トロンテスとゲヴェルツトラミネールの違い、見分け方【ソムリエ・ワインエキスパート2次試験】

今回はトロンテスとゲヴェルツトラミネールの違いについてです。いきなりマニアックな話ですが、これくらいの品種は普通に出るので見分けられるようにしましょう。

2品種の共通点

そもそもよく間違われるこの2品種には共通点があります。みなさんご存じだとは思いますが、それはライチの香りがすることです。
ライチの香りは非常に特徴的なので必ず食べて覚えましょう。8月は旬の終わりかけなのでまだ買えると思います。ライチの缶詰やライチ味のアイスなどでも良いかもしれません。
たまにライチ香をほとんど感じないものもありますが、ソムリエ・ワインエキスパート試験ではほぼ確実に感じると思います。仮にライチ香が取れないトロンテス・ゲヴェルツが出たらみんな出来ないので気にしなくていいです。

2品種の相違点

外観

まず外観に大きな違いがあります。
トロンテスは嫌気的に醸造するため淡くグリーンがかっていて、ものによっては甲州かと思うほど無色に近いです。
一方、ゲヴェルツトラミネールは果皮がピンクであるため濃いめのイエローになります。残糖量によっても色調は変わり、甘いほど濃い黄色になっていきます。
粘性はどちらもトロっとしていて差はあまりありません。
正直、色調だけで決めてもいいくらい色調に差があると思います。

香り

ライチが特徴香ではありますが、それ以外も探っていきましょう。

トロンテスは片方の親がマスカットであるため非常にアロマティックで、白桃・柑橘・オレンジピール・花の香り等を感じることがあります。

ゲヴェルツトラミネールもアロマティックで白バラの香りが特徴的です。トロンテスにも感じると言われますが、より薔薇っぽいのはゲヴェルツだと個人的には思います。また「ゲヴェルツ」がドイツ語でスパイスを意味しているようにコリアンダーのような甘いスパイス香も特徴的です。

白バラやコリアンダーの香り自体をそもそも知っているかどうかですね。結構難しいですし、冷涼っぽいならトロンテス、温暖っぽいならゲヴェルツかなぁくらいでも良いと思います。(アルゼンチンは新世界ですが標高2000m越えの畑も多く、特にカファジャテは3000mを超えるのでさっぱりと冷涼さを感じます)

味わい

味わいにはかなり差があります。
まず酸が高いのがトロンテス、低いのがゲヴェルツトラミネールです。特にゲヴェルツは白ワイン全体で見ても酸が低いほうなので、しっかり頭に入れておきましょう。

また苦味も分かりやすいです。
トロンテスに苦味はほとんど感じませんが、ゲヴェルツトラミネールには感じることが多いですね。果皮がピンクであることや酸が低いことが理由です。(苦味は酸が低いと強調して感じられます)

アルコール度数はトロンテスが12.5~13.5%、ゲヴェルツトラミネールが13~14%くらいが多いです。
印象としてゲヴェルツは見た目通りのフルボディらしい度数ですが、トロンテスはすっきりとした外観、味わいの割に高く感じる気がします。(14%に達するものもあるほど)
個人の感覚なので言語化が難しいですが、同じ13.5%でも「納得の13.5%」と「意外な13.5%」があるということです。

残糖はどちらの品種も感じる可能性があります。
試験的にはゲヴェルツトラミネールの方が甘味を感じやすいと思いますが、重要なのは酸とのバランスです。同じ残糖量でも酸の高さによって甘味も変わります。


ここまで理解できていれば試験レベルなら問題なく見分けられるでしょう。
重要なのはこの2品種だと絞り込めるようにライチの香りを確実に理解することです。
軽くですが品種ごとにもまとめておきます。

トロンテスのまとめ

外観は緑がかっていて時には無色にも近いです。
香りはアロマティックでライチ香だけでなくマスカット品種の要素を感じます。
味わいは酸が高くフレッシュで苦味はありません。残糖を感じることもあり高い酸とバランスがとれています。爽やかな印象の割にアルコール度数は高く感じます。

ゲヴェルツトラミネールのまとめ

外観はやや濃い黄色でフルボディ感があります。
香りはアロマティックでライチ香だけでなく白バラやコリアンダーも特徴的です。
味わいは酸が低く、甘味が強調されて感じます。また苦味もよく感じます。アルコール度数はフルボディの印象通り、高いです。


少しでもお役に立てれば幸いです。
それではまた。

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