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ダイアログインザダークに参加して、多様性について考えた

週末に家族でダイアログインザダークに参加してきました。2020年に竹芝にオープンした常設のシアターです。前から気になっていたのですが、下の子が小学生になってやっと参加できるようになりました。



HPより______

1988年、ドイツの哲学博士アンドレアス・ハイネッケの発案によって生まれたダイアログ・イン・ザ・ダークは、これまで世界47カ国以上で開催され、900万人を超える人々が体験。日本では、1999年11月の初開催以降、これまで24万人以上が体験しています。暗闇での体験を通して、人と人とのかかわりや対話の大切さ、五感の豊かさを感じる「ソーシャルエンターテイメント」です。

ダイアログ・イン・ザ・ダーク (dialogue.or.jp)

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 最大8名のグループとなり、視覚障害の方が真っ暗闇の中をアテンドしてくださいます。中で何があったかはネタバレになってしまうので書きませんが、約90分間真っ暗闇の中でその他の感覚を研ぎ澄ませる、参加者と対話する時間は時間の感覚もなくなってすごく不思議な体験でした。荷物は全て預ける必要があるので、それだけの時間携帯を触らないというのも日常生活の中ではめったにないことでした。

子どもたちはお出かけするよと話をした時は、あまり興味もなく、真っ暗は怖いからいやだといっていましたが、始まってみるとすごく楽しんでいて、終わった後にもああだった、こうだった、視覚障害の人はこういう時にどうしているんだろう?と興味を持っていて、体験している時間だけでなく、終わってからもじわじわと考えることのできるとても貴重な体験になりました。私の家族ともう1つの家族が同じグループになったのですが、初対面にもかかわらずすごく信頼関係ができた気がしたので、会社とかでチームビルディングとして参加するとすごく役立つだろうなと思いました。実際企業研修にも取り入れられているようです。

身近に視覚障害の方がいないので、目をつぶって歩くのは怖いだろうな、大変だろうな、くらいの認識しかなかったのですが、実際の真っ暗闇でさらにその大変さを思ったり、逆に視覚障害の方は音や空気の揺れなどでびっくりするくらい色々なことを感じておられることもよくわかりました。

プログラム内容が定期的に変わるようで、1度体験した人でもまた別のプログラムで楽しめると思います。視覚だけでなく、聴覚障害の方、高齢者がアテンドしてくれるプログラムもあるようでそれらにも参加してみたいです。


ダイアログインザダークを日本に持ち込んだ方の記事を読むと、そもそも会場を真っ暗にするとか、視覚障害の方がたくさん集まるということで会場として使わせてくれるところが少なかったり、資金繰りなど運営上のご苦労があるようです。文部科学省や厚生労働省が後援しているようですが、後援はただのお墨付きで補助金が入っているわけではないのかなと思います。基本的に東京なので全国の人が受けられないということで、支援ができないのかなとも思いました。


私は特にLGBTQなどでこれまで無理に交わらずともそれぞれの考え方を尊重して共存していけばいいんじゃないと考えていました。でも今回の体験を通じて、私のこれまでの考えは尊重しているのではなくてただ線を引いて分断しているだけなんだと気づきました。マジョリティ側がマイノリティ側を理解しようと一度同じ景色を見て対話してみることが大事で、その後どのように感じ行動するかはその人の自由ただし、相手にも自由があるのだからそれは尊重していこうという風に考え方が変わりました。

またプログラム終了後のアンケートの中で、「あなたにとっての対話とは何ですか?」という問いがありました。私は、「手をつなぐこと」と書きました。暗闇の中で手をつなぐことですごく安心できました。存在を認めたうえで、今考えていること、感じていること、何をしているかを伝え合うことが対話だと体感しました。心理的安全性ってこういう状態のことかと思いました。このような関係性を家族はもちろん、友人や職場でも築いて行けたら怖いものはないと言ってもよいかもしれません。


多様性が大事と言葉で説明するよりも実際に体験することで得られることがとても大きかったです。特に子供のうちにこのような体験ができるプログラムがあるというのは素晴らしいと思いますし、私のできる範囲で応援していきたいと思いました。


まだ体験されていない方は是非体験してみてください。

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