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やがて、時間は過ぎ、ボクはというか、オレは大学3年になっていた。特に何をしたいこともなかったオレは、経済学部で勉強している。幼馴染の涼子はというと、何を考えたんだか、オレと同じ大学に入った。涼子は文学部。特に本が好きというわけではないはずだったのだが、よくわからんが文学部にいる。オレも涼子もこの大学へは通学できないから、下宿生活をしている。仲が良かった小林はというと、親の仕事の手伝いをするって言って、高校卒業後、父親の会社に就職した。まあ、自営業の鉄工工場だ。 大学はマ
それから、オレは授業が終わっても、いろんなことを聞いた。オレのからだに入っている以上、エネルギーはオレが死ぬまで供給し続けられるそうだ。それに、どうやってオレのからだに入ったのか?それは教えてもらえなかった。今のオレには理解することが難しいからだそうだ。2061年ではからだへ入ることへの痛みもなく、それが可能になっているらしい。 AIみちこさんは、基本、オレのからだの健康に関することは、すべて把握しているとのことだ。だから、足らないビタミンとか、それを補給するのにどんな
*第6話から最終話まで、掲載しています。 だんだん、日が暮れて、周囲は真っ暗になって、オレは焚火の明かりを見つめていた。 「ちょっと、冷え込んできたね。」 「さっきから寒いわ。」 「厚手ないって言ってたな。」 「うん。」 確か、パーカーがあったな。ウィンドブレーカーもあったはずだ。オレはリュックからそれを取り出した。 「ほいよ。」 「ありがとう。」 (ところで、この塊、どうするつもりなん?) (リョウさまが寝ている間に取り込んでおきます。) (オレ、絶対むりだぞ。) (