「誰からも嫌われたくない」は皆から嫌われる

大昔の話だけども。
不思議な誘い方をしてくる友達がいた。

今となっては友達だった瞬間があったのかどうかも不明だけど。仮にA子とします。

A子「◯◯に行きたい！ 一緒に遊びに行こうよー」

私「いいよー。私も行きたい」

A子「B子とC子も呼びたい！ 2人も誘ってよ」

……と、いつもこんな感じ。

B子とC子が嫌いなわけじゃないんですよ。むしろ好きなんです。友達なので。一対一で遊ぶこともよくあった。でも、そういう問題じゃない。
当たり前だけど、B子とC子にも都合があるわけです。断られる可能性もあるよね。断られると傷つくよ。しかも、「◯◯に行きたい」っていうのは、完全にこっち側の都合だよね。誘い方も気を遣わなきゃいけない。
少なくとも私にとっては、「誘う」っていう行為にはかなりの労力が必要なんです。
何が言いたいかっていうと。

誘いたきゃ自分で誘えよ。

……ってことなんですよね。
だから、遠回しに、やんわりと、ふんわりと、そう伝えます。

私「悪いけど、B子とC子にはA子から声かけてくれないかな？ 」

A子「なんで？ B子とC子のこと嫌いなの？ 」

いや、違うわ！ 

私は「誘う」っていう行為が嫌なわけで。自分の意思で誰かを誘うならまだしも、A子に頼まれて誘うのは違う。てか、A子と遊ぶ話をしてるのに、なんでB子とC子が出てくるんだ？
でも、それをA子に説明するのはめんどくさい。
しかも、下手したら私がB子たちを嫌ってるみたいな間違った噂が伝わっちゃうわけです。「B子とC子を誘おうって言ったら嫌がってたよ〜」みたいな感じで。最悪。脅迫かよ。

で、結局私が降参してB子とC子に声かけるんだけど、高確率で断られるよね…。

「誰かを誘う」って行為は、かなりハードル高い。私は人を気軽に誘えるタイプじゃない。くよくよ考えちゃうから。もしかしたら、A子も私と同じタイプだったのかもしれない。

A子と縁を切るきっかけになったのは、A子自身の問題発言。彼女自身はちっとも問題とは思ってなさそうだけど。

「B子もC子も、私が誘っても来てくれないんだよ〜。だから代わりに誘ってよ」

……って、言われたんだよね。

我に返った。なるほど〜。私とA子はとっくに友達じゃなかったのか。私を利用して他の子を誘わせてたのか〜。そして、B子とC子もとっくにA子とは友達じゃないのか〜。

てか、やばい。

このままだと私はA子と同類になる。むしろ手遅れかもしれん。B子とC子にしてみれば、私は疎遠にしたA子との遊びにしつこく誘ってくる厄介な奴だよね。

そして、実際、手遅れだった。

B子もC子も、私の誘いに応じてくれる頻度が徐々に減ってたんだよね。疎遠にされてるのは明らかだった。

私は誰からも嫌われたくなかった。

A子に対して違和感を抱きながらも、めんどくさいと思いながらも、嫌われたくない気持ちが最優先だった。A子の要求をめんどくさいと感じていたんだから「自分で誘え！ 」って言っていればよかったし、誘い自体を断ればよかった。そうすれば、B子やC子との関係も少しは変化してたかもしれない。

B子とC子は、嫌われることを怖がらなかった。A子が厄介な性格だと見抜いた時点で距離を置いたんだと思う。

今も人に嫌われることは怖い。

でも、誰からも嫌われたくないなんて傲慢な考えは持ってない。そもそも他人の感情をコントロールするなんて不可能。そして、私が誰を嫌うかも自由。

嫌いな相手からは離れればいいだけ。