この映画だけはどうしても観る気になれない話


はじめに

お久しぶりです。最近映画をちょこちょこ観ておりまして、この間は『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』や『SPY×FAMILY Code: White』を観てきました。また前者で初めてレイトショーなるものに参加したことも一つの思い出になりました。
ちな吐き出したいので少しだけ脱線すると、後者はめちゃくちゃ面白かったです。金に余裕があったなら2回目も行きたいくらい。


本題

さて、今回はどーーーーーーしても観る気が起きない、けど興行収入では上位にランクする作品とその理由を書きます。
そのタイトルは、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら』(スターツ出版、汐見夏衛様)です。
本作は女子高生が戦時中の日本にタイムスリップし、そこで特攻隊に所属するアキラに出会い、二人の運命と思いが交錯する涙なしでは見られないラブストーリーだそうです。(参考:とある書店で流れている映画紹介の映像より)
この書店が現在のアルバイト先からそう遠くない場所に位置しており、しかも勤務先がめちゃくちゃ暇なため、映像から流れてくる音声が勝手に聞こえてくる状態なのです(笑)
その音声で(多分)タイムスリップしてきた方の女子高生がアキラ?に対して「体当たりするんでしょ?何でそんなことするの?本当に意味があるの、(体当たりに)どんな意味があるか言ってみてよ!!」と怒鳴るシーンがあるんです。
私はこのシーンを聞いて「あぁ、(少なくとも)私にとってこの映画は見る価値が無いな」と思いました。

理由

さて、本来であれば人を惹きつけるはずのシーンが私にとっては見る価値が無いと判断するに至ったかを書いていきます
細かく言うと色々ありますが、一番の理由は《この女子高生、何を言ってるの?》ということです。
まず特攻隊について:大雑把に説明すると片道分の燃料と爆弾?だけ積んで敵艦に必死必殺の体当たりをするというもの。出撃すればほぼ死ぬことが決まっています。ただし特攻隊を編成し命令を下したのは、あくまでも上の人間、要は特攻隊員の上司にあたる人物たちです。家族・友人・恋人などがいたであろう彼らにとって、本音が言える立場・環境であれば、死にに行くことなどしたくは無かったはずです。
そもそも特攻隊の意味なんて一隊員にはせいぜい本土をアメリカ軍などの攻撃から守るため、くらいしかないでしょうしそれ以上のことは決定を下す上層部にしか分かる訳がありません。なのに感情が昂っていたとは言え、一特攻隊員にそれを聞いてる女子高生のそれは正気の沙汰じゃないと思っています。

もう一つ。この女子高生、小学生~高校までの授業を聞いていなかった説が私の中で浮上しています。
誤解を恐れずに言うと、この辺に関してはおそらく原作者である汐見夏衛さんが明確な意図をもって女子高生に上記の発言をさせているのだと思っています。
その理由が、彼女のインタビューで確かこの本は「戦争を知る上での入り口にしてほしい。戦争とはどういうものかを知らない子どもたちが増えている(要約)」から書き始めたという記事があったかと思います。
つまりこの女子高生は、ただの特攻隊員に出会って恋をするだけの存在ではなく、戦争を知らない世代や私たちをで表しているとも言えます。
とは言え今の指導要領や教科書の内容がどのように変化したかは分かりませんが、少なくとも自分が小学生~高校生だった10年位前だと、特攻隊の写真だったりが掲載されており、簡易的な説明も授業内で習った記憶があります。
流石にあそこまで悲劇的な結末を生み出してきた特攻隊員について教科書や資料集、授業内で1ミリも触れないということは無いと思いますのでもう1度言わせてください。

この女子高生は、授業を聞いていなかった説


最後に

さて、ここまででたかが予告編の切り取られた部分だけを用いて原作を貶めかねない最低な文章を書き続けていますが、私の考えは今でも変わりません。
因みに結末だけ何パターンか想像していたので、答え合わせのために書店さんで最後の方だけ読んできましたが概ね合ってました(苦笑)。
苦笑いなのは、まさか物語を1ページも考えた事が無い人間が想像した結末がほぼ合っているとは思っておらず、大どんでん返しがあると思っていたからです。
映画ではどうなっているか微塵も知りませんし興味もありませんが、自分の想像していた結末の1つが「時空や空間の概念をぶっ壊して再会するorクラスメイトに実は特攻隊員として出撃したアキラの子孫がいる」でした。
ただし、予告映像の最後でアキラが「君(女子高生)の幸せを願っている」と言っていたので彼が死ぬのは確定だなと思いました。
上記したように、女子高生は物語においてただの女子高生というだけでなく、戦争を知らない私たちも表現されていると思っています。
つまり、アキラとは戦争を知っている世代や戦争を経験したことがある世代です。そのアキラから「二人で幸せになろう」ではなく「君(戦争を経験していない私たち)の幸せを願っている」というのはそういうことでしょう。
この考えに至ると、想像していた結末の1つである時間や空間の概念をぶっ壊して再会するというのはそもそもの論理が破綻するのでこれもないと考えるに至りました。
そして、タイムスリップした相手でも(確実ではないが)思いを伝える方法、スマートフォンなどの電子機器が存在しない時代において想い人に自分の全てを伝える方法…となれば1択すぎてこれ以上に思いつきませんでした(まさかビタ当てだとは思っていませんでしたけど)。
結末自体は多分何も知らない状態で頭空っぽにして行けば泣けるんじゃないでしょうか。
因みに私が直近でびっしょびしょに泣いたのは「ミステリと言う勿れ」(小学館、田村由美様)の映画と特別編です。
何なら特別編の方も映画で流してよかったんじゃないかと思うレベルでびっしょびしょに泣きました。誇張表現無しで途中から涙で前が見えなくなるくらいには。
原作全部知ってて単行本全巻紙で買ってて最新刊を首長くして待ってるのにアホほど涙出てきました。本当にヤバかったあれは。
皆様、ミステリと言う勿れぜひよろしくお願いいたします(誰だよ)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?