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我が人生の1枚『A LONG VACATION』

我が人生の1枚を語るシリーズ、
前回はTHE YELLOW MONKEYの
『FOUR SEASONS』を取り上げました。

今回は大滝詠一氏の『A LONG VACATION』
の思い出を語っていきたいと思います。

僕はイエモンとの出会いにより、ロック少年になり、その勢いで洋楽を聴き出しましたが
ある程度すると邦楽に帰ってきました。
その頃に出会ったのが
大滝詠一氏の『A LONG VACATION』です。

いろいろ自分の知らない音楽を見つけたい
欲が最高潮に達してたので、ネットとかで
「邦楽名盤おすすめ」とかいろいろ検索をかけるわけです。それで出てきたのがコレ。

大滝詠一という名前に何故か聞き覚えがあったんですよね。それである時ピーンと「さくらももこ先生のエッセイで見た名前だ!」と思いましました。
ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、
さくらももこ先生の名作エッセイである
『さるのこしかけ』にて、『A LONG VACATION』が登場してたんです。

どんな話かを簡単に説明させてもらうと、
さくら先生のお姉様がとあるレコードが欲しいのだけれど、そのレコードに入っている曲のタイトルがわからない。だけど「ミカンだかオレンジだかを薄切りにしてアイスティーに浮かべる歌だというのは知ってるから一緒に探してくれ」と姉に頼まれた。
という内容です。その曲こそ『A LONG VACATION』に収録されている『カナリア諸島にて』だったわけです。
ほかにもさくらももこ先生の『劇場版ちびまる子ちゃん 私の好きな歌』でも大滝詠一の
『1969年のドラッグレース』という曲が
使われています。

話を戻すと、つまりさくら先生のお陰で
「大滝詠一の『A LONG VACATION』とやらを聴いてみよう!」という気になったわけですね。

いざ聴いてみると、いやもう感動しましたね。
イエローモンキー以来の感動だったんじゃないかな。
私は集中力が持たないことで弱点で、
そんな私からすれば1時間以上もある
アルバムなんかは当然の如く超苦手なわけですね。30分でも長いくらい。
そんな私が1枚まるまる通して集中を切らすことなく聴けるアルバムって滅多にないんです。
その私の集中力の壁を乗り越えたアルバムこそが人生の1枚になるわけです。
この『A LONG VACATION』を聴いた時、
『君は天然色』から『さらばシベリア鉄道』まで釘付けでしたね。作業の傍ら聴くつもりだったのに、作業をほっぽり出してのめり込みました。

基本的に歌謡の要素があるアーティストが
好きなんですが、大滝詠一氏もその歌謡の要素を大事にされている方だと思います。
うまく表現できませんが、そういうところが
私の心の琴線に触れるんです。

このアルバムは心地よい。かっこいい瞬間、お洒落な瞬間もたくさんあるんだけど、ずっと
一貫して心地よいです。そのまま寝落ちしてしまいたいくらい。

「時はまるで銀紙の海の上で溶けだし
僕は自分が誰かも忘れてしまうよ」

『カナリア諸島にて』
の歌詞です。
ほんとにこの歌詞のような心地になったのを
いまでも鮮明に覚えています。
柔らかい、独特の雰囲気があって、心地よい。だから余計に真似して歌いたくなりますね。
何度聴いても最初から最後までうっとり
聴けてしまう、魔法のようなアルバム。

あの初めて『A LONG VACATION』
聴いた日、聴いた時のあの感覚を私は
一生忘れないでしょう。

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