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マチュピチュの魅力を最大限に楽しめる旅程とは

今年6月にペルーのマチュピチュへ行ってきました。マチュピチュは数多くの世界遺産の中でもとりわけ人気の高い旅先です。旅行好きなら一度は行ってみたい場所だと思います。

しかし、マチュピチュとはどんな所なのか、どうやって(どういうルートで)行くのかあまり分かっていない人が多いのではないでしょうか。マチュピチュという名前は知っていても、それがペルーのどのあたりにあって、周囲の環境はどんな所なのか、ご存知でしょうか。

実は私自身、よくわかっていませんでした。ツアーで行くから、行き方を知らなくても連れて行ってくれるし問題ない。その程度の認識でした。私の場合は、旅行会社のプランの中から出発日と価格だけで選びました。でも、現地に行ってみて思うに、ツアーの旅程は重要だ感じています。

マチュピチュ遺跡は、標高が2400メートルの場所にあるインカ文明の都市の遺跡で、近くのマチュピチュ村から狭くて急な山道をバスで登って到達します。マチュピチュ村は、標高2000メートルで、アマゾン熱帯雨林の入口にあり、ウルバンバ川沿の狭い場所にへばり付いているような村です。とても深い渓谷で、周囲は切り立った山に囲まれています。標高は高いのですが、熱帯雨林なので、日本では見ないような熱帯性の植物や鳥を見ることができます。

つまり、マチュピチュは、標高がかなり高い山岳地帯で、かつ熱帯雨林でもあります。そのせいか、天気は変わりやすく、乾季であっても雨が降ります。結構激しく降ります。私は6月(乾季)に行ったのに、雨に降られてずぶ濡れになりました。登山用の雨具は必携です。なお、傘の持ち込みは禁止されており、遺跡の中に持って入ることはできません。

マチュピチュ村は小さな村なので、豪華なリゾートホテルはありません。観光するほどのところもなく、土産物店だけが沢山並んでいます。ずっと雨が降っていたせいもあり、村に滞在中、時間を持て余しました。

マチュピチュ村

マチュピチュ村へ行くルートは、一般的なツアーの場合、クスコからバスと列車を使っていくことになります。クスコはインカ帝国の首都があった街で世界遺産になっています。ツアーでは、ペルーの首都リマから国内線の飛行機でクスコへ入り、クスコからバスに乗ってオリャンタイタンボまで行って、オリャンタイタンボから列車(展望列車)に乗ってマチュピチュ村に入る。というコースが一般的だと思います。

世界遺産のクスコ

この展望列車はテーブル付で眺めが良く、お茶とお菓子のサービスがあって楽しいのですが、荷物置き場が不足しているので、スーツケースを持ち込むことができません。私のツアーでは、皆、クスコの空港でスーツケースを預け、最低限必要なものだけを手荷物として、列車に持ち込みました。でも、マチュピチュ村で2泊する旅程なのです。すなわち、ホテルに2泊するための最低限の手荷物ということです。その中には当然、登山用雨具も含まれます。これはかなり厳しい制約でした。

マチュピチュ村へ行く列車から渓谷を望む

私達のツアーでは、クスコの空港に昼すぎに到着しました。クスコの標高は3400メートル程です。リマから飛行機でいきなり3400メートルもの高さへ降り立つのですから、かなりの人は高山病の症状が出ます。私もかなり気分が悪くなりました。クスコの街で昼食をとり、その後バスでオリャンタイタンボへ向かいました。途中、山を越えていくので、標高は3800メートルくらいまで上がります。バスから夕暮れ時のアンデスの山々が見えてとても綺麗なのですが、高山病のせいか、かなり気分が悪く、おまけに道は無舗装のデコボコ道で大いに揺れます。このバスに揺られている時間が一番辛かったという印象です。

クスコからオリャンタイタンボへ向かうアンデスの山麓

オリャンタイタンボに到着した頃には真っ暗です。そこからマチュピチュ村行きの展望列車に乗車します。でも外は暗いので、なんの展望もありません。列車がどんなところを走っているのか全くわかりませんでした。夜もかなり遅い時間帯にようやくマチュピチュ村に着いて、ホテルで遅めの夕食を取ってその日は寝ました。

翌朝、目を覚まして、マチュピチュ村がどんなところなのかようやくわかりました。周囲は険しい山に囲まれており、深い渓谷の中にある小さな村であることが翌朝になってやっとわかったのです。

私の考えでは、マチュピチュの魅力は、そのロケーションと行程にあると思います。クスコからバスでアンデス山脈の山麓を走り、オリャンタイタンボから展望列車でウルバンバ川の深い渓谷の中を走り、ようやく谷間の小さなマチュピチュ村に到着する。そこからバスでヘアピンカーブの狭い山道を登って行って、マチュピチュ遺跡の入口に到着します。入口からしばらくは山道を登りますが、展望はありません。突然、視界の開けた場所に出て、そして山々に囲まれた空中都市マチュピチュの姿が現れるのです。このような、クスコからマチュピチュまでの長い旅程を全てひっくるめてマチュピチュの魅力だと感じました。

以上の点を踏まえると、クスコを朝に出発し、昼頃展望列車に乗車して渓谷の景色を楽しみながら夕方にマチュピチュ村に到着するという旅程の方が、よりマチュピチュの魅力を感じられたのではないか、と思いました。私のツアーでは、クスコには宿泊せず、マチュピチュ村に2泊しました。ですが、クスコに1泊して翌朝出発し、マチュピチュ村で1泊して翌朝遺跡を観光する。という旅程の方がより楽しめたのではないか、と思えてなりません。マチュピチュ旅行を考えている方の参考にしていただければ幸いです。


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