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素人の考古学—神奈川県秦野市桜土手古墳群他巡り

  
  秦野市には、水無川に沿って桜土手古墳群、戸川古墳群、桃木原古墳群、念仏塚古墳などがあり、葛葉川に沿っては羽根古墳群、菩提横手遺跡があるが、新たに平成29年に菩提横手遺跡から3基の古墳が見つかった。秦野市の古墳は全て円墳である。
桜土手古墳は、はだの歴史博物館に復元展示されている。


はだの歴史博物館

●桜土手古墳群
 水無川の右岸に35基もの古墳が築かれていた。これらは全て横穴式石室を主体部とする円墳であり、石室の入口を概ね南方に向けるなどの共通した特徴を持っている。このうち6基を現状保存している。
直径は約8.5~28m、6c末~8c初頭の築造。
①  桜土手1号墳(移築復元)
径28m、高さ5.6mの円墳。
横穴式石室前庭部から外護列石が一周している。

桜土手1号墳(移築復元)

横穴式石室、河原石を積んだ長さ6.2m、幅1.5m、奥壁1.8mの無袖式。


河原石を積んだ横穴式石室


➁桜土手30号墳
 径22.8m、高さ2.5m、幅1.7m 周溝あり。


桜土手30号墳

➂桜土手31号墳


桜土手31号墳

➃桜土手36号墳
 

桜土手36号墳

●秦野市菩提横手古墳群の現地説明会(2017/06/18)
 神奈川県秦野市は新東名高速道路建設に伴い遺跡が大量に発掘されている。
富士山が望める秦野盆地に7世紀末の円墳群がある。


新東名高速道路建設に伴い遺跡が大量に発掘されている

菩提横手古墳群
直径16mほどの小規模円墳が3基並んで出土。古墳の周囲には周溝が巡っている。

菩提横手古墳群の現地説明会

小田急電車とバスを乗り継いでの不便なところにもかかわらず、朝10時からの説明会に大勢い集まっている。

菩提横手古墳群の現地説明会

墳頂は破壊されているが、横穴式石室が良好な状態で残っている。
1号墳の石室規模は長さ6.7ⅿ、幅1.1ⅿ 天井には重さ400~600キロもある大きな石が用いられている。
2号墳の石室内からは人骨の一部が見つかっている。

横穴式石室が良好な状態で残っている

出土品は勾玉や水晶の首飾りなど。

勾玉や水晶の首飾り

鉄剣や鉄鏃など。鉄剣は前日発掘されたばかりのもの。

鉄剣や鉄鏃など

古墳は7世紀末頃になると豪族から一般人まで拡大。
副葬品で被葬者が女性か武人か首長クラスかがわかる。
今回の遺跡巡りで、古墳時代の秦野盆地の全貌が見えてきた。
               以上
                小兵衛

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