とある夫婦の始まりから終末まで⑥

義母の逝去から5年たったころ義父が病に倒れました。
義父は、余命数か月という宣告を受けます。

その間私は自分の両親との関係もぎくしゃくしたままでした。
妻が末娘を連れて私には何も言わずに実家に行ってくれた後にも、「本当にこのままであなたが後悔しないならいいけど」と言われました。
後悔は、すでにしてるが素直にそれが言い出せずやはりそこでも言い合いになりました。

コロナ禍もあり、100%リモートワークで業務ができることとなりました。
義父が最後は家で過ごしたいという希望とのことで、妻の希望もあり、妻をお義父さんの介護に向かわせることを了承しました。

私も週末には顔を出し妻への差し入れや、義父の見舞いをしつつ、毎日の掃除、洗濯、片付け、食事など、家事のすべてを対応しつつ、仕事しながらできる限りのことをやりました。

このころは3姉妹とも一緒に暮らしていましたからこれまで気になっていたところを含め、少しでも家の環境を気遣い衛生的に過ごせるように頑張りました。感染症の流行ということもあって余計に気にしてたかもしれません。

また、家事の効率を考えてレイアウトの変更や、必要な断捨離を進めたのですが、、、、妻からすると面白くなかったみたいです。

本当に余命宣告を受けているのか?と思うくらい最初の内は、義父は元気でした。
でも病気は確実に進行してたのだと今ならばわかります。
長女の成人の晴れ姿を見て一緒に写真を撮れました。
それから1か月ほどで義父が旅立ちました。

次女の大学入試の結果わかるまでは生きててくれると嬉しいと思ってましたがかなわずでした。

亡くなる歳の孫へのお年玉はもうあげられないと思うからという理由で
今後20年分という意味も込めて?か、20万円ずつ包まれていました。
本当にかっこいい義父でした。私自身尊敬もしていましたし、嫌悪の感情を義父に抱いたことなど一度もありませんでした。優しい、でもしっかりした信念のある方でした。

私にも100万円包んでいただきましたが、私は結婚前に義理の姉から資産目的で結婚するのだろうという言葉が忘れられず、そういったお金は一切受け取れないと考えていたので、義父の葬儀代に充ててほしいと妻に返しました。

妻からするとそれも気に入らなかったのかもしれません。
義父からの気持ちを受け取ってくれないのか?ということを言われましたが
そこで会ったこともない人に結婚前に資産目的で結婚するんだろと言われたときの衝撃は一生忘れません。故にその程度で揺らぐような私ではありません。

義父の気持ちはありがたかったですが、結婚前に義姉(長女)言われたこと、そして今度は何と言われるのだろうかと思うとありがとうございますと素直に受け取るわけにはいかなかったのです。

ましてや今後は防波堤になってくれる義母や義父はいません。

妻との関係も義父の相続でさらにぎくしゃくしてきました。
貯蓄もできず支出し続ける自分に対し、両親の資産を相続し資産運用を否応なしに始めなければいけなくなった妻。
好きではないこととは言え、自分の稼ぎはきちんと貯蓄し、運用資産も入りなにも残らない私とは違うんだなぁと感じました。

良くないと思いながらも、妻も家に居ないから生活費を自分で持つようになり、買い物なども全部家系を自分で仕切る形となりました。

もともとは、妻が個人事業主で自宅で業務をおこなっていたことから、経費として光熱費を25%程度計上し、妻の収入から出してもらい一部経費を除いて、その他のローン、学校、習い事、生活費などその他出費はすべて私でした。

お互いある程度の収入があるのだから、きちんと話して生活費を折半する提案をすべきだったなと今振り返ると思います。

妻は学歴に対して強いコンプレックスがあったのか子供に勉強をさせることに非常に熱心でした。
一方の私は学歴はあるにこしたことはないが、どうしてもやりたくないものまで無理してやらせたくない派でした。

そういう考え方のGAPもあり、このころ妻との子育てに関する考え方の衝突もあり夫婦としての関係性はもはや破綻、子供たちへの影響も気になり始めました。末娘の自傷行為もあり、妻も私もいろいろある中でもさらに悩みました。

お互いの言葉はもうすでに届きませんし、お互いに何かの考え方を相手の意見で変えれるというような関係性は維持できなくなってました。

コロナ禍で在宅時間も増え悩む時間も増えました。
なんでこんな選択を自分はしてしまったんだと強く自分を攻め続けました。

自分の両親における生活の限界を知りながら、どう話を切り出せばいいか悩み続け、行動することが出来ませんでした。

いよいよもって限界の最後連絡が姉から来てやっと行動が起こせました。

2022年の2月でした。

義父が逝去して1年後。
身近な人間がいなくなることのダメージも理解し、このままではダメだ・・・と勇気を振り絞りました。

義父をなくして1年程度の妻にこれまでかかわってこなかった実家の面倒を見てもらうわけにはいかないと考えました。
もともと家事は依存していませんでしたし、両親の面倒も妻には頼らぬよう自分で全部やるとこころに決めました。

これも今となっては過ちだったと思います。

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