京田と高橋周平のみで全く打てないチームだった。1980年代後半に生まれた世代が衰えていたのに中堅はその壁すら超える事ができなかった

1988年~1992年生まれの世代を大学/社会人で指名しすぎた反動で空洞化した1993~1998年世代
主力になるべき黄色網掛けの6世代で支配下指名は僅か8人、上位指名は周平と京田だけの欠陥編成

これはドラフトと編成の失敗から引き起こされた。高校生投手を上位指名し育てられずに野手の指名が下位中心になった。京田や高橋周平と争える野手の同年代のライバルは全く指名されず、打てない選手がポジションを守れたように競争がなかった。大島のような周囲に我関せずで練習に打ち込む選手以外は30代から成績を一気に落とし、若手を使うしかない環境になった

ドラゴンズのOPSと得点力の推移。失敗編成のツケが2021年から爆発している

この環境下で阿部を放出しなければいけない程に投手が育ってなかったのも痛い。これは前任の与田監督の責任ではなく、その前の谷繁、森政権時代の失敗が尾を引いている。木下の課題が体力と言いながらマルティネスを捕手で起用する事なく退団されたり、遊撃手の控えが居ないのに京田の打撃改造に取り組んで失敗したり立浪監督の責任は勿論ある。だが他は監督の責任というよりスカウト編成の人事部門が失敗したツケが回ってきたにすぎない

私は立浪監督の采配(特に投手)を評価しないが、ここ2年の改革は大いに評価する。3年契約の最終年となる今季の成績次第で監督の責任問題に発展すると思うが、チームに期待が持てるようになったのは大きな変化だ

若手投手も下記のように以前よりは改善。
先発 仲地・根尾・草加・上田・森山・福田・野中・松木平
中抑 藤嶋・清水・梅野・松山・福島・土生・加藤・菊田

近い世代の遊撃手が多すぎる謎の編成も、私は津田の内野手は厳しいと思うので彼が外野に回れば悪くないと思い始めた。身体能力が高く肩も強いようなのでトラウトを目標に背番号27を選んだとのことだし外野での活躍に期待している

捕手 石橋・山浅
二塁 村松・田中
三塁 石川・福永
遊撃 龍空・辻本・津田・(村松)
外野 岡林・細川・ブライト・濱・鵜飼・福元

外野守備の拙い細川が中田の後釜として一塁に回り、肩を壊した福元も一塁に回り、津田が外野に回れば各ポジション2名、外野5名で争う綺麗な編成だ

これで守備は龍空に匹敵し、打力が村松級で、体力もありそうな宗山に特攻したならドラゴンズを見限らないといけない。今オフは未来の先発と一三塁の高校生スラッガー必要なのだ。特に左の先発が欲しい陣容で宗山特攻なら編成とスカウトは何も反省せず未来を考えてませんでしたという事になる…

2007年のドラフトを見てドラゴンズが弱くなると確信し、2011年の騒動からプロ野球とは距離を置いていました。今季は久しぶりに見ようと思える戦力になりそうです。もっとも優勝を期待するまであと1年か2年はありそうで、今年と来年のドラフトで即戦力投手を取れるかが大事になるわけですが…

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