子犬に会うために犬舎へ行って悲惨な現状を目の当たりにした話

やるせない気持ちになったから、ここに記録しておく。
しばらく忘れられそうにない。

ずっと前からチワワをお迎えしたかった私は、運命の子を探し続けて
この子だ!と思える子を発見。

ペットショップ、ブリーダー、里親 ...

どこからお迎えするかは様々だけど
私はブリーダーさんから直接お迎えしたいと考えて
サイト経由でやりとりして犬舎に伺う予約をとった。

予約の日まで待ち遠しくて
何回もサイトに載ってるその子の写真を見返した。
タレ目ちゃんでおっとりした表情をしてて
ものすごく可愛かった。

子犬を迎えるには一度見学をして後日迎えに来る方法と、その日にお支払いを済ませてつれて帰る方法があるけど、
私はもうその日に連れて帰るつもりでブリーダーさんにもそう伝えておいた。

前日に物置からゲージを出してきて綺麗に拭いて、組み立てて中にトイレシートとベットもセットして準備万端。

そして当日、車にクレートと子犬の帰りまでの飲み水を用意して向かった。

夫に頼み込んで、高速道路で片道3時間の距離を運転してもらい、ようやく到着して犬舎を見て唖然。

台風どころか強風で崩れ落ちそうな犬舎。
壁はところどころ剥がれ落ちていて、そこからゲージと呼んで良いのかも分からないけど…檻と呼んだ方がしっくりくる。
子犬が入れられた檻が高く積み上げられていた。

かろうじて屋根があるものの横雨が降れば間違いなく濡れる場所にも檻があって、子犬たちが入れられていた。

近寄るにつれて酷い悪臭で、先ほどまでの楽しみは消えつつあった。

入り口が分からなくてきょろきょろしてたら、ふと庭のような場所にひとつポツンと檻が置いてある。
私がずっと写真で見ていた子だとすぐに分かって、同時に目を疑った。 

気温30度近い炎天下の中、屋根もない場所にその子だけ放り出されて私達を待たされていた。

スタッフの人に声をかけてもらい移動して、手を消毒した後にようやくお目当ての子に会えた。

結論から言うと、サイトの写真と同じ子なの…?と疑うくらい顔つきが違っていて
まだ子犬だから数ヶ月で顔が変わるとわかっていても、あまりにずっと写真で見ていた子とは別人で
夫と長時間悩んだ末に「一度帰って検討します」と伝えて、空っぽのクレートと一緒に再び3時間かけて帰宅した。

とても大人しい子だった。
長時間背中を撫でても抱っこさせてもらっても暴れず良い子にしててくれた。
けど私達の、犬舎に着いてからの色々なことに対する戸惑いが伝わってたのか、
どれだけ撫でても声をかけても全く目を合わせてくれなかった。
悩むくらいなら迎えるべきじゃないし、妥協して家族に迎え入れるのはこの子にとっても失礼だというのが私達の考えだから、
この子を大切にしてくれる家族が他にいるはずだと自分の良いように解釈して、バイバイを言って犬舎を後にした。

私達がその子を撫でている間、すぐ隣にゴールデンレトリバーの子犬を見に来ているカップルがいて、戸惑う私達とは違いニコニコ嬉しそうに子犬に触れながらブリーダーから説明を聞いていた。

そのブリーダーの口から出てくるどの言葉も、正直に言うと胸糞悪くて、きっと夫も同じだったんだろう。
それを隠そうとする私と違って、夫の顔には不快さが滲み出ていた。

到着してすぐ目にした悲惨な犬舎や悪臭で、とっくに私達には来るべきじゃなかったんじゃないかという考えが浮かんでいて、それがブリーダーのいくつもの心無い言葉で、来なければよかったと確信に変わった。

「成犬は早く決まらないと金にならない。人件費ばかりかかるから」
「飼い主と目が合わない犬は馬鹿だ」
「飼って1週間以降は躾をきちんとしないといけない。新聞紙まるめてスパンと叩かないと」
「子犬の便はゆるいのが当たり前」(私は子犬も成犬も便の状態は健康状態で変わると思っていて、健康なら程よく硬い便で、ゆるいのは下痢だと思う)
「犬は寒くても問題ない」(暑いのは論外だし寒いと下痢したり嘔吐したりする子もいる。今どき外飼いはありえないけど室内犬は冷暖房当たり前)
「パテラは飼い主の餌のやり方でなったりする」(パテラは遺伝や先天的な要因もあるはず。言い切るのはどうかと思う)

私も夫もブリーダーがすぐ横にいるから態度には出さなかったけど、物凄く不愉快だった。
職業としてブリーダーをしていることは頭では分かっていても、だからといってモノ扱いすることとは別だから。

こんなところ来るんじゃなかった、と心から思った。同時に、けっして全てのブリーダーがこうではないということも分かっている。

勿論、そこで生まれてくる子犬に罪はないのだということも。

まだ私のチワワを迎え入れたいと言う気持ちに変わりはない。

今度は、尊敬できるブリーダーの元から、納得した上で子犬を迎えたいと思っている。

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