何がしたいのかわからない

自分が何をしたいかということは
なかなかわからないものでございます。
一見やりたいことをやっていると感じていても
改めてこのことを考えてみると
本当に自分がやりたいことであるか怪しいものです。

身近な人の欲望でございましたり、
生活している上で目や耳に入る企業からの売り込みだったり、
社会通念や道徳といった集団による圧力だったり、
実は自分の中から出てきたものではないことが少なくございません。

人間はやりたいことはできるけど、
何をやりたいかを決めることはできないと
頭の良い方がおっしゃっていたと存じます。

さて、自己啓発本などを拝読しておりますと、
自分のやりたいことを見つけるのに
自分が子供の頃好きだったことが
きっかけになると書かれていたりします。

確かに、成功者の話を伺うに
子供の頃からそういった片鱗が見られることもございます。
成功者バイアスということも考えられてますが、
素質や時間を考えれば
説得力のある説でございます。

ところが、
わたくしのように
子供の頃あまり良い思い出がない人は
どうしたら良いのかなと悩んでおります。

幼少の頃は、嫌なことが多く、
好きなことを求めるより
嫌なことから離れることが優先でした。

20代の頃にも考えておりましたが、
人間、もっと原初的な生物でも、
好きなことを求めるのと
嫌なことから離れるのと
どちらが、活力が高くなるのでしょう。

たまたま、大学で心理学系を専攻にネズミの実験をしている方がいて、
ネズミに学習させる際に
成功したらエサを与えるのと
失敗したら電気刺激を与えるのとの
違いをきいたことがございました。

結論としては、
電気刺激の方が早く学習するようです。
しかしながら、電気刺激を与え過ぎると
無気力なネズミになってしまうようです。

直接ネズミと人間と同じとは結論できませんが、
多分に人間にも当てはまるように感じます。

好きこそものの上手なれという言葉もございます。
好きなこととを求めていくのは
かなり重要なことでしょう。

ただ、自分は
何が好きか良くわからないという状態。
子供の頃を参考にしても、
むしろ子供の頃は嫌なことばかりで
あまり思い出したくもないのです。

嫌なことの反対が単純に好きなことではございません。
とりあえず、何もないことでも居心地が良いのです。

これは何もしないということが
それこそがやりたいことなのでしょうか。

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