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「燃えよドラゴン 4Kリマスター」を観たぞ!!

はじめまして。片桐と申します。
音楽だったり映画だったり、読書だったり美術だったり、好きなものを日々摂取しているのですが、ここいらで一発噴出させておこう!ということでnote始めました。よろしくどうぞ。

そんなわけで一発目ですが、タイトルにもあるとおり、昨日「燃えよドラゴン 4Kリマスター」を劇場に観に行きました。これがもうとにかく良かった。素晴らしかった。感動した。俺の中のドラゴンが燃え上がった。この思いを私の内側から噴出させます。

映画「燃えよドラゴン」についての説明は…省きます。映画史に残る名作ですからね。ごく短く言うならば、不世出の映画人にして武術家であるブルース・リーが世界中に強烈なインパクトを与えた映画作品、ということでしょうか。後世語られる「ブルース・リー的なるもの」の大部分はこの作品から引用されている、と言っても過言ではない。モノマネされるのも大抵がこの作品のブルース・リーです。

よくモノマネされるシーン。かくいう私も。

また、この作品が後世に及ぼした影響というのも、計り知れないものがあります。それについても、過去に文献等で千万言が費やされていますし、当然義務教育の過程で皆さん学んでおられると思うので省略。掻い摘んでいえば、OPの少林寺でのスパーリング・シーン。

うほっ。

このシーンで使われている、いわゆる「オープンフィンガー・グローブ」。現在、総合格闘技で正式採用されているこれはブルース・リーが考案したものであります。安全に打撃とグラップリングをトレーニングするために考案したのでしょう。すなわち、「ブルース・リーなくして総合格闘技なし」!!と(言いきってしまえば)言えるでしょう。

あるいは、当然のこれ。

うほほっ。

日本中、いやさ、世界中で「ヌンチャク・ブーム」を巻き起こした。まぁ実際のヌンチャク・シーン単体でいえば、「ドラゴンへの道」の方が華やかでキレもいいんですが、なんていうか、迫力?殺意?その辺が「燃えよドラゴン」の方に軍配が上がります。そして日本中、いやさ、世界中のキッズがヌンチャクおよびヌンチャクを模した棒切れを振り回しました。

あるいは映画公開後、日本中で空手や少林寺拳法を習うキッズが激増したとか。当時の日本では中国武術を習うことができる道場があまりに少なく…

…いや、こんなペースで話していると終わらん。

そんなわけで、「『燃えよドラゴン』が後世に及ぼした影響」ってのは、それはもう長いリストになるわけです。

そんな作品ですが、実際のところ、純粋に「映画作品」として考えるとけして出来の良いものではありません。すなわち、脚本のアレな感じ(前半は回想シーンがザクザク入ってくる。なんなら回想シーン内でさらに回想シーンが入ったりして、どうにもリズムに乗れない。)とか、ブルース・リー以外のキャストのアクションの仕上がりとか。特にエキストラというか、悪役ハンの下で武術を学んでいる彼らの、

後ろに控えている彼らね。

動きがあまりにも「えーっと、学び始めて2日目くらいですか?それまでは…あ、運動の経験はない。はぁなるほど。」という感じの拙さ。もう少しなんとかならんのか、という考えも過りますが、まぁそれはいいか。

なので、ひとつの映画作品としての完成度でいえば、「燃えよドラゴン」は名作と言えるものではないかもしれない。

しかし!!!

「ブルース・リーが映り、そして躍動している」この一点において、この作品は映画史上に残る大傑作となったわけです。

最高に格好良い武術家が、最高に格好良い動きで、最高に格好良いやり方で、敵をなぎ倒す。しかも最高に格好良い声(怪鳥音「ホワチャー」ってやつ)を出しながら。

これ以上に必要なものなんてあるかい?←反語

今回、4Kリマスター版が公開されて、久しぶりに(1か月ぶりくらい)改めて観ましたが、やはり頭に残るのは躍動するブルース・リーの肢体、そして技。表情やセリフ。

この世にこんなにも格好良い人間がいるのか

いや、いない。

奇跡ともいえる、絶対値的な格好良さ。誰が観たって「この人になりたい!ホワチャー!」と思うはず。いや、思うね確実に。

塔手、と呼ばれる稽古法

この試合のシーンに使われている「塔手」。中国武術で使われる稽古法を採用するあたりも痺れるポイントですが、この場面におけるブルース・リーがすさまじい。「早い」というだけでなく、手を合わせたときの“静”の状態。塔手ではとにかく“静”の状態にし、“起こり”を相手に分からせないようにしなければいけないんですが、他のキャストとブルース・リーは明らかに違う。まったく起こりが分かりません。そしてそこからの初打。稲妻のような初打。こら勝てんわ。

4Kにリマスタリングされ発色が鮮やかになり、特にキャスト陣の顔面がアップになるシーンの画面の解像度・キレがマシマシになっていました。(逆にいうと“引き”の画はあまり印象変わらず、といったところ)

「燃えよドラゴン」に限らず、ブルース・リーの映画作品はブルース・リーの動き、表情、セリフを味わうものなので、そういう意味では4Kにリマスタリングされたことで、現代の観客の視聴に耐え得る解像度になった、ということでしょうか。

ただ私としては一点だけ不満点が(些末な話ではございますが)。

ニュージーランドから来たパーキンズをある意味オーバーキル。

ハンの島に向かう途中の船上のこの場面。(詳細は省略)

英語のセリフは、
You can call it the art of fighting without fighting.
となっています。

今回の字幕では画像の通り、
言うなら“無闘流”だ
となっていました。

しかし、かつて私が観ていたバージョンでは、
“無手勝流”だ
と言っていました。

私は個人的な思い入れとして、無手勝流と言ってほしかったんです。「むてかつりゅう」という音の響きもさることながら、無手勝流という言葉が塚原卜伝に由来しているもの、という訳者の教養の高さを伺わせるわけで、こういう翻訳ひとつで映画のスケールをわずかにでもより大きなものにしてくれるのではないか、と思うわけです。

まぁ些末な話ですよ。

とにかく、「燃えよドラゴン 4Kリマスター」を観たら、案の定、ものすごく感動した。面白かった。そしてブルース・リーはとんでもなく格好良かった。という話でした。

ちなみに私が個人的にグッとくるシーンは、

本作のブラックスプロイテーション味を一身に体現する男

ジム・ケリー演じる空手家ウィリアムズが船に向かうシーン。

ブルース・リー、ジョン・サクソンの紹介シークエンスが終わり、ジム・ケリーのシークエンスに入ると、それまで流れていた音楽がナチュラルにファンク・バージョンとでもいうべきアレンジになっていくところ。

格好良すぎだろうが!!

ウィリアムズ君は足が長く、スピード感はないものの動きの見栄えが良い。ウィリアムズ君ならハンに勝てると思うんだけど…鳩め!!←観たことある人ならわかる話

今回の4Kリマスター版のディスクも発売されましたので、皆様ぜひ。ええ、私は当然購入済みでございます。

それでは、また。

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