リヴァプール4-0アーセナル

アリソン7ダイク7マティプ7ツィミカス7アーノルド8ファビーニョ8チアゴ8チェンバレン7マネ8ジョタ7サラー7ヘンダーソン6南野7モートンクロップ8

MOMアーノルドかファビーニョかチアゴかマネ

選手の質の差で圧倒した快勝でした。ラグビーなら50-3くらいの実力差がつくような選手のクオリティの差がある勝負なので、セットプレーで先制点を取った瞬間に圧倒的な優位となり冷静なジョタの2点目が決まった時点で試合は終わりました

サッカーは選手が正しい位置を取って引きこもって守ったら実力通りの点差にならない欠陥ゲームなのですが、この試合は先制できたので相手がドン引きするのをやめて正々堂々と殴り合ってくれたおかげで実力差通りのスコアになりました

リヴァプールはきちんと組織だったプレスをすればベストメンバーじゃない限りは何処かでボロが出て自滅してくれるチームですし、ベストメンバーやそれに近いスタメンが組まれたリヴァプールを相手にスペースを与える事は自殺行為です

なのでシティなどの一部のクラブを除いて対戦チームがドン引きしてくるのは分かるのですが、ウェストハム戦のように怪しい判定で先制されてドン引きの相手に負けると凄くストレスが溜まります。昨日の試合は2週間前に溜まったストレスを全て解消してくれるような理想的な試合でした

もちろん相手の前4枚でのプレスが機能していた前半は組立てが上手くいかなかずロングボールを蹴らされる展開となりました。しかし怒涛のプレスで相手にプレッシャーをかけると技術のない相手はボールを繋ぐことができず、楽にボールを回収できたので波状攻撃を繰り出すことが出来ました。相手のガブリエルの対応が良かったので最後の最後で崩せない苦しい展開でしたが、セットプレーでのアーノルドのクロス精度と無茶な体勢でもシュートが打てるマネの個で打開してからは一方的な展開になりました

これだけの快勝になった原因は相手のドン引きで膠着した展開をセットプレーで先制できた事が全てでした。相手の選手はボールを扱う技術が低く、リヴァプールのインテンシティに圧倒されて最終ラインから先では3回と前にボールを繋ぐことはできなかったので2失点以上する可能性はほぼ0のチームでした。それでも相手の引きこもり守備は良かったのでセットプレーからの事故で先制点を奪われたならば苦戦してた可能性は高かったでしょう。くどいようですがサッカーは実力差があってもミス1個で失点して守って2人か3人のカウンターに専念すればジャイアントキリングができるスポーツなのです

とはいえセットプレーもオープンプレーもリーグトップの得点数となったリヴァプールが相手です。アーセナルは戦力を考えれば健闘しましたが、リヴァプールの圧倒的な個の強さが彼らを打ち砕きました。相手のGKがエドゥアールのようなトップレベルのGKだったならばマネのヘディングは入っていなかったでしょうから、1点目を取ることができずにもっと苦労したでしょう。彼らが持つタレント的にあれ以上のパフォーマンスを求めるのは酷でしょう

PLは12試合とシーズンの1/3弱を消化してだいたいの力関係がはっきりしてきました。得失点差がプラスのチームは僅かに5チームで13チームが得失点差マイナスとなっております。リヴァプールとチェルシーとシティの3チームが+66という異次元の数値となっており故障者続出で苦しい台所事情のリヴァプールを破るだけの力を持ったウェストハムが+9、あとはリヴァプールとチェルシー以外に負けなしのクリスタルパレスが+1(リヴァプールとチェルシーを除くと+7)です

リヴァプールとシティ戦を除いた10戦2失点のチェルシーが3強以外のチームに負ける姿は想像できませんが、圧倒的な個を持つFWが居ないのでバーンリーのような相手にもドローで勝点を落とす可能性は残っています。まだ4ポイント差なのでPLを諦めるには早すぎますし、冬の移籍マーケットでファビーニョとチアゴの代役となれるような守備的MFを獲得できればリヴァプールはチェルシーと並ぶPL優勝の本命に戻ることができるでしょう

シーズン前から私が予想していたように今季のPLは3つ巴の展開になりそうです。現状で1番強いウェストハムは非常に強いのでELも勝ち抜く可能性が高く終盤に勝点を落とす可能性が高くなること、戦力4番手のユナイテッドがワトフォードにも負けるほど低調なのでアーセナルにも4位のチャンスは残っていそうで彼らは7位±3位になりそうです。ガブリエルと冨安という守備のキーマンが故障しなければ4位を取る可能性もありますし、彼らが離脱すれば2部レベルのCBやプレミア下位レベルのSBが出てくるので10位になってもおかしくありません

冨安は相変わらずとても下手でしたが、ボールを収めてからのフィードの正確さは良かったですし、何よりもPLのフィジカルレベルで普通にプレーしてマネにもそれなりに戦えていたのは凄かったです。これよりも上のレベルでプレーしたいならばトラップ技術の改善が必須ですが、PL4位とCLベスト16が目標のアーセナルは彼のレベルに相応しい最高の到達点で最高のクラブな気もします

彼と日本人対決となった南野はゴール前に飛び出す役割に限定すれば非常に優秀な選手です。去年のパレス戦のように彼が飛び込むスペースがあれば彼はPLで活躍できるだけの素養は持っています。彼が日本代表で活躍できないのはリヴァプールの監督が優れていて日本代表の監督が劣っているから、ではありません。単純に彼の周りを取り巻く選手のレベルが違うからです

3-0と試合が決まっていたこの試合ではスペースに飛び出すだけでよかったから彼は活躍できたのです。スペースに飛び込めば周りの選手から凄いパスがやってくるリヴァプールでは彼の持っているスキルが活きてきます。リヴァプールでもスペースを消されたウェストハム戦のような試合では全く活躍できておらず、チームの穴になっています

私は南野と鎌田を中央に据えて両翼に三笘と伊東を配置した0トップの4-2-4-0でカウンター気味に戦ってほしいと思っているので今の監督の戦い方には賛成していません。しかし彼が日本代表で活躍できないのは彼がなぜか仕掛け役を担ってゴール前に飛び出してゴールやアシストをする仕事に専念させられないせいでしょう。それは監督の問題もありますが、周囲のレベルの問題でもあります

リヴァプールではFWの控えの控えとMFの控えの控えの控えの控えの控えの控え兼任という役割から序列が上がる事はないでしょう。それでもチームにはレギュラーメンバーやベンチメンバーだけでなく彼らが故障した時やカップ戦だけしか出番がないフリンジプレーヤーの彼らも必要なのです。こういった決まった試合ではあっても結果を出し続ければ徐々にチームの主力選手からも認められて良いパスが来るはずです。結果を出し続ければ他のチームからリヴァプールを納得させるオファーも来て選択肢も増えます。もう既に頑張ってる人間にいうのは失礼な話ですが、この調子で継続して戦い続けてもらいたいですね

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