これからのわたしと鉄道模型


 鉄道模型とどうかかわっていくか、これまでのわたしはあまり真剣に考えていませんでした。まあ、いまでもそんなに真剣なのか、と聞かれると答えに窮してしまうのですが、3年前までに比べればまじめにとりくんでいるとは思います。ですが、とりくみ方がまじめだといっても、脳出血を経験した自分としては腕や脚がまじめに働いているとはいえません。否、部位はまじめなのですが、それをさせようとするわたしがふまじめなのです。
 2021年の秋くらいまでは模型の世界に戻れるかどうか、という状態でしたが、2022年には雑誌の75周年に寄せての記事を書くまでに回復しました。とともに、自分の模型についてもいろいろ考えてみたわけです。
 もともと模型についてなにかを考えるという構えはあまりなかったのですが、病後の自分については考えることが少なからずあり、そこから模型のことも、となったわけです。
 
 かつて自分が選択したゲージは16番でした。ここで16番と書いてその意味を100%わかるかたは少ないでしょうし、わたしも正しく理解できているかどうかはあやしいので適当に過去形でごまかしますが、少なくともいわゆるHOではありません。
 12歳で16番をはじめて50年以上、途中でNゲージに転んだこともあります(こどもが産まれてしばらくは、「転んだ」という表現では不適当だったくらいです)が、健常者末期には完全に戻り、ドイツ型の蒸気機関車や客車をメインに、日本型の16番ナローなどをやっておりました。
 特になにも起きなかったら、いまもそのままだったと思うのですが、3年前に体が破綻したため、それまでのすべてがパーになってしまいました。本当の話、なにもかもやめてしまおうか、と思ったこともあります。
 しかし少しはっきりしてくると、なにかリハビリのようなことをしたい、もちろん本当のリハビリもやるのですが、趣味でもなにかやろうと思うようになってきました。入院中にはなぜかRoco製のナロー客車が手もとにきていたりしましたが、どうもこれはわたしには難しかったようです。そこで、普通ならばもっと大きなサイズの模型でも、と考えるところなのでしょうが、わたしはむしろNゲージのほうが合っているのでは?と思ったのです。そこでまずは昔買ってとっておいたKatoやTomixなどの既製品をさがす作業をはじめました。まあ、結局はそれ以降に買ったもののほうが多くなりましたが・・・
 
 はじめは電気機関車と客車から手をつけました。EF30とEF81、それにブルートレイン。それから電車や客貨車も30輌くらい、これで関門トンネル付近のJR、ではなく国鉄を中心に集めようとスタートしたわけです。
 集めはじめるとこれが意外と大変で、ブルートレインといっても20系や24系など各種ありますし、415系を集めるにもJRはあっても国鉄はない、などいろいろあって、うまくいきません。
 自分で作ることができればいいのですが、それは当面無理なので、さてどうするか?
 そこで今度は電車メインで行こう、と思い立ちました。それも、なんと小田急! 模型をはじめて50年以上経って、まさか小田急に手をつけるとは、さすがの自分もビックリです。
 世の中はVSEが終了とか5000形がどうとか、あるいはホームドアがどうのといっている時代ですが、わたしは40年前から25年前くらい前の、まだ経堂駅の改札が地下にあったころをテーマに、でもあまり時代には縛られずにやってみることにしました。ですから4000形(新型)も5000形(旧型)も走るといった調子です。ロマンスカーにはまだ手を出していませんが、やるとすればLSEでしょうか?
線路も考えなければいけません。もちろん複々線はスペース的にも大変ですし走らせるにもおもしろくないので、複線プラス追い越し式にしてみました。関門付近を考えていたころは複線というか単線のダブルというイメージだったのですが、小田急にしてからは単純な複線で線路を考えなおしました。
といっても、頭の中で考えている通りに実現できているわけはなく、お金にも限度がありますし、なにより自分でできることにも限りがあるので、そこはお許し願いたいと思います。
 
「弄る」という漢字は「いじる」と読むのだそうですが、きちんと読んだことも書いたこともないのでひらがなでしか書きません。(そもそも「いじる」という言葉自体使いませんが)世の中の風潮は、わたしが思っているよりもずっと漢字主流の文字文化になっていますが、そのかなりの部分はパソコンがもたらしたものだと思っています。この誤った傾向に、なんとかわたしは立ち向かっていきたいです。応援してくださる方がいらっしゃればうれしく思います。
「平仮名、私、可成、齎した、下さる、嬉しく」「私」や「下さる」は漢字でもわかりますが、昭和31年生まれには少なくとも書き文字としてはなじみません。いまの若い人には「馴染」んで「居る」のでしょうが。

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