リヴァプール3-1ウォルバーハンプトン

アリソン8コナテ5マティプ8ロバートソン8アーノルド7ヘンダーソン7ケイタ4チアゴ8ディアス6マネ8ジョタ5ミルナー5サラー7フィルミーノ6クロップ7

1シーズンお疲れさまでした。まだ最後のお祭りであるCL決勝を残していますが、長いリーグ戦を駆け抜けました。残念ながらCLを制した3年前と同じく最終節のウルヴズ戦に勝って相手がポイントを失えば優勝という場面で相手が勝点3を取り切りました。勝点1差の2位は悔しい以外の言葉がありません

相手のウルヴズは攻撃時5-3-2、守備時にネトが左サイドハーフに落ちる5-4-1にするシステム。ネトはこの仕事量に耐えきれず負傷交代する事となり、ファン・ヒチャンに変更。ヒチャンは左サイドの守備を担当せず中盤の守備ブロックが3枚に変更となりました

ピッチの幅は大体67か68mですので3枚で守る場合には同サイドに圧縮しない場合には両サイドの15m弱のスペースが使い放題になります。また2トップのヒメネスとヒチャンがメッシ&スアレスか、と言いたくなるレベルで守備をしないのでCBからボールを出してチアゴやマネやディアスがスペースで受けて攻撃が成立していました

ただこの場所で受けて付加価値を出せる選手がチアゴしか居なかったり、その後の連携が上手くいかずにコナテのミスで先制点が重くなる展開に。そうした厳しい展開もコナテが相手FWのプレスを抜けて良いポジションに陣取ったチアゴへ預けるとヒールフリック。釣られたボリーの裏をマネが突いて同点に追いつくことに成功します

しかしながら前半の終了間際にチアゴが負傷で後半からミルナーに交代。ミルナーは全盛期からすると酷く衰えキープ力が全くないのですが、ウルヴズは消化試合だったからか効果的なプレスが全くなく、殆どフリーで良いボールを蹴りこめる状態だったので長短のパスである程度の付加価値を提供していました

この試合で最も問題だったのはケイタでした。とにかく走力がない彼はボールを持てないのでコーディ、ヌーリ、ネベス、デンドンケルからのロングボール頼みのウルヴズのロングパス攻勢で走らされることになり、攻守に精彩を欠きました。彼のボール奪取能力は密集地帯でしか発揮されず、オープンな殴り合いになると適性不足がハッキリと出ます

ワイナルドゥムはケイタと逆の適性を持っているため、こうした試合では活躍できる傾向にありましたが、逆に一方的に殴れるハーフコートの試合では完全に消えてチームに何一つ貢献しませんでした。現在のスカッドでこのようなオープンな展開であればジョーンズの方が間違いなく良かったはずですが、相変わらず相手に合わせた戦術を構築できないクロップの問題は残っています

ただし今季からパフォーマンスが悪い選手を交代させる方針を身に着けたクロップは今日も正しい修正を行います。古巣対決による力みか良い所がなかったジョタに代えてサラー、守備の穴になっていたケイタに代えてフィルミーノを投入。結果的にはサラーが決勝点を決め、フィルミーノが3点目となるロバートソンへのアシストを決めて完璧な交代策となりました

ただ戦術面では誰がどこで何をするのか、という共通認識が全く見られず攻撃時の連携が殆ど偶発的にしか起こりません。例えばフィルミーノが入った後のCKからのカウンターでフィルミーノはディアスに間で受けることを望んだ短いパスを出しているのにディアスは裏に走り出しています
サラーとマネが後ろからロングスプリントをかけていたのでフィルミーノの解釈の方が良いように思われますが、チームとしての決め事が殆ど感じることが出来ない攻撃なので仕方がありません。シティの攻撃は規則正しい連携によって生じる部分も大きく、分かっていても個が足りなければ止められない攻撃力を持っています。そのためリーグでは一方的に殴りこめる展開になれば2点差でも一瞬でひっくり返すだけの力があり、来季もチームバランスが崩れない限りは勝点90を超えてくるでしょう

彼らが欧州カップ戦では苦戦しているのは負けない事が重要なカップ戦に必要な守備力の高い個を持たないからともいえます。リヴァプールには圧倒的な個を持つFWとDFがおりますので、負けないサッカーという点ではシティに比べて優れています。控えの戦力についてもクラブ育成選手を持たないシティに対してケレハー、ゴメス、アーノルドの3人を抱えるリヴァプールは2チームを作るだけの戦力を抱えています。そのため来季も南野のようなカップ戦でゴールを量産できる選手が居れば4冠、それ以上を目指せる可能性もありそうです

特に戦術チームとMF問題を考えるとビッグ6の中でもっとも改善できるのはリヴァプールかスパーズでしょう。逆にこの日対戦したウルヴズはプレスが全く整備されていないのかモチベーション不足なのかは分かりませんが、ジョゼ・サーやネベスのようなキープレーヤーが抜かれると来季はかなり苦しみそうです。ネトは素晴らしい選手ですが、攻守に頑張りすぎるタイプの選手だと思いますので長期の故障明けの選手に対してタスク過剰だったとも思います

来季のリヴァプールは今年より1段上のサッカーを披露してくれそうですし、ジェラードが問題点に対して的確な補強を繰り返しているのでアストンヴィラも期待できそうです。来年こそは4冠、そしてイングランドのリーグ戦での最多優勝回数に並ぶシーズンにしたい所ですね

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