中小企業のIT活用:共有ストレージ
ファイル共有には、メールサービスで使用しているZohoのWorkDriveを活用しています。
起業時に各種規約を作成し、その後入社してくるメンバーへはメールで通知していました。しかし、従業員が規約を確認するたびにメールを探して開くのは手間がかかると感じていました。また、労基法では従業員が10名以上いる場合、就業規則はいつでも閲覧できるようにすることが定められているため、その閲覧環境をどう整えるか検討することにしました。
クローズドなウェブサイトに規約を掲載する方法も考えましたが、当時は手軽に使えるサイトがわからなかったことと、インターネット上に公開することの情報漏えいリスクが懸念されました。たとえ当社の就業規則が流出しても大きな問題ではないとは思いますが、将来的にどのような情報を管理するかを考えると、社内情報をリスクのある場所に置くわけにはいきません。
そこで、セキュリティが確保されつつも手軽に使えるオンラインストレージが必要だと考え、Boxなどのサービスも検討しました。しかし、新しいサービスを増やすのは煩わしいですし、それなりの料金がかかるため導入を見送りました。また、Microsoft 365でSharePointを使えば便利だろうと思いましたが、こちらも一人当たりの料金が高く、選択肢から外れました。
そんな中、メールで使用していたZohoが、サブスクリプションをアップグレードすることでさまざまな機能を利用できる「Workplace」というプランを提供していることがわかりました。Zohoの魅力は、料金プランと機能の一覧がわかりやすくまとまっており、選びやすい点にあります。そこで、1ユーザーあたり月額120円のメールサービスから、月額360円のWorkplaceにアップグレードすると、メールの容量が5GBから30GBに増加し、各ユーザーに10GBのディスクスペースが付与され、共有ディスクも作成できるとわかりました。さらに、普段からメールを使用しているため、Zohoにログインしていればメールから共有ディスクにもセキュアにアクセスできるのが魅力的だと感じ、アップグレードを決めました。
・とても見やすいZohoの料金ページ
https://www.zoho.com/jp/workplace/pricing.html?src=pd-menu
アップグレードはサイト上で簡単に完了しました。
ただし、ここで思わぬトラブルが発生しました。もともとメールサービスを先行利用していたため、アップグレード後に4名の従業員が「保留中の招待」という原因がわからない状況に陥りました。利用開始時期が早かったメンバーだったため、何かしら影響を受けたのかもしれませんが、ウェブ操作で解決しようと試みましたが、4名のステータスは回復せず、結果的にその4名はWorkDriveが使えない状態が続きました。サポートに問い合わせたところ、「海外サポート製品です」とのことで、サポート窓口も海外対応に委ねられることとなり、返答に時間がかかりました。問い合わせに対する返事は、1週間後に「Hi~」という軽い挨拶とともに届くため、対応スピードの遅さに不満が募り、段々と言葉も強めて問い合わせながら、そのうち言ってることが分散するため1名ずつ対応を求めてようやく1名分の問題は解消できましたが、残りの3名については2週間放置され、「契約を打ち切ります」と伝えても反応がありませんでした。そのため、サブスクリプションのダウングレードを実施。すると、数日後に「対応したのでまたアップグレードしてください」と返事が来たため、「商売がうまいですね」とだけ返答しました。
その後どうするか悩みましたが、規約の更新頻度もそれほど高くないため、しばらくはメールで共有した規約を各自に保管してもらうことにしました。
さらに時間が経ち、再度対応が必要になったため、当時は腹立たしかったものの、効率とコストの面から改修が行われたはずのZohoにもう一度バージョンアップすることにしました。結果的に、無事全員がWorkDriveを利用できるようになり、現在は個人用および社員共有フォルダを持たせ、就業規則などを保管できるようになりました。従業員はZohoでメールを確認したり、WorkDrive経由で社内規約を参照できるようになっています。
Zohoは低価格で使いやすいと感じますが、海外サポート製品でトラブルが発生すると、非常にストレスがたまります。
中小企業としてはGoogle、Microsoftに対する第三の製品のような立ち位置のZohoを成長させたいと考えていますが、今後自分たち大きくなり、Zohoの成長があまり見込まれてないと感じるところがあるため、最終的にGoogleWorkspaceはMicrosoft365を選ぶことになるかも知れません。
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