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素人の考古学ー埼玉県行田市の石舞台古墳の見学


 埼玉県行田市に「関東の石舞台古墳」といわれる巨石を組合わせた横穴式石室を持つ円墳がある。
八幡山古墳で、埼玉県行田市藤原町にあり、若小玉古墳群を構成する古墳の1つである。
若小玉古墳群には、昭和初期までは愛宕山古墳、荒神山古墳など、3基の前方後円墳と、8基の円墳・方墳が存在していたが、現在、ほとんどの古墳は削平され、八幡山古墳と地蔵塚古墳が残っているのみ

さきたま古墳群の築造が止んだ後に、新興の豪族が築いたと推定されている。

●八幡山古墳 7世紀中頃
80mの円墳。墳丘は失われているが、横穴式石室が露出している。
予約しておけば鍵を開けてくれ、中が見られる。
石室は南側に開口し、全長16.7m、玄室・中室・前室・羨道からなる複室構造。
出土品: 1977年の発掘調査で、絹布に繰り返し漆を塗り重ねて作られた棺の破片(乾漆棺、漆塗木棺片)が出土した。
この棺や副葬品から、古墳の築造年代は7世紀中頃と推定され、漆塗りの棺は畿内でも高い階層に限られており、被葬者は宮廷と親密な関係の人物と考えられ、被葬者を633年に武蔵国造に任命された物部兄麻呂とする説がある。

八幡山古墳

明日香の石舞台古墳を思わせる独特の雰囲気を放っている。


内部を覗くと長いトンネルが続いているようだ。

玄室・中室・前室・羨道からなる複室構造。

玄室から外を眺める。

玄室から外を眺める

玄室は緑泥片岩と安山岩が使われており、天井は巨大な一枚岩。広いスペースで天井の高さは4ⅿ以上ある。
複数の石材が使われていて、被葬者は広範囲の場所から石材を調達できる人物だったのだのだろう。

天井は巨大な一枚岩。広いスペースで天井の高さは4ⅿ以上


丁寧な石組が美しい。

上に登ってみると、露出している天井岩の巨大さに驚く。

巨大な一枚岩。長さ7m幅2m厚み30cmはありそう。
これは榛名山や長瀞辺りから運んできたらしい。

天井石は巨大な一枚岩

この古墳は個人の敷地内にあり、個人が管理している。
その方に話を聞くと、寛永時代からこの地に住んでいて、周辺にはいくつもの古墳があったが、区画整理でこの古墳だけ残っているとのこと。
県史跡になっているが、めんどくさいので国史跡には申請していないとのこと。
                       以上
                      小兵衛記


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