水漏れ動脈硬化

全国の水道管はじめインフラの老朽化がニュースになっているが、大手住宅メーカーの配管でも落し穴はある。それは家の血管にあたる配管だ。とりわけ1990年代までに建てられた家は築30年を越えると配管も動脈硬化を起こす。配管の素材が金属で、とくに直角に曲がっている部分を中心に劣化、老朽化が進み思いもよらず水漏れを起こしてしまう。拙宅では2年前に天井の配管から滝のような水漏れが起こり、文字どおり仰天した。そして住宅メーカーの専門家は、残念ながら水漏れしてみないとわからない、といわれ、またしても仰天。配管敷設図面がメーカーに保管され、どう対応すべきか、明確にわかるハズと思っていたからだ。が、家の図面はあっても配管の図面はない、といわれたからだ。配管のリニューアルは大規模なリフォームの場合は壁を壊したりするのでわかるが、そうでない場合は無理筋だそう。したがって老朽化した配管の漏水箇所だけを応急処置するだけにならざるをえない。そして今日、再びトイレ付近で漏水。結局、漏水の繋ぎ箇所を塞いで措置した。いわば血管ボロボロ状態。昨今の戸建の配管は金属ではなくポリで、しかも曲がる柔軟性があり、旧配管に比べて格段に耐久性が増したという。しかし、旧配管は団塊の世代が後期高齢者になったように、戸建て配管の老朽化による水漏れは増える一方だろう。マンションや高層ビルは音波など様々な方法で配管検査が出来る反面、戸建てでは配管が細すぎて検査は事実上できないと専門家は説明する。大手住宅メーカーは100年住む家を標榜、さまざまなPRを展開している。水廻りは住宅の血管、肝心要の配管がボロボロになってしまい、水漏れしない限り、予防できないとは、なんともお粗末といえないだろうか。インフラ老朽化対策が遅々として進まないニッポン。個々の住宅においても、屋根、壁の塗替えは進んでも壁裏、地下の配管のメンテナンスが出来ないだとしたら、仏つくって魂入れずではないだろう。

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