家宝は天秤棒

角川春樹氏が弟の歴彦氏が代表を務める文化財団を訴える。角川家の家宝、天秤棒を取り返えす目的。天秤棒は、角川書店創業者・源義氏の父親の商売の要だという。その天秤棒で行商をして、源義氏の創業哲学に大きな礎になり、家宝として引き継がれてきた。歴彦氏が所沢市に開設した角川武蔵野ミュージアムには、源義の庭がある。歴彦氏は文春11月号で拘置所不当拘束を嘆く手記を寄せているが、リクルート事件の江副ファウンダーも後に中央公論から顛末を出版。確かに特捜部の国策捜査はあるらしい。しかし、世間相場からは犯罪とみられて自然。その業界特有の慣習に浸かると、いつの間にか世間とズレる。天秤棒をめぐる兄弟の確執は、異次元だ。

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