リヴァプール6-0リーズ
アリソン6ダイク8マティプ9ロバートソン8アーノルド6ファビーニョ7チアゴ9ジョーンズ6ディアス7マネ8サラー9ヘンダーソン6ミルナー6オリギ-クロップ8
チアゴ×ファビーニョ無敵論がまた無敵論を裏付ける結果を手にしたゲームでした。彼らが出た試合では序盤で点を取る→相手が前がかりになってスペースが生まれる→途中交代してもスペースにボールを放り込むのが得意なヘンダーソンやミルナーでも輝くという好循環が生まれており負ける気配がしません。今後もチアゴは大事な試合は全部先発で試合展開に応じて60-70分で交代し消化試合は温存でしょう
課題だらけでも使いたくなるほど魅力満点のジョーンズ
ジョーンズはアーノルドがRBのポジションを放棄して高い位置のIHどころかFWのようにプレーしていたため、右サイドでのプレーに苦戦しました。また守備に関しては全く成長がありませんでした。そろそろ闇雲に動き続けるのではなく止まる事も覚えてほしいです
10分頃のシーンは何も考えずにアーノルドの裏のカバーに向かっていますが、ハリソンの体の動き方を見ると反転してアーノルドを交わす事は99.9%不可能です。近くにはフィルポとフォーショーがいるのでその場に止まるべきでした。仮にアーノルドが裏に抜けられたとしてもロドリゴとジェームズをファビーニョとマティプでみる事が出来るのでファビーニョがスライドカバーで空けた場所に全力で走れば良いだけです
にもかかわらずハリソンからフィルポにボールが出ればフィルポに向かい、フィルポからフォーショーにボールが出ればフォーショーに向かい、大きなスペースを空けてロドリゴにボールが渡りました
ゲーゲンプレスという戦術では正しい事なのかもしれませんが、周りの状況を無視したプレッシングは全体のバランスを著しく狂わせるので私は大嫌いです。ファビーニョは広いスペースで受けたロドリゴを潰せず、パスを許しましたが鉄壁のマティプが防ぎました。その後もう1度ボールを貰った所でもジェームズのスプリントに気付かずロストしているように視野の問題でもありそうです
PKで先制した後のフォーショーのコントロールミスを奪ったシーンも結果的にボールを奪えましたが明らかに過剰プレスであり、コントロールミスがなければボールを奪える事はなかったでしょう
マネが落としてファビーニョがコントロールミスをしたシーンも28分7秒あたりのプレーも一見の価値があります。スプリントをかけてゴール前に上がろうとしていたチアゴはファビーニョのトラップミスを見た瞬間にスピードを緩めて守備の姿勢に変わっているのに、ジョーンズは意味のない場所でフラついてボールが相手に渡った所で初めて守備に動いています。この2,3秒の差はMFをやるには決定的な時間です
35分50秒あたりの3点目の後の形も謎でした。彼は何故チアゴがカバーしていたエリアに入ったのか、自身が担当するはずの左サイドがガラ空きなのにボールホルダーにプレスに行くのか理解できません
ジョーンズと比較すればアーノルドの守備がいかに上手いかを理解して貰えるかと思います。特に切替スピード、次に起こるプレーの予測、ポジションのコース取りなどを見てもらえれば、アーノルドの守備は優れてはいないものの普通のDFレベルにあると分かるでしょう。一方でジョーンズは攻撃的なMFとしても失格のレベルで酷いです
これだけ文句をつけていますが28分27秒のチアゴからのパスに対するボールコントロールからのターンも見事でしたし、攻撃面で良かったシーンは沢山ありました。バックヒールでファビーニョに渡した発想力も技術も優れているし58分45秒くらいのダブルタッチで逆サイドに展開したシーンも良いですし61分のサラーへの決定機創出も素晴らしかったです。74分にロボとのワンツーで抜け出して放ったシュートも最高でした
連携ミスによるロストも多かったですが、ドリブル時のキープ力は既にワールドクラスです。マネはボールコントロールがそこまで優れていませんからCFに入ってもロストが目立ちました。中央で繋ぎ役をやっているフィルミーノの故障が増えているのでジョーンズはフィルミーノの後継者に据えるのが1番面白い気がします
