市民劇団と金魚
奈良県大和郡山市は、金魚養殖の産地として知られています。古事語り部座の2024年の演目「郡山ラプソディ2024~麗しの二十世紀少女歌集~」でも、小池金魚園という金魚農家が登場します。金魚養殖の歴史は古く、伝統的な技術や知識が数々受け継がれています。
大和郡山に金魚がやってきた
享保9年(1724年)に甲斐(現在の山梨県)甲府藩の2代目藩主である柳沢吉里が、大和郡山に入部し大和国郡山藩の初代藩主となりました。柳沢吉里と言ってもなかなかピンと来ないかもしれませんが、吉里の父は、第5代将軍徳川綱吉に仕えた幕臣、柳沢吉保です。綱吉といえば生類憐みの令を思い出されますよね。お父さんは超有名人物です。
この柳沢吉里の家臣の横田又兵衛が、観賞用の金魚を持ってきた人物とされています。2024年は金魚が伝わって300年という節目の年にあたるんです。
金魚養殖
こうして藩士たちの楽しみとして育てられていた金魚ですが、幕末になると武士たちの副業となっていきました。市内には富雄川と佐保川が流れ、溜池も多くあり、金魚の養殖の条件が揃っていて、また旧藩主の柳沢家が金魚の品種改良や飼育法の研究を後押ししたこともあって、明治維新で職を失った武士たちは本格的に事業として金魚の養殖を始めました。
昭和になってからは、海外へも輸出されるようになり、東京の江戸川区、愛知県の弥富市と並ぶ金魚の三大生産地と呼ばれるようになりました。
金魚すくいでおなじみの「和金」を主力品種としていますが、後継者不足もあり廃業する金魚農家もあって30年ほど前から出荷量が減少するなか、コロナ禍により夏祭りや花火大会の中止が相次ぎ、金魚すくい用の需要が激減してしまいました。
全国金魚すくい選手権大会
四角い水槽に赤い金魚たち、浮かぶボール、緊張の面持ちで凝視する参加選手達。大和郡山市で毎年夏に開催の「全国金魚すくい選手権大会」、今年は第29回大会となります。(2021年と2022年は、新型コロナウイルス感染症の感染状況を鑑み中止)
参加資格は、小学生以上の金魚すくいが好きな人。ですが、強者ぞろいの奈良県民は予選大会があり、それに勝ち残った人が本選に出場できます。
大和郡山市のHPによると外国の方の参加もしやすくなったようです。
今後は、世界大会になるかもしれませんね。
第29回 全国金魚すくい選手権大会
開催日:令和6年8月18日(日曜日)
会場:金魚スクエア(大和郡山市総合公園施設多目的体育館)
郡山ラプソディ2024
古事語り部座の本公演にも金魚がいたるところで登場します。金魚モチーフのダンスもありますよ、お楽しみに!
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