「小学校というところ」

「小学校というところ」
朝に起きて小学校という場所に向かって、小学校というのに着いたらなぜか僕と同い年の人がいる。小学校というのは勉強というのをするところらしい、そのために宿題というのがあって、席に座って教科書というのを覚えなければならなくて、そうしてテストというのに備える。中学校も高校という場所もそれと同じらしい。なぜ「勉強」というものがあるのか。先生とやらが言うには「勉強」をするのは、「いい大学」というまた新しい学校に入るためだと言う。ではなぜ「いい大学」に入るのか謎に思って聞くと「いい会社」に入るためらしい。ではまた、なぜ「いい会社」に入るのかわからなくて考えても分からないので聞いてみると、お金を沢山貰えるかららしい。僕はまた質問をした。なぜお金が必要なのか、なるほどお金があると自分が欲しいものを買えるらしい、大きい家に住めるらしい。なるほどなるほど、分からない。なぜ自分が欲しいものを買えるといいのか、なぜ大きい家に住めるといいのか。僕は無学で浅学非才で仕方がないくらいなのだけど、もう少しもう少しと際限なく質問をする。自分で考えても分からない。理解する気はある。もちろんある。だが質問をする僕に大人は口をそろえて「うるさい」と言うようになる。最近じゃあ「友達」とやらはみな「大人」というのになったらしくて、いつまでも子供の僕はやはり煙たがられる。「なんでこんなことがわからないんだ」と言うが、では何故僕がわかるように質問に答えないのか、はなはだ疑問です。これだけ質問をしているのに分からないでいる。何も分かっていない僕だけど、反問するなら、なぜ「大人」の欲しいものにはお金がかかるのですか、僕たち子供にはそれがわかりません。何かをするときにお金がかからないからです。なぜ「大人」は口をそろえて大きい家に住みたいと言うのですか、僕たち子どもにはそれがわかりません。僕たち子どもには勿体ないくらい大きな家がそこら中にあって、小さい家というのを見たことがありません。目をつぶったら、僕たち子どもはお城の中にいます。

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