漲る力、緑爆発

この時期、湧くような新緑の漲るチカラに圧倒されてしまう。木々や地面がモクモクもりあがる。小宅の庭にある芍薬、芙蓉、百日紅は前の年の秋に枝をすべて落とすが、芽を出しグングン茎を伸ばし葉っぱがモクモク湧いてくる。梅、山茶花はあまりに膨張するので思い切り夏バージョンに漉く。それでも、めげずに枝葉を出す。桜、牡丹、藤、躑躅、カキツバタ、薔薇、菖蒲などなど次々と咲いていく。毎年のことだが、改めて春から初夏、夏へとモクモクしていく植物の奔放さに畏れ入る。これほどのエネルギーに気圧される。木の芽ときは気持ちがむしろ不安定になる季節といわれていた。いわゆる5月病。わたしは5月連休に歳を重ねるので、この季節がずっとフィットしていた。わりと激しい風が吹くけど、5月の風は丸い、薫風など爽やかに転化される。ところが、このごろは、力漲る5月は素直に素晴らしいと思えなくなってきた。さらに酷暑は辛い。子どものころは夏が大好きだったのに。人は厄介な生きものだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?