近中距離のパスは上手く長距離のパスが下手なジョーンズはFWコンバートで更に輝けると私は考えています。また運動量とスイッチが入った時はスピードもあるので守備のタスクを裏のカバーだけに絞れば劇的な変化を見込めるのではないかと考えています。得意な形のトラップやドリブル技術はえげつないですし初速の速さを活かしたボール回収は優れているしフィルミーノやトッティのような0トップを目指してほしいと思います
予測技術と判断に課題があるジョーンズに1番必要なのは実戦でしょう。守備の成長は0でしたが攻撃時の判断では前回の試合より向上していました。ボールを扱う技術が不足している選手ならば練習で上手くなると思いますが、必要なのは技術よりも判断の向上です
最低でも毎年2000分は出場機会を与える必要がありますが、フィルミーノの故障が増えているので出場機会も得られそうです。今日はMFとしては並みのプレーでしたが、FWとして見ると素晴らしいプレーが数多くありトップクラスのタレントだと思います
世界最高のサラー、チアゴ、マティプ、ロボ他
歴史上最高のCBだったファンダイクのアジリティと加速の衰えによってマティプがダイクやマルキーニョスといった世界最高レベルに匹敵するようになりました。鉄壁の守備、ドリブル突破、GKの肩口を抜く見事なゴール、空中戦の強さ完璧です
チアゴは4タックル、素晴らしいパスの連発で2センターの世界なら世界最高の選手と証明し続けています。世界一のパサーはクロースでしょうが、トラップもドリブルも上手いのでプレスにも強くて守備がここまで出来る選手は世界にいません。彼の守備スタッツは95%タイルに属しており完璧なMFです。大事に使い続けてあと5年はプレーして欲しいものです
サラーはマティプへの完璧なアシストに加えてアーノルドの裏のカバーまで異次元の選手です。運動量が落ち込んだマネと比べてサラーの貢献度はずば抜けています
ロバートソンもラフィーニャに全く仕事をさせず最後にはCKからアシストで世界最高のLBであると証明しました。ラフィーニャは降格して£20mのバイアウトだとしてももう少し成長しないとリヴァプールのターゲットにはならないでしょう。アリソンはほぼ仕事がなく、アーノルドはイマイチでしたが世界最高レベルの選手たちは輝きました
4-3-3はいつまで続くのか?
ヘンダーソンはジョーンズと同じく特攻プレスで69分に大穴を空けました。ルイス・ディアスが一番連携が取れているのではないかと思わせる攻撃。ジョーンズの攻撃面での期待値を膨れ上げる完勝でしたが、まだ課題は沢山あります。高い位置で活躍できるMFが居ないので4-4-2/2-4-4は増やしても良いと思います
ディアスは左サイド専用機と思われましたが、中央に切れ込む動きやその後の連携も優れており2列目でポストプレーヤーに向かって突っ込む以前マネがやっていた仕事までこなせそうです。今後の成長次第では昔のマネのような素晴らしい選手になる可能性も十分に残されています
今季はトップにフィルミーノかジョーンズかオリギを据えて、2列目にサラー、ジョタ、マネ、ディアスからの3人をゴール前に殺到させるサッカーが1番強そうですね。ダブルボランチでMFの層の薄さもカバーできそうです
オリバーは毎回フェアな判定だと思っていましたが、今日のPKはラッキーでした。こうした楽に勝てる相手に審判まで協力されると苦しい試合でクレイグ・ポーソンのような判定で嫌がらせを受けるかもしれませんね。それでもチアゴが離脱しなければPLとCLの全勝も夢ではありません。4冠に向けて突き進んで欲しいものです
P.S.どうでもいい話ですが、リヴァプールという世界トップレベルのチームにおいては完全に戦力外のレベルのミルナーもJリーグ下位クラブのカップ戦を基準に見るとメチャクチャ上手いんだなということに気付かされました。闇雲にミルナーは酷いと叫ぶのではなく、PLやCLで優勝するレベルを基準にすると酷い、という枕詞が必要ですね。議論において基準を揃える事の重要性を改めて認識した次第であります
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